【プロット】ミコナとかぷせるあにまるず

ミコナ

百点取れるのが普通だから

こうして学芸会は無事に終えられましたけど、だからと言ってタムテルの問題が解決するわけじゃありません。それでも、タムテル自身の心持ちは少しだけ変わったようです。学校が終わってからあの公園に行くと、フカとお話ができるようになったんです。

「今日は国語の小テストが返ってきたんだ。百点だったよ」

「おう、それはすげーじゃねーか」

「すごいと思う？　でもママは褒めてくれないんだ。百点以外だと怒るだけで」

「そっか。それは寂しいよな」

なんて感じで。そうです。タムテルは成績はクラスでも平均以上なんです。なのにタムテルの母親は、それでは全く評価してくれなくて。

「あなたは何をやらせてもダメね！！」

と怒るばかり。百点を取ってみせても、

「あ、そう……」

とか、

「百点取れるのが普通だから」

と言うだけなんです。だからやる気も出なかった。なにをどうすればいいのかも分からなかった。

するとフカは、

「まあ、お前の母親の中ではそういうことなんだろ。お前の母親の中ではな」

シニカルな様子でそう言いました。そんなフカに、タムテルも、

「だね」

少しだけ笑ってみせます。

その頃から、学校でのタムテルの様子も少しだけ明るくなったようでした。



一方、やっぱりフカはタムテルが家に帰るまではかかりきりだったことで、ミコナを迎えるのはティーさんの役目になってて。

しかもティーさんは、途中までミコナと同じ方向に帰る子達と仲良くなってて、

「せやからワイは言うたったんや、『なんでやね～ん！！』ってな」

「あはははは！」

などと談笑してるんです。楽しそうに話すのが得意なティーさんらしいですね。