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虚構の章
やっぱりよく似合うわぁ♡
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ネルシャツだけでなく、この時渡されたジーンズも聖護院センセイのデザインだった。今回のメインはネルシャツの方だけど、それを引き立てるために合わせてデザインしたそうだ。
スタジオに戻ると、
「きゃーっ♡ やっぱりよく似合うわぁ♡ 若い子でも気軽に着られて、しかもちょっとポイントを押さえればぐっとカッコよくなるものをって考えてデザインしたの! 無理に背伸びして高いものを揃えてコーディネートしなくても、ちょっとばかりの気配りで見違えるものだって教えたくてね!」
聖護院センセイがテンション高く説明してくれた。さらに続けて、
「高校生くらいの頃って、ついつい背伸びしたくなるものじゃない? 少しでも自分をよく見せようと思って高価なブランド物に手を出したりもする。でも、高校生の自由になるお金って、知れてるわよね。なのに身の程もわきまえずによりいいもの高いものを望んで親にねだったり親のお金に手を出したり、挙句の果てにイケナイバイトとかを始めたり誰かからお金を脅し取ったり。
私ね、そんな形で自分を着飾っても価値があるとは思わないの。そんなものはただの<虚飾>。上辺だけ形だけ。中身が伴ってないのよ。若いうちは中身が伴ってないのは仕方ないかもだけど、だからって良くないことをしてまで背伸びをするのは違うって私は思ってる。そんなわけでね、他の物をちょっとだけ我慢したらできるオシャレを提案したいの♡
しかも、自分の着るものをちゃんと理解して、自分がちょっと工夫するだけでぐっと良くなるもの。雑誌に載ってるコーディネートをただ真似するだけじゃなくて、自分で能動的に『着こなす』ことを目指せるものをね」
だって。
正直、俺には、親の金に手を付けたりヤバいバイトしてまでファッションに拘る気持ちってのが理解できないけど、なんかセンセイの言いたいことは分かる気がした。そのせいもあってか、今回はいつもより俺自身も気合が入ってた気がする。
ただ、ダメな着こなしの例としてあの『三割太って見える』着方をわざとやらされた写真を撮られたのは辛かったけど、スタッフもカメラマンさんも笑いを必死にこらえながら撮影してたのは萎えるけど、これもまあ今の俺の仕事だもんな。
「はい! オッケーでーす! お疲れ様でした~!」
こうして撮影を終えて、俺はフォルテに向かう。芙美を迎えに行くために。もちろんちゃんとライトは点けて。
これもそうだよな。
『ライトとかに頼らないで夜を駆け抜けるオレ、カッコイイ~!』
みたいなのって、なんか違うと俺も思う。
スタジオに戻ると、
「きゃーっ♡ やっぱりよく似合うわぁ♡ 若い子でも気軽に着られて、しかもちょっとポイントを押さえればぐっとカッコよくなるものをって考えてデザインしたの! 無理に背伸びして高いものを揃えてコーディネートしなくても、ちょっとばかりの気配りで見違えるものだって教えたくてね!」
聖護院センセイがテンション高く説明してくれた。さらに続けて、
「高校生くらいの頃って、ついつい背伸びしたくなるものじゃない? 少しでも自分をよく見せようと思って高価なブランド物に手を出したりもする。でも、高校生の自由になるお金って、知れてるわよね。なのに身の程もわきまえずによりいいもの高いものを望んで親にねだったり親のお金に手を出したり、挙句の果てにイケナイバイトとかを始めたり誰かからお金を脅し取ったり。
私ね、そんな形で自分を着飾っても価値があるとは思わないの。そんなものはただの<虚飾>。上辺だけ形だけ。中身が伴ってないのよ。若いうちは中身が伴ってないのは仕方ないかもだけど、だからって良くないことをしてまで背伸びをするのは違うって私は思ってる。そんなわけでね、他の物をちょっとだけ我慢したらできるオシャレを提案したいの♡
しかも、自分の着るものをちゃんと理解して、自分がちょっと工夫するだけでぐっと良くなるもの。雑誌に載ってるコーディネートをただ真似するだけじゃなくて、自分で能動的に『着こなす』ことを目指せるものをね」
だって。
正直、俺には、親の金に手を付けたりヤバいバイトしてまでファッションに拘る気持ちってのが理解できないけど、なんかセンセイの言いたいことは分かる気がした。そのせいもあってか、今回はいつもより俺自身も気合が入ってた気がする。
ただ、ダメな着こなしの例としてあの『三割太って見える』着方をわざとやらされた写真を撮られたのは辛かったけど、スタッフもカメラマンさんも笑いを必死にこらえながら撮影してたのは萎えるけど、これもまあ今の俺の仕事だもんな。
「はい! オッケーでーす! お疲れ様でした~!」
こうして撮影を終えて、俺はフォルテに向かう。芙美を迎えに行くために。もちろんちゃんとライトは点けて。
これもそうだよな。
『ライトとかに頼らないで夜を駆け抜けるオレ、カッコイイ~!』
みたいなのって、なんか違うと俺も思う。
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