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ミコナ

オレに何ができるって

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タムテルの姿を確認したすぐ後で、今度はソリティの姿も確認できました。彼女も相変わらずの仏頂面で、いろいろと抱えているのが透けて見えます。ただ、それでも、不思議と今のタムテルと比べると明るい表情にも感じられる。

実際、以前に比べればソリティの表情は明るくなっていました。仏頂面なのは確かでも、愛想はよくなくても、不穏さという意味ではずいぶんとマシになっているんです。マインとたくさん話をしていることの効果が確かに出ているのが分かります。

そう考えると、やはりタムテルの方が深刻な状態なのかもしれません。

「……」

フカは実際に二人を見比べて、それから、家には帰らずに、ミコナ達の教室が見える位置に植えられた木に隠れ、様子を窺いました。

すると、マインがソリティと一緒に教室に入ってくる姿も見えました。授業が始まるギリギリまでソリティと話をしているからでした。

マインがソリティの言葉に耳を傾けるためにそうしていることをミコナから聞いていたフカですけど、別にそれを依怙贔屓とは思いません。必要だからそうしてるんだと思うだけです。

ただ同時に、

『そりゃ、一人じゃ二人同時にとはいかないよな……』

とも思います。加えて、

『本当は親がやらなきゃいけないことを学校に丸投げにしてる奴がそれだけいるってことだよな……』

そんな風にも思います。それが許せない。

でも、だからってタムテルの母親を叱り飛ばしても反省なんかしないでしょう。他人に言われても反省しないから難しい問題なんです。

『オレに何ができるってわけでもねーけどよ……』

フカはそんなことを思いながら、無表情に前を向いているだけのタムテルの横顔を見ていたのでした。

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