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第二幕
真通だと男の人みたいなので!
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しかも彼女もそのことを気にしてるらしくて、
「あの、私のことは千裕って呼んでください! 真通だと男の人みたいなので!」
って、ぐいぐい前に出ながら言ってくる。
「あ、ああ、分かった……!」
「よろしくね、千裕ちゃん…!」
俺も、俺と一緒に控室に入ろうとしてたスタイリストの女性も、彼女のテンションに気圧されてしまってたけど、
「千裕、もうちょっと抑えて。ほら、梁川さん、お部屋に入れないでしょ…!」
彼女の後ろから、慌てたように女性が声を掛けてくる。千裕さんのスタイリストの人かな。
「あ、あ、ごめんなさい! 私! りょ…梁川さんのファンで……! それで今日、お仕事ご一緒できるって聞いて、テンションがおかしくなってて……!」
あわあわと狼狽えながら彼女が後ろに下がると、スタイリストさんを巻き込みながらテーブルにぶつかりそうになって。
「あぶない!」
俺、咄嗟に手が出てしまって、彼女の手を掴んでて。そしたら、
「ぎゃーっっ!!」
彼女、すごい声を上げて、その場に座り込んでしまって。腰が抜けてしまったみたいで。スカートが、その……
「ご、ごめん!」
俺も慌てて顔を逸らしたんだけど、それで彼女も気付いて、
「ーっっ!?」
顔を真っ赤にしながらスカートを押さえて。
まあ、俺の方は、子供の頃から芙美の下着姿とか裸とかも見慣れてるからそんなに意識しなかったけど、やっぱ、あんま見ていいもんじゃないと思うし。彼女は芙美じゃないから。
「ひーっ!!」
千裕さんは、テンション上がり過ぎて距離感がおかしくなった上に見せちゃいけないものを見せちゃったりして、パニック状態だった。
「マジごめん。俺、しばらく外で待ってるから……!」
言って控室を出ようとしたら、彼女は、
「あだ…っ、大丈夫です! 大丈夫ですから、行かないでください……!」
今度は床に手をついて土下座みたいな格好に。もう、ムチャクチャ。
「分かった、分かったから、ね? 一旦落ち着こう……!」
芙美もかなりテンションおかしい時があるけど、このコはそれ以上だな……
すると、俺の背後から、
「あの…大丈夫ですか……? なんかありましたか…?」
いかにもADって感じの男の人が心配そうに声を掛けてきた。そりゃこんな騒ぎになってたら、気になるよな。でもそれに対しては、
「あ! すいません! 大丈夫です! このコ、梁川さんの大ファンで、限界オタクって言うか……! それでパニクっちゃって……!」
千裕さんのスタイリストらしい女性が彼女を抱えるようにして立たせながら言ってくれたのだった。
「あの、私のことは千裕って呼んでください! 真通だと男の人みたいなので!」
って、ぐいぐい前に出ながら言ってくる。
「あ、ああ、分かった……!」
「よろしくね、千裕ちゃん…!」
俺も、俺と一緒に控室に入ろうとしてたスタイリストの女性も、彼女のテンションに気圧されてしまってたけど、
「千裕、もうちょっと抑えて。ほら、梁川さん、お部屋に入れないでしょ…!」
彼女の後ろから、慌てたように女性が声を掛けてくる。千裕さんのスタイリストの人かな。
「あ、あ、ごめんなさい! 私! りょ…梁川さんのファンで……! それで今日、お仕事ご一緒できるって聞いて、テンションがおかしくなってて……!」
あわあわと狼狽えながら彼女が後ろに下がると、スタイリストさんを巻き込みながらテーブルにぶつかりそうになって。
「あぶない!」
俺、咄嗟に手が出てしまって、彼女の手を掴んでて。そしたら、
「ぎゃーっっ!!」
彼女、すごい声を上げて、その場に座り込んでしまって。腰が抜けてしまったみたいで。スカートが、その……
「ご、ごめん!」
俺も慌てて顔を逸らしたんだけど、それで彼女も気付いて、
「ーっっ!?」
顔を真っ赤にしながらスカートを押さえて。
まあ、俺の方は、子供の頃から芙美の下着姿とか裸とかも見慣れてるからそんなに意識しなかったけど、やっぱ、あんま見ていいもんじゃないと思うし。彼女は芙美じゃないから。
「ひーっ!!」
千裕さんは、テンション上がり過ぎて距離感がおかしくなった上に見せちゃいけないものを見せちゃったりして、パニック状態だった。
「マジごめん。俺、しばらく外で待ってるから……!」
言って控室を出ようとしたら、彼女は、
「あだ…っ、大丈夫です! 大丈夫ですから、行かないでください……!」
今度は床に手をついて土下座みたいな格好に。もう、ムチャクチャ。
「分かった、分かったから、ね? 一旦落ち着こう……!」
芙美もかなりテンションおかしい時があるけど、このコはそれ以上だな……
すると、俺の背後から、
「あの…大丈夫ですか……? なんかありましたか…?」
いかにもADって感じの男の人が心配そうに声を掛けてきた。そりゃこんな騒ぎになってたら、気になるよな。でもそれに対しては、
「あ! すいません! 大丈夫です! このコ、梁川さんの大ファンで、限界オタクって言うか……! それでパニクっちゃって……!」
千裕さんのスタイリストらしい女性が彼女を抱えるようにして立たせながら言ってくれたのだった。
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