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第二幕
その人が愛してたのはどこまでも
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アラヤの人は続けた。
「藤切さん演じるノンケ主人公は、ゲイとして自分を好きだと告白した親友のことを理解しようと頑張るの。親友だから、ちゃんと分かりたいから。
だけどさ、無理なものは無理なんだよね。親友と、パートナーとして愛せる人ってのはさ、必ずしも一致しないんだよ。親友の想いは尊重してるけど、否定はしないけど、パートナーとしては愛せないんだ。だって、主人公はもう他に愛してる女の子がいたから。主人公の気持ちは、その女の子に向けられてたから。
その女の子も素敵なコでさ、そりゃ愛されて当然ってコなんだよ。正直、ムカつくくらいいいコだった。
ゲイのことは理解できないけど、だからって否定はしないの。その上で、主人公のことを好きな気持ちは自分も負けてないって、堂々、宣言するんだよ。そうなったらさ、性別とかそういうの関係なく、自分がパートナーとして愛せる人を選ぶのが正解なんだろうなって、私も思えたよ。同情心とか、『親友だから』とかじゃなくてさ。自分が誰を選びたいか?って気持ちに正直なるのが当然なんだなって思わされた。
それで結局、主人公は彼女を選んで、親友はさすがにそのまま幸せな二人を見続けるのは辛いから、二人の前から姿を消すんだよ。
だけどこれはね、『ゲイだから受け入れてもらえなかった』ってことじゃないんだよ。ただ、『パートナーとして選びたい人は他にいた』ってだけなんだよ。だったらさ、納得するしかないじゃん。『同性だからダメだった』わけじゃないんだからさ。
そしてね、三人は何年か後に再会すんの。しかも、親友にもパートナーがいてさ。で、親友が言うんだ。『あの時、お前にフられたから自分もこうしてパートナーが見付けられたんだ。お前が俺に同情しただけで気持ちを受けれいてくれてても、たぶんそれは続かなかったと思う。愛と同情はやっぱ別ものだもんな』ってさ。
そうだよね。私が高校の時に告白した相手も、ただ私に優しくしてくれるから好きだっただけで、私自身、その人のことを本気で愛してたわけじゃないんだよ。しかもその人が私のことをホントは好きでも何でもなかったのに付き合えたとしても、結局は形だけだったと思う。その人は、『同性愛にも理解がある姿勢を見せられる自分が好き』なだけだったからだしさ。私のことは愛してなんかなかったし、たぶん、気を引きたいと思ってた男の子のことも本気で好きなわけじゃなかったと思う。その人が愛してたのはどこまでも自分自身だけだったんだろうねって思うんだ……」
「藤切さん演じるノンケ主人公は、ゲイとして自分を好きだと告白した親友のことを理解しようと頑張るの。親友だから、ちゃんと分かりたいから。
だけどさ、無理なものは無理なんだよね。親友と、パートナーとして愛せる人ってのはさ、必ずしも一致しないんだよ。親友の想いは尊重してるけど、否定はしないけど、パートナーとしては愛せないんだ。だって、主人公はもう他に愛してる女の子がいたから。主人公の気持ちは、その女の子に向けられてたから。
その女の子も素敵なコでさ、そりゃ愛されて当然ってコなんだよ。正直、ムカつくくらいいいコだった。
ゲイのことは理解できないけど、だからって否定はしないの。その上で、主人公のことを好きな気持ちは自分も負けてないって、堂々、宣言するんだよ。そうなったらさ、性別とかそういうの関係なく、自分がパートナーとして愛せる人を選ぶのが正解なんだろうなって、私も思えたよ。同情心とか、『親友だから』とかじゃなくてさ。自分が誰を選びたいか?って気持ちに正直なるのが当然なんだなって思わされた。
それで結局、主人公は彼女を選んで、親友はさすがにそのまま幸せな二人を見続けるのは辛いから、二人の前から姿を消すんだよ。
だけどこれはね、『ゲイだから受け入れてもらえなかった』ってことじゃないんだよ。ただ、『パートナーとして選びたい人は他にいた』ってだけなんだよ。だったらさ、納得するしかないじゃん。『同性だからダメだった』わけじゃないんだからさ。
そしてね、三人は何年か後に再会すんの。しかも、親友にもパートナーがいてさ。で、親友が言うんだ。『あの時、お前にフられたから自分もこうしてパートナーが見付けられたんだ。お前が俺に同情しただけで気持ちを受けれいてくれてても、たぶんそれは続かなかったと思う。愛と同情はやっぱ別ものだもんな』ってさ。
そうだよね。私が高校の時に告白した相手も、ただ私に優しくしてくれるから好きだっただけで、私自身、その人のことを本気で愛してたわけじゃないんだよ。しかもその人が私のことをホントは好きでも何でもなかったのに付き合えたとしても、結局は形だけだったと思う。その人は、『同性愛にも理解がある姿勢を見せられる自分が好き』なだけだったからだしさ。私のことは愛してなんかなかったし、たぶん、気を引きたいと思ってた男の子のことも本気で好きなわけじゃなかったと思う。その人が愛してたのはどこまでも自分自身だけだったんだろうねって思うんだ……」
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