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バカだな、私……
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猫のルリアがカリナの膝に腰を落ち着けてしまったので、フカも、
「まあいい」
ふん! と鼻を鳴らしながら言いました。
「ごめんなさい」
カリナが詫びますが、それに対しては、
「別にいい。それよりは出てきてくれて良かったじゃないか」
と言ってくれます。結果的ではありますけど、フカが猫のルリアの緊張を解いてくれた形ですね。
「あ……」
それに気付いてカリナは、
「ありがとうございます」
猫のルリアを撫でながらお礼も口にしました。自分だけじゃなくこの子のことも気遣ってもらえたんだと思ったからです。
だけどそれについては、
「そういうのじゃねえから勘違いすんな……!」
フカはそっぽを向いてしまいました。そんな姿を見て、カリナは、
「うふふ」
笑顔になります。
『相変わらずですね』
そう思いつつ、この話はここまでにした方がいいと感じました。これ以上触れるとそれこそフカが拗ねてしまいますから。
フカにじゃれつこうとしてたくさん動いたことでリラックスできた猫のルリアを膝に抱いたカリナは、フカの不器用さと気遣いに改めて胸があたたかくなるのを感じました。
オウと似ているように思えて、でも確かにオウとフカは違ってて、どちらも素敵だと感じます。
「それじゃ、なにか困ったことがあったら言えよ」
そう告げてフカは部屋を出ていきました。
「はい、ありがとうございます」
笑顔で返したカリナは、猫のルリアを撫でながら、
「仲良くしてもらえそうでよかったね」
穏やかに話しかけます。猫のルリアも安心した様子で喉をゴロゴロと音鳴らしていて心地好さそうでした。
元々はルリアが亡くなってしまった寂しさを紛らわせようとして迎えた猫のルリアですけど、今ではもう完全に家族として大切な存在になっています。
だからそんな家族を認めてもらえたことが嬉しいんです。
結果としてはフカに真っ先に認めてもらえて、カリナは安堵しました。元々、心配は要らないと思ってましたけど、やっぱり実際に認めてもらえるまでは『もしかしたら』というのもありますからね。
特にフカとオウは、ちょっと難しいところもありますし。
……いえ、本当は大丈夫なのは分かっていたんです。『一緒に住まないか』と言ってもらえたのは猫のルリアのことも含めてのことでしたから。そうじゃなければ言ってもらえなかったに違いありません。
だけど人間って『分かってても』ということもありますよね。
『信じていない』とかじゃないんです。信じていてもそれでも不安になる時はある。
「バカだな、私……」
一人、苦笑いを浮かべてカリナは呟きました。そんな彼女の膝の上で猫のルリアはやっぱり喉をゴロゴロと鳴らしています。
その重みとぬくもりを感じていると、とても落ち着けるのでした。
「まあいい」
ふん! と鼻を鳴らしながら言いました。
「ごめんなさい」
カリナが詫びますが、それに対しては、
「別にいい。それよりは出てきてくれて良かったじゃないか」
と言ってくれます。結果的ではありますけど、フカが猫のルリアの緊張を解いてくれた形ですね。
「あ……」
それに気付いてカリナは、
「ありがとうございます」
猫のルリアを撫でながらお礼も口にしました。自分だけじゃなくこの子のことも気遣ってもらえたんだと思ったからです。
だけどそれについては、
「そういうのじゃねえから勘違いすんな……!」
フカはそっぽを向いてしまいました。そんな姿を見て、カリナは、
「うふふ」
笑顔になります。
『相変わらずですね』
そう思いつつ、この話はここまでにした方がいいと感じました。これ以上触れるとそれこそフカが拗ねてしまいますから。
フカにじゃれつこうとしてたくさん動いたことでリラックスできた猫のルリアを膝に抱いたカリナは、フカの不器用さと気遣いに改めて胸があたたかくなるのを感じました。
オウと似ているように思えて、でも確かにオウとフカは違ってて、どちらも素敵だと感じます。
「それじゃ、なにか困ったことがあったら言えよ」
そう告げてフカは部屋を出ていきました。
「はい、ありがとうございます」
笑顔で返したカリナは、猫のルリアを撫でながら、
「仲良くしてもらえそうでよかったね」
穏やかに話しかけます。猫のルリアも安心した様子で喉をゴロゴロと音鳴らしていて心地好さそうでした。
元々はルリアが亡くなってしまった寂しさを紛らわせようとして迎えた猫のルリアですけど、今ではもう完全に家族として大切な存在になっています。
だからそんな家族を認めてもらえたことが嬉しいんです。
結果としてはフカに真っ先に認めてもらえて、カリナは安堵しました。元々、心配は要らないと思ってましたけど、やっぱり実際に認めてもらえるまでは『もしかしたら』というのもありますからね。
特にフカとオウは、ちょっと難しいところもありますし。
……いえ、本当は大丈夫なのは分かっていたんです。『一緒に住まないか』と言ってもらえたのは猫のルリアのことも含めてのことでしたから。そうじゃなければ言ってもらえなかったに違いありません。
だけど人間って『分かってても』ということもありますよね。
『信じていない』とかじゃないんです。信じていてもそれでも不安になる時はある。
「バカだな、私……」
一人、苦笑いを浮かべてカリナは呟きました。そんな彼女の膝の上で猫のルリアはやっぱり喉をゴロゴロと鳴らしています。
その重みとぬくもりを感じていると、とても落ち着けるのでした。
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