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飛躍の章
他の客の視線が……
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そんなこともありつつ、芙美も舞美さんも里香さんも仕事はしっかりこなしてた。芙美と舞美さんが客席の間をくるくると移動して、里香さんがキッチンでやっぱりくるくると動き回って。
以前のフォルテの雰囲気はまったくなくなってしまってたけど、でも、これはこれでアリかもしれないとは思ってしまった。
元のフォルテの雰囲気についてはカウンター席で楽しむ感じかな。店内の雑音を自力でシャットアウトできる奴限定かもしれないけど。
俺も完全にはシャットアウトできないけど、それは芙美のことが気になるからであって。加えて、芙美も舞美さんも里香さんも、いちいち俺にウインクとかしてくるから、他の客の視線が……
でもしばらくしてると、なんか、俺に対するやっかみも込みで楽しんでるのかなって気もしてきた。すると、
「最近はNTR趣味のも増えたからね~」
芙美がいきなりそんなことを言ってくる。なんなんだ、その<ネトラレ>ってのは……?
そしたら、今度は舞美さんが、
「あら~! 芙美ちゃん、NTRに理解あるの? それは好都合♡」
俺にウインクをしてくる。そんな舞美さんに対しては、
「ダメダメ! 私はそっちの趣味はないですから!」
芙美が声を上げて、そこに、
「あらあ~、割と素質ありそうだけどな~♡」
里香さんがいたずらっぽい笑みを浮かべて。
で、さらに客の視線が険しくなる。
『地獄か……? ここは……』
いたたまれなくなりながらも、俺は耐えた。
そうして、ラストオーダーの時間になり、店の入り口の表示を切り替え、カーテンを閉めていよいよ時間が迫ってきてる雰囲気に変わり、さらに閉店十五分前になると、
「あ、時間だ。そろそろあがりま~す♡」
舞美さんが宣告すると、
「え~っ!?」
居残ってた客達から悲鳴が。
「だ~い丈夫、私と舞美は明日もいるから~♡」
里香さんが投げキッスをしながら芙美と舞美さんを抱くようにして店の奥に。
「は~い♡」
客共は完全に舞美さんと里香さんの掌で転がされてた。これがあれか? 魔性ってやつか?
恐ろしい……実に恐ろしい……こんな奥さんや娘がいる家庭ってどんななんだ? 旦那さんは平気なのか……? うちもたいがい変な家だと思ったけど、藤宮家ってもっとヤバいんじゃ……?
三人が奥に消えてしまって客がぞろぞろと帰っていく中、俺は何とも言えない気分になってた。
こうして閉店時間を迎えて客もいなくなり、ようやくひっそりとなった店内で、マスターが片付けをしてる。それは、マスターの拘りだった。
自分の店の手入れは自分がする。という。
すっかり雰囲気が変わってしまっても、ここはマスターの店なんだな……
以前のフォルテの雰囲気はまったくなくなってしまってたけど、でも、これはこれでアリかもしれないとは思ってしまった。
元のフォルテの雰囲気についてはカウンター席で楽しむ感じかな。店内の雑音を自力でシャットアウトできる奴限定かもしれないけど。
俺も完全にはシャットアウトできないけど、それは芙美のことが気になるからであって。加えて、芙美も舞美さんも里香さんも、いちいち俺にウインクとかしてくるから、他の客の視線が……
でもしばらくしてると、なんか、俺に対するやっかみも込みで楽しんでるのかなって気もしてきた。すると、
「最近はNTR趣味のも増えたからね~」
芙美がいきなりそんなことを言ってくる。なんなんだ、その<ネトラレ>ってのは……?
そしたら、今度は舞美さんが、
「あら~! 芙美ちゃん、NTRに理解あるの? それは好都合♡」
俺にウインクをしてくる。そんな舞美さんに対しては、
「ダメダメ! 私はそっちの趣味はないですから!」
芙美が声を上げて、そこに、
「あらあ~、割と素質ありそうだけどな~♡」
里香さんがいたずらっぽい笑みを浮かべて。
で、さらに客の視線が険しくなる。
『地獄か……? ここは……』
いたたまれなくなりながらも、俺は耐えた。
そうして、ラストオーダーの時間になり、店の入り口の表示を切り替え、カーテンを閉めていよいよ時間が迫ってきてる雰囲気に変わり、さらに閉店十五分前になると、
「あ、時間だ。そろそろあがりま~す♡」
舞美さんが宣告すると、
「え~っ!?」
居残ってた客達から悲鳴が。
「だ~い丈夫、私と舞美は明日もいるから~♡」
里香さんが投げキッスをしながら芙美と舞美さんを抱くようにして店の奥に。
「は~い♡」
客共は完全に舞美さんと里香さんの掌で転がされてた。これがあれか? 魔性ってやつか?
恐ろしい……実に恐ろしい……こんな奥さんや娘がいる家庭ってどんななんだ? 旦那さんは平気なのか……? うちもたいがい変な家だと思ったけど、藤宮家ってもっとヤバいんじゃ……?
三人が奥に消えてしまって客がぞろぞろと帰っていく中、俺は何とも言えない気分になってた。
こうして閉店時間を迎えて客もいなくなり、ようやくひっそりとなった店内で、マスターが片付けをしてる。それは、マスターの拘りだった。
自分の店の手入れは自分がする。という。
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