【プロット】ミコナとかぷせるあにまるず

ミコナ

恵まれない境遇こそが

恵まれない境遇こそがサンギータの才能を開花させました。

でも、それは本当に幸せなのでしょうか？　誰かが苦しくつらい想いをした果てに得られたものをただ娯楽として享受するのはどうなのでしょう？

けれど、そういうものがあるのは事実ですよね。だからそれを否定しても、目覚めた才能で身を立てている人もいるのですからそういう人達をまた苦しめることになるでしょう。

サンギータの場合も、彼女の両親が今から心を入れ替えることはないでしょうから、彼女自身が自らの力で生きていけるように支えるのが現実的な対応でしょうか。

ここまで拗れた親子関係が、彼女が生まれてここまで十二年もの時間をかけて、いえ、彼女が生まれる以前からの時間をかけてもつれにもつれたものがほんの数日とか数週間とかの時間で和解できてしまったら、それこそ、

『こんな簡単なことで解決できる程度の話なのに、大の大人が二人もいて今まで何をしてたんですか？』

という話になりますよね？

なのでやっぱり、サンギータが今の自分を受け入れられるようにするべきかと。タムテルと同じように。

親は親。子は子。結局、そういうことなんでしょう。だからティーさんも、

「よ！　今日もロックやね！」

完全下校の時間になって、校門のところに現れたサンギータに声を掛けます。

「ティーさん！」

ミコナと一緒にいたティーさんに気付くと、サンギータの表情がふわっと明るくなります。彼女がティーさんのことを必要としてるのが分かる瞬間でした。自分のことをただ自分として見てくれる相手がいることで、彼女は救われてるんでしょうね。