25 / 837
お手伝いさん
しおりを挟む
ミコナの家に来るお手伝いさんは、とても無口な人でした。普段もほとんど挨拶と返事くらいしかしなくて。
でも、ハカセもあまりお話とかは得意じゃないので、実はその方がありがたかったり。
ミコナも、相手が望んでなければ無理におしゃべりとかしないようにしていました。ハカセがそういう人だから、慣れているのです。
するとウルが、
「無口なお手伝いさんだね」
そう言ったけど、別にそれを批難するような言い方ではありませんでした。素直な印象を口にしただけで。
するとティーさんが、
「でも、ハカセはんにはちょうどいいんやないでっか?」
さらりと口にします。でもそれは、ハカセのこともよく知らないと言えないことのはず。
つまり、ティーさんは、無意識かもしれなくてもハカセのことも覚えているということでしょう。
「いただきます」
「いただきます」
ミコナとハカセが、揃って夕食にします。ママが生きていた頃には発明に没頭しすぎてミコナとママだけで食事にしてたことも多かったですけど、今は、ハカセも、ミコナ一人でご飯を食べさせるわけにはと考えて、ほとんどは一緒に食べてくれるようになりました。
それでも、どうしても手が離せない時には、今でもミコナ一人で食べることもあります。
だけどそれについては、ミコナの方も、
「いつもは一緒に食べてくれるから、どうしてもだったら仕方ないよ」
と言ってくれるのです。
でもきっと、ハカセがいつも一緒じゃなかったとしたら、口でもそう言ったとしても心の中では寂しい想いもしていたでしょうね。『いつもは一緒で、たまに無理な時がある』というだけだから大丈夫なんでしょう。
そして今日からは、ウル達もいる。
これでたまにハカセが一緒じゃなくても大丈夫。
ただし、
「ただし、ワイらがおるからって油断したらあきまへんで。ハカセはん」
ティーさんが釘を刺すように言ったのでした。
「はい、気を付けます……」
苦笑いをしながら頭を掻くハカセの様子を、お手伝いさんは黙って見守っていました。
実は、ハカセが一緒に食べられない時には、お手伝いさんが残ってミコナが一人で食べているのを見守ってくれてたりもしたのです。
一日のお仕事は、夕食の用意をするところまでで終わりのはずなのに。
でも、ハカセもあまりお話とかは得意じゃないので、実はその方がありがたかったり。
ミコナも、相手が望んでなければ無理におしゃべりとかしないようにしていました。ハカセがそういう人だから、慣れているのです。
するとウルが、
「無口なお手伝いさんだね」
そう言ったけど、別にそれを批難するような言い方ではありませんでした。素直な印象を口にしただけで。
するとティーさんが、
「でも、ハカセはんにはちょうどいいんやないでっか?」
さらりと口にします。でもそれは、ハカセのこともよく知らないと言えないことのはず。
つまり、ティーさんは、無意識かもしれなくてもハカセのことも覚えているということでしょう。
「いただきます」
「いただきます」
ミコナとハカセが、揃って夕食にします。ママが生きていた頃には発明に没頭しすぎてミコナとママだけで食事にしてたことも多かったですけど、今は、ハカセも、ミコナ一人でご飯を食べさせるわけにはと考えて、ほとんどは一緒に食べてくれるようになりました。
それでも、どうしても手が離せない時には、今でもミコナ一人で食べることもあります。
だけどそれについては、ミコナの方も、
「いつもは一緒に食べてくれるから、どうしてもだったら仕方ないよ」
と言ってくれるのです。
でもきっと、ハカセがいつも一緒じゃなかったとしたら、口でもそう言ったとしても心の中では寂しい想いもしていたでしょうね。『いつもは一緒で、たまに無理な時がある』というだけだから大丈夫なんでしょう。
そして今日からは、ウル達もいる。
これでたまにハカセが一緒じゃなくても大丈夫。
ただし、
「ただし、ワイらがおるからって油断したらあきまへんで。ハカセはん」
ティーさんが釘を刺すように言ったのでした。
「はい、気を付けます……」
苦笑いをしながら頭を掻くハカセの様子を、お手伝いさんは黙って見守っていました。
実は、ハカセが一緒に食べられない時には、お手伝いさんが残ってミコナが一人で食べているのを見守ってくれてたりもしたのです。
一日のお仕事は、夕食の用意をするところまでで終わりのはずなのに。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
最弱スキルも9999個集まれば最強だよね(完結)
排他的経済水域
ファンタジー
12歳の誕生日
冒険者になる事が憧れのケインは、教会にて
スキル適性値とオリジナルスキルが告げられる
強いスキルを望むケインであったが、
スキル適性値はG
オリジナルスキルも『スキル重複』というよくわからない物
友人からも家族からも馬鹿にされ、
尚最強の冒険者になる事をあきらめないケイン
そんなある日、
『スキル重複』の本来の効果を知る事となる。
その効果とは、
同じスキルを2つ以上持つ事ができ、
同系統の効果のスキルは効果が重複するという
恐ろしい物であった。
このスキルをもって、ケインの下剋上は今始まる。
HOTランキング 1位!(2023年2月21日)
ファンタジー24hポイントランキング 3位!(2023年2月21日)
【完結】偽物と呼ばれた公爵令嬢は正真正銘の本物でした~私は不要とのことなのでこの国から出ていきます~
Na20
恋愛
私は孤児院からノスタルク公爵家に引き取られ養子となったが家族と認められることはなかった。
婚約者である王太子殿下からも蔑ろにされておりただただ良いように使われるだけの毎日。
そんな日々でも唯一の希望があった。
「必ず迎えに行く!」
大好きだった友達との約束だけが私の心の支えだった。だけどそれも八年も前の約束。
私はこれからも変わらない日々を送っていくのだろうと諦め始めていた。
そんな時にやってきた留学生が大好きだった友達に似ていて…
※設定はゆるいです
※小説家になろう様にも掲載しています
偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~
甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」
「全力でお断りします」
主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。
だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。
…それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で…
一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。
令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……
【完結】会いたいあなたはどこにもいない
野村にれ
恋愛
私の家族は反乱で殺され、私も処刑された。
そして私は家族の罪を暴いた貴族の娘として再び生まれた。
これは足りない罪を償えという意味なのか。
私の会いたいあなたはもうどこにもいないのに。
それでも償いのために生きている。
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
*
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
本編完結しました!
時々おまけを更新しています。
母の中で私の価値はゼロのまま、家の恥にしかならないと養子に出され、それを鵜呑みにした父に縁を切られたおかげで幸せになれました
珠宮さくら
恋愛
伯爵家に生まれたケイトリン・オールドリッチ。跡継ぎの兄と母に似ている妹。その2人が何をしても母は怒ることをしなかった。
なのに母に似ていないという理由で、ケイトリンは理不尽な目にあい続けていた。そんな日々に嫌気がさしたケイトリンは、兄妹を超えるために頑張るようになっていくのだが……。
溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
転生テイマー、異世界生活を楽しむ
さっちさん
ファンタジー
題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる