172 / 195
第二幕
ちゃんとできてますか…?
しおりを挟む
まあその後もちょこちょこトラブルはあったりしたものの、普通はそういうことについて大袈裟に演出したりするんだろうけど、俺、本当に気にしてないんだ。ミスとかがまったくないことの方が不思議だと思うし。
モデルの仕事の方だって、カメラマンの人が時間を勘違いして大遅刻なんてことがあったりもしたからね。でも俺はやっぱり、
『そりゃそんなこともあるよな……』
って、控室でスマホをいじりながら待ってて思ってたりしただけだった。
気にならないんだよ。
でも、千裕さんの方は、
「私、ちゃんとできてますか…? 大丈夫です……?」
撮影が進むほどに、順調にいってるのが逆に不安だったみたいだ。PVの時に何度も撮り直しになって夜中までかかったことがトラウマになってたみたいだな。
だから俺は、
「PVの時のと比べて不安になってるんだとしたら、それはアクション監督さんが拘り過ぎたってこともあるはずだから、千裕さんだけの所為じゃないはずだよ。アクション監督さんもあの時のことを反省して自重してるみたいだからさ。そういうのも合わせて今回はスムーズに行ってるんだと思う」
って言わせてもらったんだ。だけど千裕さんは、
「だから余計に不安なんです。あの時はあそこまでやったから評判がよかったんじゃないかなって気がして。それがこんな調子よくいってるのって、完成してからの私の演技で評価下がったりするんじゃないかなって……」
ホントに真面目だなあ。千裕さん、すごくいい子だと思う。それが逆に本人にとってはストレスになってるんだろうな。
「大丈夫だよ。俺の目から見ても、千裕さん、ぐっと良くなってると思うんだ。だから上手くいってるんだよ。それに、俺も千裕さんもモデルなんだ。役者でも俳優でもないからさ。そんな俺達を出演させようなんて考えたのはもっと上の方の人達で、俺達は仕事だからやってるだけ。その仕事の部分で何も言われてないってことは問題ないってことだと思う。映画の評判自体は、そんなの見た人の好みの問題だから、それこそ俺達には何の関係もないよ。自分の好みに合わないからって文句言う人達のことなんか気にしなくていいと思う。てか、そんなの気にしてたらやってられないよ。店員や駅人に食って掛かってるのと同じだと思えばいいよ。俺はそう思うようにしてる」
俺がそう言ったところに、共演の女優さんがきて、
「あらあ? 随分と仲がよろしいことで。なんか妬けちゃうな……♡」
とか言ってきたんだ。
モデルの仕事の方だって、カメラマンの人が時間を勘違いして大遅刻なんてことがあったりもしたからね。でも俺はやっぱり、
『そりゃそんなこともあるよな……』
って、控室でスマホをいじりながら待ってて思ってたりしただけだった。
気にならないんだよ。
でも、千裕さんの方は、
「私、ちゃんとできてますか…? 大丈夫です……?」
撮影が進むほどに、順調にいってるのが逆に不安だったみたいだ。PVの時に何度も撮り直しになって夜中までかかったことがトラウマになってたみたいだな。
だから俺は、
「PVの時のと比べて不安になってるんだとしたら、それはアクション監督さんが拘り過ぎたってこともあるはずだから、千裕さんだけの所為じゃないはずだよ。アクション監督さんもあの時のことを反省して自重してるみたいだからさ。そういうのも合わせて今回はスムーズに行ってるんだと思う」
って言わせてもらったんだ。だけど千裕さんは、
「だから余計に不安なんです。あの時はあそこまでやったから評判がよかったんじゃないかなって気がして。それがこんな調子よくいってるのって、完成してからの私の演技で評価下がったりするんじゃないかなって……」
ホントに真面目だなあ。千裕さん、すごくいい子だと思う。それが逆に本人にとってはストレスになってるんだろうな。
「大丈夫だよ。俺の目から見ても、千裕さん、ぐっと良くなってると思うんだ。だから上手くいってるんだよ。それに、俺も千裕さんもモデルなんだ。役者でも俳優でもないからさ。そんな俺達を出演させようなんて考えたのはもっと上の方の人達で、俺達は仕事だからやってるだけ。その仕事の部分で何も言われてないってことは問題ないってことだと思う。映画の評判自体は、そんなの見た人の好みの問題だから、それこそ俺達には何の関係もないよ。自分の好みに合わないからって文句言う人達のことなんか気にしなくていいと思う。てか、そんなの気にしてたらやってられないよ。店員や駅人に食って掛かってるのと同じだと思えばいいよ。俺はそう思うようにしてる」
俺がそう言ったところに、共演の女優さんがきて、
「あらあ? 随分と仲がよろしいことで。なんか妬けちゃうな……♡」
とか言ってきたんだ。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる