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第二幕 三(幕間)

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     三

  (幕間)
  
 心の闇。暗部。見えない部分。掴めないモノ。
 何か陰惨な事件が起きる度に、口々に騒ぎ立てられる。
過去、動機、趣味、etc・・・・
刺激的で、悲惨で、残酷で、同情を引くようだったり、興味を掻き立てるようだったりするモノ。
後ろ暗く、背徳的で、表向きにほめることはできない、あからさまに批判の対象となるモノ。
闇とは、虚無ではなく、混沌。
感情、愛情、同情、熱情、激情、友情、etc・・・
全てが混ざり合い、全てが溶け合う。
闇とは坩堝。
渾然としていて、判別は出来ない。
覗き込んでも、何も見えない。
底もなく、理解不能。
それが、闇。闇は闇だけで存在し、光と対にされることはあっても、光を吸収するのが闇であることも事実。
誰もが心に抱えていて、否定しようと肯定しようと、ただそこにある。
気付いていても、気付かなくても、それは変わらない。
闇は目を背けたくなるもの。
何故なら、闇は醜いから。醜いから?
否、闇は抗いきれぬ魅力を持つもの。
逸らした瞳ですら、虜にする。閉じた瞳すら開かせる。
両目を公明正大に開いて見ることの出来る光には、持ち得ない魅力。
背けながらも見てしまう。蠱惑的な魅力。
闇には確かに魅力がある。闇に魅入られた人間は確かに存在する。
闇は美しい、そう定義するとすれば。
それは、既に闇に魅入られてるのか?いや、その存在自体が闇となりつつあるのか?
それとも、光だからこそ、闇を乞い慕うのか?
それでも、闇はただそこにある。闇を覗いている者を、静かに見つめ返している。

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