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ミコナ

大人

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ミコナはマインを必要とはしていませんでしたが、ソリティにとっては、マインの存在はとても大きなものだったようです。

何しろ、ソリティのほとんど嫌がらせのような質問攻撃にも感情的になったりせず、ただただ丁寧に答えてくれたのですから。

正直、ルイネがミコナに関わらせないようにしようとしていたくらい、マインの<お節介>は、生徒の間ではあまり評判は良くありませんでした。

親身になろうとしてくれているのは皆分かっていたんですが、真面目で、熱心で、可愛らしいところもある、いい先生なんですけど、とにかく話が長くて、回りくどくて、すぐに脱線して余計なことを延々と話し続けるという悪い癖が、マインにはあったのです。

けれどそれは、ソリティにとっては、逆に必要なことでした。彼女の質問に延々と答え続けることができるのですから。

ソリティにとって大人は、何か少し自分にとって都合の悪いことがあるとたちまち言葉を濁して、ごまかして、逃げようとする存在でした。

努力とか熱意とか真剣さとか誠実さとか、何か良さそうな言葉を並べるばかりで、でも実際には、自分にとって気乗りしないことについては、努力なんかしようともしないんです。

ましてや、熱意とか真剣さとか誠実さとか、自分が口にしていたことなんかなかったかのように、雑な対応しかしない。真剣さなんかまるで見せない。

そうして、子供の話なんか聞こうとしないんです。気乗りしないから。興味がないから。なのに、マインは、ソリティの話を聞いてくれる。聞いた上で答えてくれる。

今までソリティが溜め込んで溜め込んで溜め込んできたものを、全部、マインが受け止めてくれたのでした。

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