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第二幕

インタビューで話す内容

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 翌日、午前は芙美と一緒に塾に行って、ついでに学校の課題もやって、いったん芙美の家に戻って昼メシを食べて、午後からは芙美はフォルテに。俺はモデルのバイトに向かう。

 今日はまた、ディークとしての仕事だ。前回とは別のゲーム雑誌の写真とインタビューらしい。ただし、インタビューについては、

「インタビューで話す内容は、クライアントと協議した上でこっちで決めてあるから。涼ちゃんはそれを読んでくれたらいい」

 社長から直々にそう説明された。

「……インタビューって、本人がホントに答えてるわけじゃないんですね……」

 ついそう返すと、社長が苦笑いを浮かべながら言うんだ。

「その辺はケースバイケースよね。本当に本人が答えてるものもあるけど、こういうインタビューってずっと残るから。その時は何となく許されてたことでも、後になって問題になるようなことを口走っちゃったら、本人も困るでしょ?」

「ああ……確かに……」

 言われて俺も、何十年も前の雑誌のインタビュー記事が騒動を引き起こした例があったのを思い出した。なんか、インタビューされてたタレントのプライベートでの<武勇伝>があんまりにもあんまりだってんで騒ぎになったんだったな。

 俺にはその手の武勇伝はないから答えようもない……まあ、カラスから芙美を守ろうとして怪我して血塗れになってその血を見て気を失ったってのは、ある意味では武勇伝にもなるかもだけど、これはあんまり他人には話さないでおこうと思ってる。

 俺自身にとっての大切なものだから。

 いや、気を失ったことがじゃなくて、ヘタレな俺なりに芙美を守ろうと頑張ったことについての話で……!

 って、別にその話はしなくていいんだから関係ないか……

「一応、それらしくは作文してあるけど、この内容に従って答えてくれたらいいから」

「はあ……でも、これでいいのかなあ……」

 そんな風に思ってしまうのも正直なところだ。俺だって別にタレントとかがインタビューで応えてることが全部ホントだとは思ってない。特にアイドルあたりだとそれこそイメージを崩さないように、自分のキャラに合うように好みとか趣味とかについてはホントじゃないことを言ってたりするかもしれないとは思う。

 ほら、清純派アイドルが『エロゲ大好き♡』なんて答えたりしてもあれだし。

 いや、なんか撮影の時にカメラマンの人が、

「アイドルの〇〇ってコ、いるでしょ? あの子、清純派ってことで売ってるけど、実はエロゲ大好きらしくて、部屋にエロゲ専用の棚まで作ってるらしいんだよね。グラビアの撮影の時に本人が口滑らせたんだけどさあ。

 あ、これ、内緒ね。他の人に言っちゃダメだよ」

 みたいなことを言ってたりしたんだよな。

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