12 / 114
とても好きな笑顔
しおりを挟む
ルリアとウルを伴って、ハカセはバイクを走らせます。小さな電動スクーターはそんなにスピードも出ませんけど、ハカセにとってはそれで十分でした。スピードのスリルを味わう趣味はありませんから。
ハカセにとってバイクはあくまで移動時間を短縮するための道具。ただ、それにルリアとウルが乗っているというのがなんだか嬉しくて。前かごにちょこんと収まったルリアとウルを見ると、頬が緩んでしまいます。
「気持ちいいね」
ルリアが声を上げると、
「そうだね」
ハカセも少し弾んだ声で応えて。
ウルはそんな二人を見守っています。
そして目的のカフェに着くと、そこは今日も若い女性やカップルで賑わっていました。やっぱりあまり男性が一人で来るような雰囲気ではありません。だからハカセも一人では足が向かなかった。けれどウルが一緒に行ってくれるようになって、さらに今はルリアも一緒に行ってくれるようになって、ハカセにとっても楽しみになっていたんです。
「注文は?」
席に着いたハカセが問い掛けると、
「パンケーキ!」
ルリアとウルが声を揃えて応えました。だからハカセは、呼び鈴を押してホールスタッフを呼んで、
「パンケーキを二つ。僕にはホットコーヒーを」
と告げました。
「ご注文を確認します。パンケーキ二つにホットコーヒーがお一つですね」
若い女性のホールスタッフがそう口にすると、
「それでお願い」
ルリアが言いました。可愛らしいイルカのペットロボット?に、その女性は口元が緩みながら、
「かしこまりました」
何とかホールスタッフとしての姿勢を貫いて頭を下げて、戻っていきます。
「うふふ♡ 楽しみ~♡」
それこそ緩みきったルリアの笑顔に、ハカセも笑顔になって、
「その笑い方は、変わらないね」
言いました。ハカセがとても好きな笑顔でした。そんな彼女の笑顔にどれだけ励まされたか分からないくらいに。
そしてパンケーキが届くと、
「これよこれ! 美味しそ~!」
ルリアはそれこそ満面の笑みを浮かべて、喜びました。そんな彼女を見て、ハカセも嬉しそうに微笑みました。見た目こそかぷせるあにまるでも、その表情やしぐさはまぎれもなくルリアだったのですから。
それに対してウルは、
「いただきます」
と、なんだか以前より真面目そうな感じに。ルリアの魂が分離したことで、ウルとルリアは全く別の存在になったのだということが改めて伝わってきました。
でも、それでいい。それでいいんです。
この穏やかな時間が続くことが最も望ましいんです。
「うふふ、美味しい」
大きな口を開けてパンケーキを味わうルリアの姿を見て、他のお客が、
「見て見て、可愛い~」
「ホントだ、可愛い~」
と声を上げます。
とても柔らかい空気が店内にも満ちているかのようでした。
ハカセにとってバイクはあくまで移動時間を短縮するための道具。ただ、それにルリアとウルが乗っているというのがなんだか嬉しくて。前かごにちょこんと収まったルリアとウルを見ると、頬が緩んでしまいます。
「気持ちいいね」
ルリアが声を上げると、
「そうだね」
ハカセも少し弾んだ声で応えて。
ウルはそんな二人を見守っています。
そして目的のカフェに着くと、そこは今日も若い女性やカップルで賑わっていました。やっぱりあまり男性が一人で来るような雰囲気ではありません。だからハカセも一人では足が向かなかった。けれどウルが一緒に行ってくれるようになって、さらに今はルリアも一緒に行ってくれるようになって、ハカセにとっても楽しみになっていたんです。
「注文は?」
席に着いたハカセが問い掛けると、
「パンケーキ!」
ルリアとウルが声を揃えて応えました。だからハカセは、呼び鈴を押してホールスタッフを呼んで、
「パンケーキを二つ。僕にはホットコーヒーを」
と告げました。
「ご注文を確認します。パンケーキ二つにホットコーヒーがお一つですね」
若い女性のホールスタッフがそう口にすると、
「それでお願い」
ルリアが言いました。可愛らしいイルカのペットロボット?に、その女性は口元が緩みながら、
「かしこまりました」
何とかホールスタッフとしての姿勢を貫いて頭を下げて、戻っていきます。
「うふふ♡ 楽しみ~♡」
それこそ緩みきったルリアの笑顔に、ハカセも笑顔になって、
「その笑い方は、変わらないね」
言いました。ハカセがとても好きな笑顔でした。そんな彼女の笑顔にどれだけ励まされたか分からないくらいに。
そしてパンケーキが届くと、
「これよこれ! 美味しそ~!」
ルリアはそれこそ満面の笑みを浮かべて、喜びました。そんな彼女を見て、ハカセも嬉しそうに微笑みました。見た目こそかぷせるあにまるでも、その表情やしぐさはまぎれもなくルリアだったのですから。
それに対してウルは、
「いただきます」
と、なんだか以前より真面目そうな感じに。ルリアの魂が分離したことで、ウルとルリアは全く別の存在になったのだということが改めて伝わってきました。
でも、それでいい。それでいいんです。
この穏やかな時間が続くことが最も望ましいんです。
「うふふ、美味しい」
大きな口を開けてパンケーキを味わうルリアの姿を見て、他のお客が、
「見て見て、可愛い~」
「ホントだ、可愛い~」
と声を上げます。
とても柔らかい空気が店内にも満ちているかのようでした。
1
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
魔力ゼロの英雄の娘と魔族の秘密
藤原遊
ファンタジー
魔法が支配する世界で、魔力を持たない少女アリア・マーウェラ。彼女は、かつて街を守るために命を落とした英雄的冒険者の両親を持ちながら、その体質ゆえに魔法を使えず、魔道具すら扱えない。しかし、彼女は圧倒的な身体能力と戦闘センスを武器に、ギルドでソロ冒険者として活動していた。街の人々やギルド仲間からは「英雄の娘」として大切にされつつも、「魔力を捨てて進化した次世代型脳筋剣士」と妙な評価を受けている。
そんなある日、アリアは山中で倒れていた謎の魔法使いイアンを助ける。彼は並外れた魔法の才能を持ちながら、孤独な影を背負っていた。やがて二人は冒険の中で信頼を深め、街を脅かす魔王復活を阻止するため、「カギ」を探す旅に出る。
しかしイアンには秘密があった。彼は魔族と人間の混血であり、魔王軍四天王の血を引いていたのだ。その事実が明らかになったとき、アリアは「どんな過去があっても、イアンはイアンだよ」と笑顔で受け入れる。
過去に囚われたイアンと、前を向いて進むアリア。二人の絆が、世界を揺るがす冒険の行方を決める――。シリアスとギャグが織り交ざる、剣と魔法の冒険譚!
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる