【プロット】ミコナとかぷせるあにまるず

ミコナ

いびつな子供

ソリティは、とても十歳の女の子が考えるようなことでないものを口にしました。だけどそれは彼女にとっては、必要なことだったんです。

ろくに顔も合わさないのに、話をすることもないのに、遊んでもくれないのに、立派な家にほとんど一人暮らしみたいな感じで置き去りにして、お小遣いやプレゼントだけ与えて、これじゃただのペットです。ううん、触れ合うこともしないんじゃ、ペットどころか、使い道もなく飼い殺しにされているだけの家畜のようなものです。

自分がそんな風に扱われていることを、ソリティは分かっていました。分かっていたから、彼女はずっと考えていたんです、自分があの家にいる意味を。あの両親の子供として生きている意味を。考えて考えて考えて、どこかに、自分が生きている意味がないかを、ずっと、ずっと、ずっと、探していたんです。

その結果、彼女は、普通の十歳の子供が考えるような、考えなきゃいけないようなことよりずっとたくさんのことを考えてきたんです。そうして行き着いたのが今の彼女でした。ぜんぜん子供らしくない、可愛げのない、 ただの大人のミニチュアのような、いびつな子供になってしまった。

子供らしく親に甘えることができなかった。子供らしく親にわがままを言うことができなかった。そんな環境が、実は本質的にはとても利発で頭もよく回る彼女を、子供らしくない子供に、大人を見下し、値踏みし、試そうとするような、歪んだ子供にしてしまったのです。

それを悟って、マインは胸がいっぱいになってしまった。涙がこみ上げてきてしまった。

だから、マインは言ったのです。

「ソリティさん、それをこれから先生と一緒に、考えていきましょう。見つけていきましょう。探していきましょう。そのために先生はいるんです」