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アリステアの苦悩

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ここ数日、ジアが連続で変態不審者に襲われる事態が発生していた。

幸い…アホでおバカなジアは全く気づいておらず、無意識に撃退し、精神的ショックは受けていないが……“主犯”には…僕のジアに危害を加えようとした罪の重さを理解してもらう必要がある。

ーーー絶対に許さんっ…!

何より、僕のジアに穢らわしいもの触れさせ、体を見て、触ったというだけで腸が煮えくり返っていた。

まず…ジアが良く行く出店のエリアで、ジアを誘導し、ぺニスを丸出しにしていた、中年のならず者。

拷もn…いや、尋問すると、落としたコインを拾おうと屈んだジアに、ぺニスを見せつけ、襲うつもりだったという。
だが、秒で立ち上がろうとしたジアの頭突きをぺニスに食らい、早々に無力化されたらしい。
供の者が女性だからと舐めていたと言っていたが、そもそもの行動がお粗末過ぎる。

ジアの可愛い頭になんてものをっ…許さん。

僕は怒りや独占欲など、色んな感情が入り交じり、上書きをするためにジアの頭でぺニスをズッた。
ジアは恍惚とした顔で喜んでくれて、最終的に口淫をしてくれたから独占欲は落ち着いたが…怒りはどんどん膨れ上がっていた。


次は…頭が痛い事に、我が家の新人護衛騎士だった…。

ふわふわ優しいジアに密かに想いを寄せていた奴は、“主犯”にそそのかされ、風呂でメイドのフリをして無防備なジアを襲おうとしていた。

上手く人を誘導し、ジアと二人っきりになっていやがった。
ジアの胸を夢中で触りまくり、勃起した汚物をジアの背後で晒していたらしい。

だが…こいつも、ジアに無意識に撃退されている。

乳首を弄られて驚いたジアは、バスタブにずり落ちそうになり、後ろの蛇口を掴もうとして、奴のぺニスをそれはもう強く握ったという。
“体液”で滑ってうまく掴む事が出来ず、ぺニスに体重をかけながらお湯の中にずり落ちたらしい。

奴はぺニスに大打撃を食らい、汚い悲鳴上げて気絶し、ジアの護衛に回収された。

ジアの話だと、奴はジアの体を舐め回すように見た後、ジアの胸を揉みまくっていた…と。
死んだ方がマシだと思うような生き地獄を見せてやる…。


それから、ジアへの火の粉は全て阻止した。
ジアへの危機を未然に防ぎ、地下牢にとらえた者からは情報を搾り取り、“主犯”から依頼を受けたならず者を一人残らず捕まえて罰した。

奴らが一貫して話す内容はこうだ。
ならず者の巣窟と化した酒場に、一人のフードを被った女が現れたらしい。
そいつは、前金をばら蒔き、『ジア・アクアマリンをめちゃくちゃに出来た奴に、この十倍の報酬を渡す』と言った。

中年のならず者は、若い娘を犯せるうえに金をもらえるのかとつられ…。

ジアへの片想いを拗らせ、酒場で飲んでいた新人護衛騎士は、苦言を申したらしいが上手くそそのかされ…。

その女の正体は確実な証拠や証言をおさえ、もうわかっている。

ーーーローズ・クリスタルだ。

どうりでならず者ばかりなのかと納得した。
男爵家程度ではプロの人材を雇う伝手はないし、選択肢は、金さえ払えば何でもする質の悪いならず者しかいない。

…頭の悪い女だ。
あの女は、トパーズ侯爵家を完全に敵に回した。
もう…僕はもちろん、父上と母上も容赦はしない。

ジアに手を出した事を一生後悔させてやる。


それと、もう一つ。

ジア自身にも問題はある。
彼女は、自分が魅力的な女性という事を全くわかっていない。

僕が何度言っても頭に疑問符を付け、『??ジア、地味でパッとしないから大丈夫だよ…?』と、自分が周りから何も思われていないと思い込んでいる…!

男どもはジアの、純朴さ、あどけなさ、巨乳、ふわふわな癒し系…という組み合わせに性癖が刺激されているのだ。
もちろん、そんな奴らは全員黙らせているが。

もっと警戒して欲しいのに、自分に関しての危機感がゼロ。


だから…少しの間、僕の部屋で短期監禁をする事にした。
この行為にあまり意味がない事はわかっているが、ローズ・クリスタルをどうにかするまではジアを外に出したくない。
自分の目の届くところにいて欲しい。
大丈夫…数日でケリはつく。

「アリステア様!アリステア様…!」

「なぁに?」

「もうっ…何で鎖を付けるのが首じゃなくて足なんですか?」

「え、苦しそうだし、怪我しそうだから」

が…そこは、やはり、ジア。
予想外な反応は当たり前。
……数日の監禁とはいえ、さすがのジアも難色を示すと思ったのだが……ノリノリで嬉しそうなのである。

ジアは素直なお利口さんだが、たまに予測不能の行動に出るから行動も制限させてもらう事にしたのに、だ。
今も、ベッドとシャワールームしか行き来できないように鎖で行動を制限したのに、まさかのダメ出しを食らっていた。

「………………………首がいいの?」

正直、僕は嫌だな。足の枷も一部金属の革製で内側をふわふわにしているし、鎖も細くて軽くて丈夫なものにしている。

乗り気ではない反応をするが、ジアは瞳をキラキラ輝かせて僕に抱きつく。

「あいっ♡アリステア様の所有物って感じが強くするので!」

「っ!?……っ…っ…………そ、そっか…」

元気良く、キリッとしたキメ顔で言い切られた。
え…なにそれ、ジアは僕に所有欲を全面に出して欲しいって事…?
そっか…ジアは嬉しいのか…僕からの所有の証が欲しいのか…。

そう思うと、胸がキュンとしてからドキドキとうるさくなり、顔が急速に熱くなった。

…だが、そんな甘い気持ちは、次のダメ出しでぶっ飛んだ。

「後、何で普通のお洋服なんですかぁ?監禁って言ったら、もっとえっちなやつじゃないとっ♡」

「え、えっち!?そんな決まりないだろ…」

「ありましゅ!こういう時は、薄着かスケスケランジェリーと相場が決まっているんです♡」

あ、今噛んだ…可愛い………じゃなくてっ!!!

「そんな訳ないでしょーがっ…!!」

「ジアの場合はあるんですっ♡アリステア様ぁ、ジアの下着からそれっぽいのを早く選んで来て下さいっ」

「え、えぇ…」

「もうっ…アリステア様、めっ!」

何で僕が怒られているのだろう…しかも『何でこんな事するの…?』とかではなく、『やる気あるの?』と斜め上過ぎるような事を言われて。

本気の監禁ではないにしろ、何で監禁する側が、監禁される側から監禁に対する指導を受けているの?

「それから、ご飯の時は、ジアのおまんこにおちんちん入れながら『あーん』ですよ?」

「は…………はああぁ!?」

それは…セックスしながら、食べさせろって事…?
ちょっと…いや、結構エグくない?
聞くと、せっかくだから、エロドウジン…?みたいな事をしてみたいらしい。

「……それも、相場が決まってるやつなの?」

「いえっ!ジアの勝手なイメージれすっ!!」

「イメージかいっ!!駄目ッ!食べる時はちゃんと食べなさい…!」

「えー!」

「えー!じゃないっ!」

「じゃあ…監禁中はドSな愛を要求します♡」

ドSな愛…?
わからんが…食事中にやるよりマシだ。

「っ……わかったよ」

「へへぇ…♡やったぁ♡あっ、首輪もちゃんとちょうだいね?可愛いやつがいいなぁ♡」

表情が可愛く蕩けたけど、理由が可愛くないぞ、ジア。
でも可愛い。
好き。

というか、首輪……話が流れたと思っていたんだけど、諦めていなかったみたい。
まあ…本当に首輪が欲しいんじゃなくて、僕のものになりたいとかそういうやつのうんぬんだから…どうしたものか…。

「…はぁ……もう、仕方ないなぁ。でも、あくまでアクセサリーの部類から外れないものにするからね?ごてごてなのは僕が嫌だから」

ジアの肌を傷付けないように柔らかい素材で、窮屈じゃないように、苦しくないように…あくまでアクセサリーのやつなら…。

「わぁい♡アリステアしゃま♡だいしゅきっ♡」

僕が条件付きで仕方なく頷くと、ジアは甘くとろけた笑みを浮かべて喜んだ。

駄目だ…ジアに一生勝てる気がしない。
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