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ミコナ

今のミコナだから

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ミコナは、劇で憎まれ役をやったことで誰かに何かを言われても、言われた時は嫌な気持ちにもなりますけど、でもそれも家に帰れば、ハカセや、ウル達が癒してくれるので、そんなに気にする必要もありません。

だから、

「私より、ソリティが丈夫なのかなって、ちょっと気になってる」

両親が離婚して、しかも、お母さんと一緒に元の家に残ったけれど、そのお母さんはほとんど家に帰ってこなくて、事実上の一人暮らしみたいな状態になっていることは、クラスでは公然の秘密みたいな形になっていましたから。

「そうだね。ミコナに比べたら、ソリティは大変だよね……」

ルイネがつぶやくように言うと、エンファも、

「うん、すっごく大変だと思う……」

悲しそうに目を伏せました。ミコナ達の力じゃどうすることもできないけれど、幸せになってほしいとは思います。

ミコナは、ママを亡くしたけど、ルイネとエンファは、お父さんやお母さんと必ずしもうまくいってるとは言えないけれど、それでもこうして三人で集まれば、幸せな気持ちにもなれる。すごくホッとできる。

ソリティにも確かにマインがいるけれど、普段の様子からすると、まだまだそれだけじゃ足りなさそうな気がしてしまいます。

そんな三人の様子を見て、ウルとティーさんが、

「本当にいい子達だな」

「ホンマや。ミコナはんはええ友達に恵まれたで」

昼食の用意をしながら、言いました。

でもそれは、ミコナが、『今のミコナだから』というのも間違いなくあるはずなんです。その証拠に、他人を労ることができなかったソリティには、ルイネやエンファのような友達がいないのですから。

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