183 / 195
第二幕
過去は変えられない
しおりを挟む
そうだ。過去は変えられない、あの中学生の女の子も、俺の写真を勝手にアップしてそれでイジメになったという過去も、なかったことにはならない。
俺が出演した映画が大コケしても、その映画に俺が出演していたという過去はなかったことにならないんだ。じゃあ、それに囚われてても仕方ないよな。モデルのクセに映画なんかに出たのがそもそもの間違いだったってことで、切り替えていくしかない。
逆に好評だったとしても、映画に出演できたのは俺の力じゃない。PVの時に千葉アクションスタジオで特訓してちょっと動きを学んだだけで、それを評価して話を進めたのはゲーム会社の人達だ。俺が自分で売り込んで勝ち取ったんじゃないんだ。
だから高評価を得たとしてもそれは俺の力じゃない。確か、
『棚からぼたもち』
『ヒョウタンから駒』
とか言われるヤツだよな。それを自分の力だと考えるのも違うと思う。
そして、それ自体がもう過去の話だ。モデルとしての俺がやらなきゃいけないのは過去に縋ることじゃなくて、次に来る仕事にちゃんと全力で行けるかってことだと思う。
評判が悪かったり逆に良かったりってことに気を取られて疎かになっちゃ、失礼なんじゃないかと思うんだよ。それって目の前の仕事に集中してない、全力で行けてないってことなんじゃないかって気がするんだ。
アニメのことは残念だし好き勝手言ってる連中のことはムカつくけど、そんなの、他の仕事には何の関係もないことだもんな。
だから俺は、今は映画の仕事も、モデルの仕事も、どっちも現場ではその仕事に集中することにした。俺にはこれしかできないから。
嫌なこととかムカつくことも、どうでもいい。人が傷付くようなことを平気でやれるような奴らなんか、構う価値もない。気にする価値もない。
それと、こっちがそんなつもりないのに勝手に傷付いてるようなのも、相手はしてられない。
俺は神様じゃないんだ。何でもかんでも完璧にはやれない。やろうとも思わない。やれることをやるだけ。
それだけなんだ。
そして……
「はい! オールオッケー!! お疲れ様でした~っ!!」
総監督さんのその掛け声で、すべての撮影が終わった。明日から学校が始まるっていう、ギリギリ冬休み中に。
それというのも、総監督さんの思い付きでちょっとシーンが変更されて撮り直しがあったりして、予定より少し押してしまったんだ。
まあでも、冬休み中に撮影が終われたというのはよかったよ。
「この後、打ち上げがあるから、参加できる人は参加してね~!」
って総監督さんが言ってるけど、う~ん、どうしようかな……
俺が出演した映画が大コケしても、その映画に俺が出演していたという過去はなかったことにならないんだ。じゃあ、それに囚われてても仕方ないよな。モデルのクセに映画なんかに出たのがそもそもの間違いだったってことで、切り替えていくしかない。
逆に好評だったとしても、映画に出演できたのは俺の力じゃない。PVの時に千葉アクションスタジオで特訓してちょっと動きを学んだだけで、それを評価して話を進めたのはゲーム会社の人達だ。俺が自分で売り込んで勝ち取ったんじゃないんだ。
だから高評価を得たとしてもそれは俺の力じゃない。確か、
『棚からぼたもち』
『ヒョウタンから駒』
とか言われるヤツだよな。それを自分の力だと考えるのも違うと思う。
そして、それ自体がもう過去の話だ。モデルとしての俺がやらなきゃいけないのは過去に縋ることじゃなくて、次に来る仕事にちゃんと全力で行けるかってことだと思う。
評判が悪かったり逆に良かったりってことに気を取られて疎かになっちゃ、失礼なんじゃないかと思うんだよ。それって目の前の仕事に集中してない、全力で行けてないってことなんじゃないかって気がするんだ。
アニメのことは残念だし好き勝手言ってる連中のことはムカつくけど、そんなの、他の仕事には何の関係もないことだもんな。
だから俺は、今は映画の仕事も、モデルの仕事も、どっちも現場ではその仕事に集中することにした。俺にはこれしかできないから。
嫌なこととかムカつくことも、どうでもいい。人が傷付くようなことを平気でやれるような奴らなんか、構う価値もない。気にする価値もない。
それと、こっちがそんなつもりないのに勝手に傷付いてるようなのも、相手はしてられない。
俺は神様じゃないんだ。何でもかんでも完璧にはやれない。やろうとも思わない。やれることをやるだけ。
それだけなんだ。
そして……
「はい! オールオッケー!! お疲れ様でした~っ!!」
総監督さんのその掛け声で、すべての撮影が終わった。明日から学校が始まるっていう、ギリギリ冬休み中に。
それというのも、総監督さんの思い付きでちょっとシーンが変更されて撮り直しがあったりして、予定より少し押してしまったんだ。
まあでも、冬休み中に撮影が終われたというのはよかったよ。
「この後、打ち上げがあるから、参加できる人は参加してね~!」
って総監督さんが言ってるけど、う~ん、どうしようかな……
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。


どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語
六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。


男性向けフリー台本集
氷元一
恋愛
思いついたときに書いた男性向けのフリー台本です。ご自由にどうぞ。使用報告は自由ですが連絡くださると僕が喜びます。
※言い回しなどアレンジは可。
Twitter:https://twitter.com/mayoi_himoto
YouTube:https://www.youtube.com/c/%E8%BF%B7%E3%81%84%E4%BA%BA%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82%AF%E6%B0%B7%E5%85%83%E4%B8%80/featured?view_as=subscriber
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる