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決着への

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タバコの煙が上がる。
疲れた顔の男は瓦礫の上に座りながら一服していた。

「やっと終わった……だけど正直、期待外れだったぜ。予想より遥かに上級貴族とやらが弱すぎる」

つまらなさそうにタバコを咥え愚痴を溢す。
そんな男の横でメガネをかけた女性は呆れたように溜息を吐くと軽く頭を叩く。

「貴方が強すぎるのよ。上級貴族との戦いだって10分くらい遊んだ後一瞬本気出しただけで終わっちゃって……私達が相手してたら死力を尽くした戦闘になってたわ」

「なら肌が傷つかなくて良かったって事で丸く収まったなって、おいタバコ取るなって!仕事終わりだぜぇ?」

「しばらく禁煙って言わなかった?」

「だ、だけどよぉ!」

情けない声で女性に対してなんとかタバコを返してもらおうと粘る。
しかし女性はタバコの地面に捨て足で火を消した。

「あぁ勿体ない」

「へぇ、そんない吸いたいんだ。分かったわじゃあ吸いなさい。その代わりしばらくベットは別々だから!約束も守れない貴方は嫌いよっ」

「ガハァッ?!」

血反吐を吐く事を幻視するほどショックを受けた。
頬を膨らませながは男に背を向けて歩き出す。
慌てて女性に追いつき弁明をする。

「な、なぁ分かったやめる!子供がある程度育つまでは止めると今度こそ約束するから怒らないでくれ!な?ジェイネー!お前と寝れないなんて事になった俺はどうすりゃ良いんだ!」

「はぁ……全くジェイソンったら。子供みたいに情けなく泣かないで。約束を守るのなら許すわ。それに」

周りをキョロキョロ見回しジェイソンに耳打ちをする。

「"寝る"なんて大声で言わないで!恥ずかしいじゃない!勘違いされたらどうするのよ!」

「でもシてるわけじゃあ……」

「ふんっ!!」

バゴッ

「ガッハァア?!」

反論したジェイソンに対してジェイネーは鍛え抜かれた拳で鳩尾に向かって全力で打ち込む。
鈍く重い音が鳴り体が浮くとジェイソンはそのまま腹を抱えたまま蹲った。

「しばらく腹を抱えていなさい!!」

頬を紅くしたジェイネーはジェイソンをその場に置いて立ち去っていった。
そして一連の流れを見ていたジェイソンの部下達はなんとも言えない表情で自身の上司を見ていた。

「いや~、流石にねぇっすわ大佐。人がいる場で会話で寝るって単語だすのは」

「しかも言い方が悪い。既婚者で子供いるとは思えねぇ」

「結婚出来た事が奇跡」

「ニシローランドゴリラ」

「破局がマジで心配」

「後で奥さんにもう一度謝った方がいいですよ。あとはバラを送るより身につけやすいネックレスか指輪も一緒に」

「お前ら……」

苦手な回復魔法を使い復活したジェイソンが顔を上げ部下達を見る。

「事後処理終わったら覚えとけよ」

「「「「え?」」」」

「ダッガス、お前のニシローランドゴリラ発言は忘れないからな」

「………(白目)」

「ははっ!目つけられてーら!」

「お前もだアーサー」

「ははは、え?」

アメリカのニューヨークでの悪魔貴族達の侵攻は多少の被害、主に建物だけですみ終わる。
1時間もかからずに終わらせたこの1日は歴史の1ページに記される事となった。







日本 


「【ダイダロス】!!!」

獅堂が真とダンジョンに潜っていた時によく使っていた相手の動きを妨害する【スキル】と魔法を組み合わせて発動する魔法を魔力に任せてコーズの周りから半径200mにドーム状に壁を作った。

およそ1分で半球状の黒い魔力結界が覆う。
【ダイダロス】の名の通り迷宮が完成した。
突如極大の魔力の結界が現れた事により各地の戦闘場所及び空を飛ぶヘリの中の人達が驚く事になる。
だがこれだけに留まらず徐々にドームが小さくなっていく。

ドーム型結界が出来た時間と同じ1分で綺麗さっぱり消えてしまった。







「ほぅ?結界で覆い視界を防いでどうなるのかと思ったが。これは予想を裏切られたな」

真が魔改造した【ダイダロス】が完全発動するまでの2分間で落ち着きを取り戻したコーズが顎に手を添え感心したように唸る。

「ここは魔界ではないかーーーーーー」

ガギンッッ

「話してる暇はないんだ!こちらとら1秒毎にHPが5も減っていくからなぁあ!!!」

「はっ!」

自身にかけたスキルのタイムリミットが刻一刻と迫っているため魔界への転移直後にコーズに迫り《紫紺の短剣》を振るった。
態と理性を持ち油断したような言動をしていながらも鼻で笑いながら受け止める。

「動きが雑になったなぁ!人間!」

「うるっせぇよ!だぁってろ!」

手の空いている左手に《一等騎士の短剣》をアイテムボックスから手の中に器用に出しながら《紫紺の短剣》で突きを放つ。
即座に引き、左手を突き出すが防がれてしまう。

「ちっ!」

「【マジックバレット】!!」

魔力を属性加工せずに弾丸のように放つ魔法を使った。
真は【王器の心眼】によって【マジックバレット】の核となる部分を見抜きそこに刃を通らせると風船が割れる音と共に消えた。

動揺もせず次々と【マジックバレット】を放ってくる。
通常のものよりも回転を強めにかけているからか属性を付与するよりも純粋な貫通力があった。

それでも【王器の心眼】によって視力、思考加速その他諸々を強化されている真にとっては処理する事は対して難しくなかった。
5度ほど飛んで来てそれを処理した時攻撃に転じた。

(【神速】!!!倍率強化!)

スキルの倍率を上げて地面を踏み締める。
脹脛の筋肉が盛り上がりつま先が地面から離れた瞬間にはコーズの背後に回っていた。
首を狙い《紫紺の短剣》を振り下ろす。

「ははははは!技術はないがスピードだけは達者だ!ほら右足!!」

軟体生物の如くぐにゃりと避けると真の足首を掴みそのまま持ち上げ地面に叩きつける。
地面が陥没しクレーターが出来上がった。
そのまま追撃をするがなんとか真が避ける。

(スピードは俺より遅いクセに異常な反応速度はなんなんだ?!)

休んでいるとHPが無駄になるため果敢に攻めていく








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