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第二幕

よく来れたね

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 なんてことがあって三人で百均に行くと、

「あ……」

 俺は、見覚えのある姿を見付けて固まってしまった。しかも向こうも俺に気付いて、

「涼くん……」

 言いながら近付いてきたんだ。そして、

「よく来れたね。涼くん」

 俺を見上げながらそんなことを。

 彼女のその言葉は、

『よくここに顔を出せたものだね』

 という意味かもと感じたけど、そこに相田が、

「あなたあの写真の女の子だよね? ごめんね。変なことに巻き込んで」

 俺の代わりにそう言ってくれた。でも女の子は、タマキちゃんは、

「なんで謝るの? 涼くんがアップしたんじゃないよね?」

 って。さらに、

「私は大丈夫だよ。お父さん警察官だし」

 という言い方で、さっきのも、むしろ俺を気遣ってくれたものだって気付けた。すごい大人びた感じの子だけど、やっぱりまだ子供だから言葉足りずなところがあるんだろうなって。だから俺も、

「そうだね。お父さんは立派なお巡りさんだもんね」

 そう言えたんだ。そしたらタマキちゃんは、

「うん」

 少し笑顔を浮かべて頷いた。その様子はさすがに子供のそれって感じられた。そこに、

「梁川くん」

 聞き覚えのある声。振り向くと、あの警官の人が立ってた。そして、

「この度はすまない。娘が迂闊に話しかけたもんだからこんなことになってしまって……」

 と頭を下げて。

「あ、そんな、タマキちゃんは何も悪くないですよ!」

 俺は慌ててしまう。実際、彼女の所為だなんて俺は少しも思ってないし。ただ、いろいろ間が悪かっただけなんだ。

「そう言ってもらえると助かる。でも、これ以上は迷惑は掛けられないから、今後は話しかけたりしないように言い聞かせるよ」

 タマキちゃんのことを見ながら、彼女の頭をそっと撫でながら、そう言った。

「……」

 お父さんの言葉にタマキちゃんは少し俯いて、その姿がすごく寂しそうで……

 確かに、プライベートの時にあんまり気安く声をかけられたりするのは勘弁してほしいって思う。学校で同じ学校の生徒に声をかけられるのも正直なところ苦痛だったりもする。でも、だからって、何もかも禁止してしまうのも、なにか違う気がする。あくまで、わきまえてもらえればそれでいいんだ。少なくとも俺はそう思う。

 それで言えば、俺の写真を勝手にアップした子はよくないことをしたんだって思う。でも、それを袋叩きにしていいっていうのも違うと思うんだ。

 こう、上手く言えないけど……

 結局、他人を攻撃したい奴が野放しになってるのがおかしいんじゃないかな……

 そんな気がする。

 それがなきゃ、北条だって別の仕事をしてただろうし……

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