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ミコナ

エティト

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「いや~、なんかよく分かんないけど、解決したみたいでよかったわ」

朝、ミコナが教室に入ると、早速、エティトが声をかけてきました。

エティトは、背が高くて髪が短くて、よく男の子に間違えられる、スポーツが得意な女の子でした 。そして、ルイネやエンファと同じく、ミコナのことが大好き。

だけど、このところの教室内の不穏な空気を感じ取っていてか、ちょっと息を殺しているような感じがありました。まるで危険を感じ取った野生の獣のような。

あまり積極的に他人のいざこざに首を突っ込むタイプではないんですが、そういうところも<野生の勘>みたいなのが働いているのかもしれません。

そしてそんなエティトの後ろから顔を覗かせつつ、

「ちょっと教室の中が怖い感じだったよね」

言ったのは、ちょっと吊り目気味の大きな目と、犬の耳のように左右に跳ねた髪、腰まで届く長いポニーテールが印象的な、どこか犬っぽい女の子のルプスでした。

ルプスも、エティトと同じで、不穏な空気には敏感ならしく、このところの教室内の空気を感じ取っておとなしくしていたのです。

実はエティトも、女子の間ではファンクラブがあるくらいに人気が高く、セイラやソリティと並んでリーダー候補だったんですが、本人にそのつもりが全くなくて、自分が頑張っている女子サッカー以外には、ルプスと一緒に、ミコナとお話するくらいしか興味がないという徹底ぶりで、早々に女子グループの成立からは脱落したという流れがありました。

さらに、エティトが言ったのでした。

「泥棒騒ぎがあったり、担任の先生が急に変わったり、ここんとこ落ち着かなかったけど、やっとこれでサッカーに集中できそうだ」

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