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第二幕

何かに真剣に取り組んでる奴のことが

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 俺は小牧って奴のことはよく知らないけど、鈴木の話を聞いてるとなんとなく分かってしまった気がした。相田って、何かに真剣に取り組んでる奴のことが好きなんだろうなって。

 それでどうして俺のことを好きになったのか分からないけど、そのへんの好みっていうのは成長とともに変わったりするかもしれないから、まあ、気にしても仕方ないんだろうなとは思う。

 だからそれはいいとして、芙美も相田も、陸上選手とかが着てるセパレートのユニフォームに似た感じの水着だった。そして俺も鈴木も徹も、学校指定の水着だ。市民プールはあんまり派手な水着だと浮くって聞いたからこれにした。実際、他の人らもいかにも競泳水着な感じのがほとんどで、女の人がたまに芙美や相田が着てるようなセパレートのって感じだった。

「一番地味なの持ってきたつもりだけど、これでもちょっと浮いてるかあ」

 芙美が自分達の水着と比較して言う。

「ま、しょうがないっしょ。だからって遊びに来てんのにスク水ってのは味気ないし」

 相田も腰に手をやりながら苦笑いだ。

「まあまあ、気にしなきゃいいって。それより泳ごうぜ!」

 鈴木は本当にいつでもマイペースだ。すると相田は、

「なら、競争すっか!?」

 笑顔になって言う。

「望むところだ! 怪我で本気出せないからって手加減はしないぞ!」

 満面の笑顔で応える鈴木と一緒に、相田はプールに入っていった。飛び込みは禁止されてるから静かにな。

 マジ、鈴木って、ガサツなように見えてルールとか規則とは割ときっちり守るんだよ。性根がそもそもフェアなんだろうな。そんな鈴木に引っ張られて相田もなんかおとなしくなった気がする。

 ちょっと前までは芙美と一緒になって結構キツいことやってた気がするんだが。

 そんなことを思いながらふと芙美を見ると、

「私達も泳ご♡」

 俺の手を掴んで言ってきた。

「はいはい、どうぞ楽しんでらっしゃい。オレは勝手に泳いでっから」

 徹がヤレヤレと肩を竦めて頭を振りながら一人で歩いていった。俺は芙美に手を引かれて、プールへと入っていく。

「準備体操とかはいいのかな」

「別に私達はガチ泳ぎしに来たんじゃないし、平気じゃない? ここ、水も冷たくないし」

 そうだった。ここのプールは泳ぐのに適した温度に保たれてて水に触ってもキュッてなることがなかった。ガチ泳ぎする利用者に合わせてるんだろうな。

 俺と芙美もはしゃいで飛び込んだりせず、そっと入って軽く泳ぎ出す。プールの半分がガチ泳ぎしたい利用者が使って、もう半分は俺達みたいに遊びに来た利用者が使うってのが、暗黙のルールだそうだ。

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