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困った癖

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人には、自分の見たいもの、自分の好きなもの、自分に合うものだけしか認めたがらない困った癖があります。そして、ちょっとそういう部分が見えただけで、

『そんな人だとは思わなかった』

と言って切り捨てるんです。自分も相手から同じように思われてるかもしれないのに。

だけど、自分が誰かから『そんな人だとは思わなかった』と言われるとキレるという。

ハカセは人間のそういう部分が苦手で、『そんな人だとは思わなかった』と言われるくらいなら関わらないようにしようと思っていました。

だけど、ママは、

「そうだね! 見たいところしか見ないのなんて相手にする必要ないよ! だけどさ、それもやっぱり、『見たいところしか見ないようにしてる』ってことじゃないかな。だからさ、見たいところだけ見るっていうのは人間の習性なんだよ。だとしたら、無理に見たくないところを見るようにしなくてもいいから、自分の思い通りにはならないってことだけちゃんと分かってればいいんじゃないかな!」

と言ってくれました。

『見たくないところは無理して見なくていい』

『でもその代わり、自分の思い通りにはならないのは分かっておいた方がいい』

そう言ってくれたことで、すごく気が楽になったんです。

だから、

『好きでもない人の見たくないところなんて無理して見なくてもいいけど、好きな人のことは、好きだからこそその人の全部を認めたい』

と思ったんです。ママの全部を。

だとしたら、ママの中にフカとして形作られるような部分があっても、それもママの一部なら認めたい。

だって愛する人だから。

ハカセはそう思っています。

そしてそんなハカセを見て育ったミコナも、この世の全部の人を認めることはできなくても、自分の親しい人のことはちゃんと認めたいと思えるのでした。

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