【プロット】ミコナとかぷせるあにまるず

ミコナ

彼に対して

タムテルの母親を脅して言うことを聞かせようとするのは、タムテルの母親が彼に対してやっていることそのものです。それと同じことをしても意味がないんです。

それに、フカがタムテルの母親を脅して言うことを聞かせようとすれば、それは＜強要罪＞という立派な犯罪になる可能性の高い行為。今のフカは、＜魂が宿ってるだけの依り代＞ですから、重要な財物ではあってもあくまで＜器物＞。法律上はペットロボットと同列の扱いになります。それが他所の人を脅したとなれば、当然、ハカセが管理責任を問われて、場合によっては＜事件＞になります。

そんなことでハカセやミコナに迷惑を掛けて問題を大きくして、誰が幸せになりますか？　タムテルの母親だってそんなことじゃ反省しないでしょう。それどころか、『自分は脅された被害者だ』と主張して、しかも実際に法律上はハカセが管理責任を問われて加害者として扱われることだって十分に有り得る。そうなったらタムテルの母親はますます『法律上も自分は正しい』と思い込むことになるんじゃないですか？

フカにだってそのくらいは分かります。だとすれば、

『ちょっとでもあのタムテルってやつのストレスを緩和できる他の方法を考えなきゃいけないってことだよな……』

そう結論付けるしかありませんでした。

すると、

「おかえり、フカ。みんな夕食を食べてるよ。フカもどうだい？」

家から出てきたウルが、そう声を掛けてきました。

「……」

フカは応えませんでしたけど、

「問題は一人で抱え込んだって上手くいかないのはフカにも分かると思うけどね」

ウルは言いながら、家に戻っていきます。そんなウルにフカも、

「ふん……！　今はお前の口車に乗ってやる…！」

言いながら家に入っていったのでした。