YOU BECAME SO…

せんのあすむ

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第二幕

どこに魅力を感じればいいんだ?って話だよ

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 ゲーム雑誌の取材も何とか無難にこなせて、フォルテに向かう。

「いらっしゃいませ~♡ 一名様、ごあんな~い♡」

「こんにちは」

 舞美さんに出迎えられていつものカウンター席に向かう。

 今日は時間も早かったから、客もまだいっぱいで、

「……」

「……」

 明らかに俺を睨み付けてるのが何人か。芙美目当ての連中なんだろうな。

 だけどいちいち気にしても仕方ないから、スルー。

「マスター、いつもの」

 席に着きながら注文を。

「芙美ちゃんは休憩中だよ」

 コーヒーを入れながらマスターが応えてくれる。

「はい」

 俺も、まあそうだろうなと思ってたから待つだけだ。すると、

「涼くんも今日は撮影だったんだね。お疲れ様♡」

 店のキッチンでくるくると忙しそうに料理をしてる里香さんが、笑顔で話し掛けてくる。

「はい、ありがとうございます」

 って応えるけど、また視線を感じる。今度は里香さん目当ての客だろうな。正直、そんな風に妬まれたって俺には関係ないよ。俺が望んで里香さん達に好かれたわけじゃない。

 だけど、これももう慣れた。モデルとしてやっていくなら、きっとこれから先、もっとこういう視線を浴びることになるだろうし、本音を言うなら他人を妬んでる暇があるならそれを他の時間に活かせばいいのにと思う。

 面と向かっては言わないけど。

 北条だって鈴木だって、自分がやろうとしてることにすごく集中してる。

 ……まあ、北条は芙美にちょっかい掛けようとかしてたけどな……でも今は、社長業と学校ですっげえ忙しいみたいだ。特に、ネットイジメに対応するサービスがハマって、急成長してるって噂だ。

 今時なサービスだよな。もしかしたら俺も、何かのはずみで炎上したりした時にお世話になったりもするかもしれない。

 素直な気持ちとしてはなりたくないけどさ。北条のことは好きじゃないし。

 でも、好きじゃないけど、あいつも頑張ってるんだってのは感じるんだ。それは認めなきゃと思う。自分の好き嫌いだけで他人の頑張りを貶すのとか、そんなことやってる奴が、普通にしてて好かれるわけないじゃん。

 北条があんな性格でもついてく奴がいるのは、北条自身がイケメンだってことと実家が金持ちだってことがあってのことだろうし。しかも今じゃ会社社長だもんな。そういう部分で人を引き付けることはできるんだろうなとは思う。

 そういうのもないのに他人を貶すだけの奴なんて、どこに魅力を感じればいいんだ?って話だよ。

 俺はどっちも勘弁してほしいけどな。

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