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ミコナ

完成品ができたら

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とにかく、ハカセに<かぷせるあにまる>制作の依頼を済ませたセイラがリビングに戻ると、みんなと一緒に食事にしました。

ハカセももちろん、食事にします。

その中で、

「なんの話をしてたんでっか?」

ティーさんがハカセに耳打ちしてきました。

「一年以内にかぷせるあにまるの完成品をということでね」

ハカセもつられて小声で答えます。別に秘密にしておくようにう言われたわけじゃないので必要なかったんですけど。

「それはまた大変な。できる?」

ウルも加わってきました。

ガーはルプスに捕まって身動きが取れません。

「うん。大変だけど、これで弾みがついたとも言えるかな。僕としても早くルリアと会いたいというのもあるしね」

そのハカセの言葉に、ティーさんは、

「ほな……完成品ができたら、ワイらもルリアに戻るんでんな」

しみじみと言いました。

そうです。帰ってきたルリアの魂が一つに収まりきらなかったことで、ウル、ティーさん、ガー、オウ、フカの五体のかぷせるあにまるに分かれてしまっただけなので、それが一つになってルリアに戻れば、ウル達はいなくなってしまうわけです。

「まあ、元々、僕達の存在自体がイレギュラーなものだからね」

ウルも、穏やかな表情で言いました。

「そうか……そうだね……」

と、ハカセも。

最初から分かっていたことです。分かっていたことなんですけど……

でも、こうして、ウルと、ティーさんと、ガーと、オウと、フカとの時間を過ごしてしまうと、思い出ができてしまうと、いなくなってしまうのは……

「僕は……」

ハカセが、視線を下げて寂しそうな表情になったのでした。

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