ミコナとかぷせるあにまるず

せんのあすむ

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それはなによりでんな

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いつもの分かれ道までサンギータはミコナ達と一緒に歩いて、そこまでの間に、ティーさんといろいろ話します。

「お母はんの様子はどないでっか?」

「まあ、悪くはないんじゃないかな。昨日も肉たっぷりの野菜炒めを作ってくれたよ。美味しかった」

「それはなによりでんな」

ティーさんもやっぱりみんなと同じように幼い感じにはなりつつも、ティーさんらしい様子はそのままでした。だからサンギータもティーさんと一緒にいるとホッとするようです。ホッとするから素直に自分を出せる。そのサンギータが穏やかでいられてるということは、母親との関係もそれなりに上手く行ってるということでしょう。

ティーさんは決して、

『お母さんを大事にしなさい』

みたいな言い方はしません。サンギータの家庭のことを考えればそんな軽々しくは言えないからです。だけど、ティーさんが言わなくても上手く行ってるのですから今はただ見守るだけでいいんでしょう。

そしていつもの分かれ道でサンギータを見送った後、ティーさんはミコナに言いました。

「ワイがサンギータはんのことを気にかけるのを許してくれておおきに。ホンマはミコナはんのことをちゃんと見とかなあかんのにな」

それに対してミコナは、

「ううん、私は大丈夫だよ。お父さんも、みんなもいるから。だけど、サンギータさんにはティーさんしかいなかったんだもんね。私もみんなが幸せになってほしいから、サンギータさんもタムテルくんも幸せになってほしいから、そのためだったら大丈夫だよ」

そう応えます。そんなミコナにティーさんは笑顔になって言います。

「ワイもミコナはんのところに来られて幸せや。ホンマおおきにやで」

辛いことが全く何一つない人生なんて本当に滅多にないでしょう。だけど今の世界は、辛いことの中でも幸せを掴むことができる世の中なんです。それを改めて感じることができて、ティーさんはあったかい気持ちになれたのでした。



でもそうやってミコナと一緒に帰っている時、

「え?」

ティーさんに何かが飛びついて、姿が見えなくなりました。

「えええーっ!?」

犬でした。大きな犬がティーさんを咥えて、全力疾走で走り去ってしまったんです。

「なんやね~ん!」

叫ぶティーさんの声があっという間に遠ざかっていきます。さしてさらに、

「まって、ジョーン!」

ミコナよりも少し年下くらいの男の子が、叫びながら後を追って走っていきました。よく見ると犬にはリードがついていて、どうやら散歩中に振り切って走り出してしまったようです。その男の子が散歩させるには明らかに大きすぎる犬でした。

マナ転換炉がベースになっているティーさんはこんなことでは壊れませんけど、攫われてしまったのは大変です。

「ティーさ~ん!」

ミコナも慌てて後を追いますが、まったく追いつけません。自動車の通行が少ないところまで来てたのが不幸中の幸いでしょうか。

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