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飛躍の章
大丈夫。俺、お前のことだけが
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こうして俺は、芙美が志望してる大学の文学部を志望することになった。それなら一応、『同じ大学に通ってる』っていう体にもできるし。
なんて、ホントは二年の一学期に決めるようなことじゃないのかもしれないけどさ。だけど、大学にはそんなに興味ないからこそ早々に決めておいてそれに向かって準備しつつ、本命のモデルの仕事に集中するっていうのもありだと思うんだ。それに、芙美が志望してる薬学部のある大学の文学部だって、油断してたら余裕で落ちる可能性もあるようなところだ。嘗めてかかっていいわけじゃない。
トールのチャンネルにレギュラー出演することになったのをきっかけに、
『ファンになりました♡』
『彼女さん含めて応援してます!』
みたいに言ってくれる人がスッゲー増えた。事務所にも、
『涼くんが載ってる雑誌は他にどんなのありますか!?』
『もっと涼くんが見たい! テレビ出演の予定とかありますか!?』
的なメッセージがバンバン届くようになったって。それで社長もホクホク顔で。
「涼ちゃんって、気取ってたりイヤミなところがないから、きっと幅広い層から支持を受けるって思ってたのよね~♡ 女性って、『ワルい男に弱い』ってイメージ持たれてるみたいだけど、実際、『ワルっぽい男性に魅力を感じる』って女性も確かに多いけど、だからって優しい男性には魅力を感じないってわけじゃないんだよ? 単に、優しいと優柔不断の区別がついてない男性に魅力を感じる女性は少ないってだけでさ。
その点、涼ちゃんは、今はまだ優柔不断なとこもあるけど、本質的には、『大切な人を守るためなら困難にだって立ち向かう』っていう強さも持ってるしさ。そういうのがちゃんと表に出せたら、十分、『見た目だけの薄っぺらい男じゃない』ってのを見せることができるはずって思ってたの。それもあって、彼女持ちってことも敢えて隠さないで行こうと思ったってわけ。
特定の彼女がいないってなったら『自分にもチャンスがあるかも?』って思わせてもらえるかもだけど、そういうのを求めてる層ももちろんあるけど、その一方で、『そもそも自分には手が届かない存在だけど、好き♡』って場合もあるじゃん? しかもその相手が『大切な人に対して誠実』ってなったら、それこそ<理想の彼氏像>ってことにならない? てか、そういうのが好きな層ってのも確実にあるはずなんだよ。涼ちゃんにはその層に向けてアピールしてほしかったの」
そんな風に笑顔で語る社長は、他にもいくつも仕事を取ってきてくれたんだ。
<スキャンダルの心配がないモデル>
を探してる企業も多いんだって。俺も、
「やります! やらせてください!」
って、すんなりと自分の口でそう言えたんだ。
俺、頑張るよ。芙美。
俺を独り占めしたくてデブらせようとしたりもしたお前だけど、大丈夫。俺、お前のことだけが好きだから。
なんて、ホントは二年の一学期に決めるようなことじゃないのかもしれないけどさ。だけど、大学にはそんなに興味ないからこそ早々に決めておいてそれに向かって準備しつつ、本命のモデルの仕事に集中するっていうのもありだと思うんだ。それに、芙美が志望してる薬学部のある大学の文学部だって、油断してたら余裕で落ちる可能性もあるようなところだ。嘗めてかかっていいわけじゃない。
トールのチャンネルにレギュラー出演することになったのをきっかけに、
『ファンになりました♡』
『彼女さん含めて応援してます!』
みたいに言ってくれる人がスッゲー増えた。事務所にも、
『涼くんが載ってる雑誌は他にどんなのありますか!?』
『もっと涼くんが見たい! テレビ出演の予定とかありますか!?』
的なメッセージがバンバン届くようになったって。それで社長もホクホク顔で。
「涼ちゃんって、気取ってたりイヤミなところがないから、きっと幅広い層から支持を受けるって思ってたのよね~♡ 女性って、『ワルい男に弱い』ってイメージ持たれてるみたいだけど、実際、『ワルっぽい男性に魅力を感じる』って女性も確かに多いけど、だからって優しい男性には魅力を感じないってわけじゃないんだよ? 単に、優しいと優柔不断の区別がついてない男性に魅力を感じる女性は少ないってだけでさ。
その点、涼ちゃんは、今はまだ優柔不断なとこもあるけど、本質的には、『大切な人を守るためなら困難にだって立ち向かう』っていう強さも持ってるしさ。そういうのがちゃんと表に出せたら、十分、『見た目だけの薄っぺらい男じゃない』ってのを見せることができるはずって思ってたの。それもあって、彼女持ちってことも敢えて隠さないで行こうと思ったってわけ。
特定の彼女がいないってなったら『自分にもチャンスがあるかも?』って思わせてもらえるかもだけど、そういうのを求めてる層ももちろんあるけど、その一方で、『そもそも自分には手が届かない存在だけど、好き♡』って場合もあるじゃん? しかもその相手が『大切な人に対して誠実』ってなったら、それこそ<理想の彼氏像>ってことにならない? てか、そういうのが好きな層ってのも確実にあるはずなんだよ。涼ちゃんにはその層に向けてアピールしてほしかったの」
そんな風に笑顔で語る社長は、他にもいくつも仕事を取ってきてくれたんだ。
<スキャンダルの心配がないモデル>
を探してる企業も多いんだって。俺も、
「やります! やらせてください!」
って、すんなりと自分の口でそう言えたんだ。
俺、頑張るよ。芙美。
俺を独り占めしたくてデブらせようとしたりもしたお前だけど、大丈夫。俺、お前のことだけが好きだから。
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