310 / 837
ミコナ
果たしてどちらの方
しおりを挟む
タムテルの母親は、ペットロボットをカゴに入れることを『可哀想だ』と言って拒みます。でも、彼女は、自分の実の子供であるタムテルのことは、一方的に支配しようとしてるんです。
苦痛を感じることのないペットロボットは『可哀想』で、苦痛を感じるタムテルに対しては『我慢しろ』。
我慢が足りないのは、果たしてどちらの方でしょうか?
お店の方針に従わない母親の方ですか?
それとも、母親の言うことに表立って歯向かうことのないタムテルの方ですか?
しかも、
「もういい!! お客をお客とも思わないこんな店で食事なんかできない!! もう二度と来ないから!! 口コミの方も、もちろん『最低』よ!!』
などと捨て台詞を残して店を出て行ってしまったんです。ペットロボットはしっかりと胸に抱きながらも、タムテルのことは一瞥さえせずに。それでいて、店を出た途端に、
「さっさとしなさい! そんなだからあんたはダメなのよ!!」
と、タムテルを怒鳴りつけるのが聞こえてきました。
店員も他のお客達も、ただただ唖然としています。ミコナとハカセさえも、
「……」
「……」
言葉もありません。
さらにタムテルの母親は、すでに注文もしていました。そして注文の品が届くまでの間に、何とかペットロボットの扱いについて理解してもらおうと訪れた店員にキレて、出て行ってしまったんです。もちろん、注文した料理の代金も支払わず。
店の入り口には、ペットロボット同伴の場合は、事故防止のため、カゴに入れるか電源を切るかの対応を求める注意書きもされていました。そもそもこれはすでに広く知られたマナーであって、だからこそハカセも、かぷせるあにまるがペットロボットに見えることは承知してて、折り畳みのカゴを持ってきてたんです。
苦痛を感じることのないペットロボットは『可哀想』で、苦痛を感じるタムテルに対しては『我慢しろ』。
我慢が足りないのは、果たしてどちらの方でしょうか?
お店の方針に従わない母親の方ですか?
それとも、母親の言うことに表立って歯向かうことのないタムテルの方ですか?
しかも、
「もういい!! お客をお客とも思わないこんな店で食事なんかできない!! もう二度と来ないから!! 口コミの方も、もちろん『最低』よ!!』
などと捨て台詞を残して店を出て行ってしまったんです。ペットロボットはしっかりと胸に抱きながらも、タムテルのことは一瞥さえせずに。それでいて、店を出た途端に、
「さっさとしなさい! そんなだからあんたはダメなのよ!!」
と、タムテルを怒鳴りつけるのが聞こえてきました。
店員も他のお客達も、ただただ唖然としています。ミコナとハカセさえも、
「……」
「……」
言葉もありません。
さらにタムテルの母親は、すでに注文もしていました。そして注文の品が届くまでの間に、何とかペットロボットの扱いについて理解してもらおうと訪れた店員にキレて、出て行ってしまったんです。もちろん、注文した料理の代金も支払わず。
店の入り口には、ペットロボット同伴の場合は、事故防止のため、カゴに入れるか電源を切るかの対応を求める注意書きもされていました。そもそもこれはすでに広く知られたマナーであって、だからこそハカセも、かぷせるあにまるがペットロボットに見えることは承知してて、折り畳みのカゴを持ってきてたんです。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
異世界をスキルブックと共に生きていく
大森 万丈
ファンタジー
神様に頼まれてユニークスキル「スキルブック」と「神の幸運」を持ち異世界に転移したのだが転移した先は海辺だった。見渡しても海と森しかない。「最初からサバイバルなんて難易度高すぎだろ・・今着てる服以外何も持ってないし絶対幸運働いてないよこれ、これからどうしよう・・・」これは地球で平凡に暮らしていた佐藤 健吾が死後神様の依頼により異世界に転生し神より授かったユニークスキル「スキルブック」を駆使し、仲間を増やしながら気ままに異世界で暮らしていく話です。神様に貰った幸運は相変わらず仕事をしません。のんびり書いていきます。読んで頂けると幸いです。
またね。次ね。今度ね。聞き飽きました。お断りです。
朝山みどり
ファンタジー
ミシガン伯爵家のリリーは、いつも後回しにされていた。転んで怪我をしても、熱を出しても誰もなにもしてくれない。わたしは家族じゃないんだとリリーは思っていた。
婚約者こそいるけど、相手も自分と同じ境遇の侯爵家の二男。だから、リリーは彼と家族を作りたいと願っていた。
だけど、彼は妹のアナベルとの結婚を望み、婚約は解消された。
リリーは失望に負けずに自身の才能を武器に道を切り開いて行った。
「なろう」「カクヨム」に投稿しています。
荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
芙蓉は後宮で花開く
速見 沙弥
キャラ文芸
下級貴族の親をもつ5人姉弟の長女 蓮花《リェンファ》。
借金返済で苦しむ家計を助けるために後宮へと働きに出る。忙しくも穏やかな暮らしの中、出会ったのは翡翠の色の目をした青年。さらに思いもよらぬ思惑に巻き込まれてゆくーーー
カクヨムでも連載しております。
転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
【二章開始】『事務員はいらない』と実家からも騎士団からも追放された書記は『命名』で生み出した最強家族とのんびり暮らしたい
斑目 ごたく
ファンタジー
「この騎士団に、事務員はいらない。ユーリ、お前はクビだ」リグリア王国最強の騎士団と呼ばれた黒葬騎士団。そこで自らのスキル「書記」を生かして事務仕事に勤しんでいたユーリは、そう言われ騎士団を追放される。
さらに彼は「四大貴族」と呼ばれるほどの名門貴族であった実家からも勘当されたのだった。
失意のまま乗合馬車に飛び乗ったユーリが辿り着いたのは、最果ての街キッパゲルラ。
彼はそこで自らのスキル「書記」を生かすことで、無自覚なまま成功を手にする。
そして彼のスキル「書記」には、新たな能力「命名」が目覚めていた。
彼はその能力「命名」で二人の獣耳美少女、「ネロ」と「プティ」を生み出す。
そして彼女達が見つけ出した伝説の聖剣「エクスカリバー」を「命名」したユーリはその三人の家族と共に賑やかに暮らしていく。
やがて事務員としての仕事欲しさから領主に雇われた彼は、大好きな事務仕事に全力に勤しんでいた。それがとんでもない騒動を巻き起こすとは知らずに。
これは事務仕事が大好きな余りそのチートスキルで無自覚に無双するユーリと、彼が生み出した最強の家族が世界を「書き換えて」いく物語。
火・木・土曜日20:10、定期更新中。
この作品は「小説家になろう」様にも投稿されています。
うちのダンナはぽっちゃり男子
つづれ しういち
エッセイ・ノンフィクション
ダンナからのお許しが出たので、書いてみることにしました。
「ぽっちゃり男子」であるうちのダンナの生態と、我が家の日常をのんびりと書いてゆく所存です。
難しい言葉なし。
関西弁。
おやつやすきま時間のお供に、のんびりお楽しみいただければ。
たまに挿絵が入ります。
※カクヨム・小説家になろう にても同時公開しています。
姉(勇者)の威光を借りてニート生活を送るつもりだったのに、姉より強いのがバレて英雄になったんだが!?~穀潰しのための奮闘が賞賛される流れに~
果 一
ファンタジー
リクスには、最強の姉がいる。
王国最強と唄われる勇者で、英雄学校の生徒会長。
類い希なる才能と美貌を持つ姉の威光を笠に着て、リクスはとある野望を遂行していた。
『ビバ☆姉さんのスネをかじって生きよう計画!』
何を隠そうリクスは、引きこもりのタダ飯喰らいを人生の目標とする、極めて怠惰な少年だったのだ。
そんな弟に嫌気がさした姉エルザは、ある日リクスに告げる。
「私の通う英雄学校の編入試験、リクスちゃんの名前で登録しておいたからぁ」
その時を境に、リクスの人生は大きく変化する。
英雄学校で様々な事件に巻き込まれ、誰もが舌を巻くほどの強さが露わになって――?
これは、怠惰でろくでなしで、でもちょっぴり心優しい少年が、姉を越える英雄へと駆け上がっていく物語。
※本作はカクヨムでも公開しています。カクヨムでのタイトルは『姉(勇者)の威光を借りてニート生活を送るつもりだったのに、姉より強いのがバレて英雄になったんだが!?~穀潰し生活のための奮闘が、なぜか賞賛される流れになった件~』となります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる