245 / 837
ミコナ
ただの機械でない
しおりを挟む
一方、学校に向かったミコナに、フカが話しかけます。
「お前は、本当に大丈夫なんだな…?」
玄関でハカセ達と話していた内容は、フカにも聞こえていたようです。
するとミコナは、
「大丈夫か大丈夫じゃないかって言われたら、ほんとは大丈夫じゃないかな。みんなと別れるのは、私だって嫌だよ……」
少し寂しそうに微笑みながら、そう言いました。
これも、ミコナの偽らざる本音です。みんなと別れるのは、当然悲しい。でも、だからってそこで泣き喚いても、何も解決はしないんです。ミコナはそれが分かっているだけ。
そういうところが子供らしくないといえばそうなのかもしれませんが、これがミコナなんです。
フカも、
「ルリアの死がお前をそんな風にしてしまったのだとしたら、ルリアも罪深いやつだな……」
そんなことを言います。だけどそれに対しては、
「違うよ。ママは何も悪くない。ママだってつらかったから、こうして戻ってきてくれたんでしょ? 全然気にしてなかったら、魂が戻ってくることもないんだよね?」
ミコナはきっぱりとそう言いました。
これにはフカも、
「そうだな……お前の言うとおりだ……すまん……」
素直に謝りました。フカも、今の自分になって時間が経つほどに、少しずつ変化しているようです。最初は子供のように意固地な部分が多かったフカですけど、それだけじゃなくなってきている。
その点からも、フカ達がただの機械でないことは、確実です。とはいえ、つっけんどんで愛想がなくて口が悪いのは、相変わらずですけどね。
だけどそんなフカのことも、ミコナはちゃんと好きです。だからこそ、こうして正直な話もできるのです。
「お前は、本当に大丈夫なんだな…?」
玄関でハカセ達と話していた内容は、フカにも聞こえていたようです。
するとミコナは、
「大丈夫か大丈夫じゃないかって言われたら、ほんとは大丈夫じゃないかな。みんなと別れるのは、私だって嫌だよ……」
少し寂しそうに微笑みながら、そう言いました。
これも、ミコナの偽らざる本音です。みんなと別れるのは、当然悲しい。でも、だからってそこで泣き喚いても、何も解決はしないんです。ミコナはそれが分かっているだけ。
そういうところが子供らしくないといえばそうなのかもしれませんが、これがミコナなんです。
フカも、
「ルリアの死がお前をそんな風にしてしまったのだとしたら、ルリアも罪深いやつだな……」
そんなことを言います。だけどそれに対しては、
「違うよ。ママは何も悪くない。ママだってつらかったから、こうして戻ってきてくれたんでしょ? 全然気にしてなかったら、魂が戻ってくることもないんだよね?」
ミコナはきっぱりとそう言いました。
これにはフカも、
「そうだな……お前の言うとおりだ……すまん……」
素直に謝りました。フカも、今の自分になって時間が経つほどに、少しずつ変化しているようです。最初は子供のように意固地な部分が多かったフカですけど、それだけじゃなくなってきている。
その点からも、フカ達がただの機械でないことは、確実です。とはいえ、つっけんどんで愛想がなくて口が悪いのは、相変わらずですけどね。
だけどそんなフカのことも、ミコナはちゃんと好きです。だからこそ、こうして正直な話もできるのです。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
神の手違い転生。悪と理不尽と運命を無双します!
yoshikazu
ファンタジー
橘 涼太。高校1年生。突然の交通事故で命を落としてしまう。
しかしそれは神のミスによるものだった。
神は橘 涼太の魂を神界に呼び謝罪する。その時、神は橘 涼太を気に入ってしまう。
そして橘 涼太に提案をする。
『魔法と剣の世界に転生してみないか?』と。
橘 涼太は快く承諾して記憶を消されて転生先へと旅立ちミハエルとなる。
しかし神は転生先のステータスの平均設定を勘違いして気付いた時には100倍の設定になっていた。
さらにミハエルは〈光の加護〉を受けておりステータスが合わせて1000倍になりスキルも数と質がパワーアップしていたのだ。
これは神の手違いでミハエルがとてつもないステータスとスキルを提げて世の中の悪と理不尽と運命に立ち向かう物語である。
レディース異世界満喫禄
日の丸
ファンタジー
〇城県のレディース輝夜の総長篠原連は18才で死んでしまう。
その死に方があまりな死に方だったので運命神の1人に異世界におくられることに。
その世界で出会う仲間と様々な体験をたのしむ!!
女神の代わりに異世界漫遊 ~ほのぼの・まったり。時々、ざまぁ?~
大福にゃここ
ファンタジー
目の前に、女神を名乗る女性が立っていた。
麗しい彼女の願いは「自分の代わりに世界を見て欲しい」それだけ。
使命も何もなく、ただ、その世界で楽しく生きていくだけでいいらしい。
厳しい異世界で生き抜く為のスキルも色々と貰い、食いしん坊だけど優しくて可愛い従魔も一緒!
忙しくて自由のない女神の代わりに、異世界を楽しんでこよう♪
13話目くらいから話が動きますので、気長にお付き合いください!
最初はとっつきにくいかもしれませんが、どうか続きを読んでみてくださいね^^
※お気に入り登録や感想がとても励みになっています。 ありがとうございます!
(なかなかお返事書けなくてごめんなさい)
※小説家になろう様にも投稿しています
母の中で私の価値はゼロのまま、家の恥にしかならないと養子に出され、それを鵜呑みにした父に縁を切られたおかげで幸せになれました
珠宮さくら
恋愛
伯爵家に生まれたケイトリン・オールドリッチ。跡継ぎの兄と母に似ている妹。その2人が何をしても母は怒ることをしなかった。
なのに母に似ていないという理由で、ケイトリンは理不尽な目にあい続けていた。そんな日々に嫌気がさしたケイトリンは、兄妹を超えるために頑張るようになっていくのだが……。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
「宮廷魔術師の娘の癖に無能すぎる」と婚約破棄され親には出来損ないと言われたが、厄介払いと嫁に出された家はいいところだった
今川幸乃
ファンタジー
魔術の名門オールストン公爵家に生まれたレイラは、武門の名門と呼ばれたオーガスト公爵家の跡取りブランドと婚約させられた。
しかしレイラは魔法をうまく使うことも出来ず、ブランドに一方的に婚約破棄されてしまう。
それを聞いた宮廷魔術師の父はブランドではなくレイラに「出来損ないめ」と激怒し、まるで厄介払いのようにレイノルズ侯爵家という微妙な家に嫁に出されてしまう。夫のロルスは魔術には何の興味もなく、最初は仲も微妙だった。
一方ブランドはベラという魔法がうまい令嬢と婚約し、やはり婚約破棄して良かったと思うのだった。
しかしレイラが魔法を全然使えないのはオールストン家で毎日飲まされていた魔力増加薬が体質に合わず、魔力が暴走してしまうせいだった。
加えて毎日毎晩ずっと勉強や訓練をさせられて常に体調が悪かったことも原因だった。
レイノルズ家でのんびり過ごしていたレイラはやがて自分の真の力に気づいていく。
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
ミコナとかぷせるあにまるず
せんのあすむ
ファンタジー
十歳の少女ミコナが暮らすその世界は、亡くなった人の魂が帰ってこれるという不思議なところ。
今よりもっと幼い頃に母親を病気で亡くした彼女のために、彼女の父親(ハカセ)は、帰ってきた母親の魂を自身が作った<カプセルアニマル>に憑依させました。
けれど、ミコナへの想いがとても強かった母親の魂は一つには入りきらなくて、五つのカプセルアニマルに分割して収められることに。
でも、ミコナの母親の魂を収めたカプセルアニマルは、なぜか、タカ、トラ、オオカミ、サメ、ティラノサウルスと、どれもとても強そうなカプセルアニマルになってしまったのでした。
こうして、ミコナと五体のカプセルアニマルズによる、少し不思議で、でもとても楽しい日常が始まったのです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる