103 / 195
第二幕
インタビューで話す内容
しおりを挟む
翌日、午前は芙美と一緒に塾に行って、ついでに学校の課題もやって、いったん芙美の家に戻って昼メシを食べて、午後からは芙美はフォルテに。俺はモデルのバイトに向かう。
今日はまた、ディークとしての仕事だ。前回とは別のゲーム雑誌の写真とインタビューらしい。ただし、インタビューについては、
「インタビューで話す内容は、クライアントと協議した上でこっちで決めてあるから。涼ちゃんはそれを読んでくれたらいい」
社長から直々にそう説明された。
「……インタビューって、本人がホントに答えてるわけじゃないんですね……」
ついそう返すと、社長が苦笑いを浮かべながら言うんだ。
「その辺はケースバイケースよね。本当に本人が答えてるものもあるけど、こういうインタビューってずっと残るから。その時は何となく許されてたことでも、後になって問題になるようなことを口走っちゃったら、本人も困るでしょ?」
「ああ……確かに……」
言われて俺も、何十年も前の雑誌のインタビュー記事が騒動を引き起こした例があったのを思い出した。なんか、インタビューされてたタレントのプライベートでの<武勇伝>があんまりにもあんまりだってんで騒ぎになったんだったな。
俺にはその手の武勇伝はないから答えようもない……まあ、カラスから芙美を守ろうとして怪我して血塗れになってその血を見て気を失ったってのは、ある意味では武勇伝にもなるかもだけど、これはあんまり他人には話さないでおこうと思ってる。
俺自身にとっての大切なものだから。
いや、気を失ったことがじゃなくて、ヘタレな俺なりに芙美を守ろうと頑張ったことについての話で……!
って、別にその話はしなくていいんだから関係ないか……
「一応、それらしくは作文してあるけど、この内容に従って答えてくれたらいいから」
「はあ……でも、これでいいのかなあ……」
そんな風に思ってしまうのも正直なところだ。俺だって別にタレントとかがインタビューで応えてることが全部ホントだとは思ってない。特にアイドルあたりだとそれこそイメージを崩さないように、自分のキャラに合うように好みとか趣味とかについてはホントじゃないことを言ってたりするかもしれないとは思う。
ほら、清純派アイドルが『エロゲ大好き♡』なんて答えたりしてもあれだし。
いや、なんか撮影の時にカメラマンの人が、
「アイドルの〇〇ってコ、いるでしょ? あの子、清純派ってことで売ってるけど、実はエロゲ大好きらしくて、部屋にエロゲ専用の棚まで作ってるらしいんだよね。グラビアの撮影の時に本人が口滑らせたんだけどさあ。
あ、これ、内緒ね。他の人に言っちゃダメだよ」
みたいなことを言ってたりしたんだよな。
今日はまた、ディークとしての仕事だ。前回とは別のゲーム雑誌の写真とインタビューらしい。ただし、インタビューについては、
「インタビューで話す内容は、クライアントと協議した上でこっちで決めてあるから。涼ちゃんはそれを読んでくれたらいい」
社長から直々にそう説明された。
「……インタビューって、本人がホントに答えてるわけじゃないんですね……」
ついそう返すと、社長が苦笑いを浮かべながら言うんだ。
「その辺はケースバイケースよね。本当に本人が答えてるものもあるけど、こういうインタビューってずっと残るから。その時は何となく許されてたことでも、後になって問題になるようなことを口走っちゃったら、本人も困るでしょ?」
「ああ……確かに……」
言われて俺も、何十年も前の雑誌のインタビュー記事が騒動を引き起こした例があったのを思い出した。なんか、インタビューされてたタレントのプライベートでの<武勇伝>があんまりにもあんまりだってんで騒ぎになったんだったな。
俺にはその手の武勇伝はないから答えようもない……まあ、カラスから芙美を守ろうとして怪我して血塗れになってその血を見て気を失ったってのは、ある意味では武勇伝にもなるかもだけど、これはあんまり他人には話さないでおこうと思ってる。
俺自身にとっての大切なものだから。
いや、気を失ったことがじゃなくて、ヘタレな俺なりに芙美を守ろうと頑張ったことについての話で……!
って、別にその話はしなくていいんだから関係ないか……
「一応、それらしくは作文してあるけど、この内容に従って答えてくれたらいいから」
「はあ……でも、これでいいのかなあ……」
そんな風に思ってしまうのも正直なところだ。俺だって別にタレントとかがインタビューで応えてることが全部ホントだとは思ってない。特にアイドルあたりだとそれこそイメージを崩さないように、自分のキャラに合うように好みとか趣味とかについてはホントじゃないことを言ってたりするかもしれないとは思う。
ほら、清純派アイドルが『エロゲ大好き♡』なんて答えたりしてもあれだし。
いや、なんか撮影の時にカメラマンの人が、
「アイドルの〇〇ってコ、いるでしょ? あの子、清純派ってことで売ってるけど、実はエロゲ大好きらしくて、部屋にエロゲ専用の棚まで作ってるらしいんだよね。グラビアの撮影の時に本人が口滑らせたんだけどさあ。
あ、これ、内緒ね。他の人に言っちゃダメだよ」
みたいなことを言ってたりしたんだよな。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる