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ミコナ

踏み込み過ぎるのも

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そうです。フカがタムテルを気に掛けるのも、ティーさんがサンギータを気に掛けるのも、結局はミコナのため。タムテルやサンギータは、ミコナと同じ学校に通う、何かがあればミコナにも影響が及ぶ可能性の高い子達でした。

これがちょっとした不平不満がある程度ならすべてに構っていられなくても、タムテルやサンギータのそれは、いつか大きな爆弾に育つ予感が強くあるそれなんです。だから見逃しておけない。

ミコナのために。

だけどそれも、ルリアのままだったらそれこそここまでできなかったでしょう。<かぷせるあにまる>となりフットワークも軽くなったからこそのもの。人じゃないからこそできることもある。

「でも、踏み込み過ぎるのも禁物だぞ」

ウルが少し険しい表情で言いました。それに対してティーさんも、

「分かってまんがな。ミコナはんのためやってことを忘れたらそれこそ何やってんのか分からしまへん。そこは外したらあかん」

腕を組み尻尾を振り、応えました。分かってはいても、こうやって口に出すことも大事なんです。分かってるつもりで、でも気付かないうちに守るべき範囲を踏み越えてしまうというのは、よくあることですからね。

今は<かぷせるあにまる>なウルとティーさんですが、それをわきまえないととは思っています。元は大人なんですから。大人であることを忘れてはいけない。

「……」

そんなウルやティーさんを、カリナも心配げに見ています。でもそれに対しては、オウが、

「案ずるな。お前はお前の仕事をこなしていればいい。あいつらとてバカじゃない。引き際は承知している」

翼を組んだまま言ったのでした。

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