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ミコナ

果たしてどちらの方

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タムテルの母親は、ペットロボットをカゴに入れることを『可哀想だ』と言って拒みます。でも、彼女は、自分の実の子供であるタムテルのことは、一方的に支配しようとしてるんです。

苦痛を感じることのないペットロボットは『可哀想』で、苦痛を感じるタムテルに対しては『我慢しろ』。

我慢が足りないのは、果たしてどちらの方でしょうか?

お店の方針に従わない母親の方ですか? 

それとも、母親の言うことに表立って歯向かうことのないタムテルの方ですか?

しかも、

「もういい!! お客をお客とも思わないこんな店で食事なんかできない!! もう二度と来ないから!! 口コミの方も、もちろん『最低』よ!!』

などと捨て台詞を残して店を出て行ってしまったんです。ペットロボットはしっかりと胸に抱きながらも、タムテルのことは一瞥さえせずに。それでいて、店を出た途端に、

「さっさとしなさい! そんなだからあんたはダメなのよ!!」

と、タムテルを怒鳴りつけるのが聞こえてきました。

店員も他のお客達も、ただただ唖然としています。ミコナとハカセさえも、

「……」

「……」

言葉もありません。

さらにタムテルの母親は、すでに注文もしていました。そして注文の品が届くまでの間に、何とかペットロボットの扱いについて理解してもらおうと訪れた店員にキレて、出て行ってしまったんです。もちろん、注文した料理の代金も支払わず。

店の入り口には、ペットロボット同伴の場合は、事故防止のため、カゴに入れるか電源を切るかの対応を求める注意書きもされていました。そもそもこれはすでに広く知られたマナーであって、だからこそハカセも、かぷせるあにまるがペットロボットに見えることは承知してて、折り畳みのカゴを持ってきてたんです。

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