【プロット】ミコナとかぷせるあにまるず

ミコナ

演劇会

そんな感じで、セイラの家は大変な力を持ちながら、セイラ自身はそれを笠に着て横暴に振る舞う人ではありませんでした。ただ、他の子達とはちょっと感覚というか感性というかが違ってるだけで。

こうしてセイラが自分の席に着くと、予冷が鳴ると同時にソリティが教室に入ってきました。

「おはよう……」

特に誰に挨拶をするわけでもない、本当に独り言のようなそれを口にしながら。

だけど、一時期に比べればそれでもずっと進展したと言えるでしょう。

そしてソリティに続いてマインが教室に入ってきました。今日も、朝から時間ギリギリまで話をしていたんでしょうね。これももうみんな慣れてしまったので、何も言いません。

「みなさん、おはようございます。今日のHRと一時限目は、来月に行われる演劇会の演目と配役についてお話ししたいと思います」

教壇に立つなり、マインはそう声を上げました。すると教室には、

『ああ～……』

という空気が漂います。正直、そんなに盛り上がるような話ではないからです。正直なところ、

『めんどくさい』

というのが本音でしょうね。

それもあって、演目については、過去に披露されたものを中心としてすでに候補が用意され、その中から選ぶというのがいつもでした。

「それでは、このクラスの演目は、『石になった宇宙人』に決定しました」

学級委員の司会で投票が行われた結果、これまでにも何度も上演されたそれが選ばれました。

『石になった宇宙人』というのは、この星の自然を調べるために訪れた宇宙人が、乱開発や公害によって破壊されていく自然を救おうと奮戦し、最後は自らが石になることで人間達に自然を守るように訴えかけるという内容の演劇です。