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アホの子の被害者
しおりを挟む僕、アリステア・トパーズは、侯爵家の嫡男だ。
幼少の時から高等教育を受け、様々の事を学び、貴族社会の闇、人間の汚さや愚かさを見て学習してきた僕は、自然と子供らしくない子供に育っていった。
最初は『どうして両親はこんな辛い事を…』と本当に辛かったが、知識と洞察力を身に付けた後は冷静に判断し、理解した。
両親は、僕を大事にしているからこそ、この貴族社会で強者として生き残れる様に教育してくれていた。
それが理解出来、子供らしさを失ってもひねくれる事はなかった。
ただ…立場上、下心や敵意に晒されてきた僕は、両親以外に心を開く事はない。
それは未来の妻にも該当する。
結婚相手は、いわばビジネスパートナー。
心を共有する必要はない。
ーーーだから、今日も仕事の一環として婚約者の元を訪れた。
婚約者の名は、ジア・アクアマリン伯爵令嬢。
僕と同じ十二歳だ。
ホワイトに近い透明感のあるプラチナブロンドと、名を表した様にアクアマリンを思わせる碧眼。
一般的に美人と呼ばれる括りにいるが、装いは控えめで、垢抜けない純朴さがある。
内気だがうるさくないし、優秀で礼儀作法はしっかりしていた。
陰湿で気が強い令嬢たちと違って、好印象ではある。
…が、ただそれだけ。
うちのマイナスになる様な事はしない無難なタイプと思ったくらいで、興味は全くなかった。
お互いを嫌悪しない関係を保てばいいだけ。
……まあ、問題ない。
ーーーと、思っていた僕に、とてつもない爆弾が落とされた。
「ア、アリステア様…こ、子作りに、その、備えませんか…?」
「ーーーーーーーは…?」
子作りに、備える……?
何を…?
誰と、誰が…?
内気な令嬢から出た言葉だと理解するのに時間を要した……それくらいの衝撃だった。
僕とした事が…予想外過ぎる発言に、ガラにもなく動揺してしまった。
恐る恐る…という感じだが、真っ直ぐこちらを見て言ってきた辺り、冗談ではなさそうだ。
「…ジア嬢……それはどういう…」
とりあえず、理由を聞かなくては始まらない。
頭が痛い事この上ない発言だが…下心を感じないせいか嫌悪感はなかった。
「わ、私たちの間に愛があるわけではないので…その…子作りの際に、失敗する可能性が高いです…そうなれば様々な事に影響が出てきますっ…」
「っ!………君が、そんな事まで見据えているとは思わなかったな。だが…何故、そこまで?」
……へぇ。
彼女が、こんな子供らしからぬしっかりした考えをもっていたとは意外だ。
確かに淡白な関係になるのは想像に難しくない。
つまりは、気持ちが高まり、性的興奮を得られなければ射精まで達しないだろうと……言いたいのか?
僕は普通の子供より早くに性教育を受けているからわかるが……彼女がそこまでとは考えにくい…。
しかし、今の言い方はーーーーーーーいや、今問題なのはそこではない。
理由は何通りか考えられるが、一番の疑問は『何故いきなり、まだ子供が気にする必要ない事を危惧しているのか?』だ。
誰かの入れ知恵か?
「……私にとって、重要な仕事ですので…」
「!!…重要な、仕事ね。…………………………」
真っ直ぐ、こちらを見て言った言葉に嘘はないだろう…不安そうな顔をしながらも、彼女の固い意志がわかったからだ。
それに、トパーズ侯爵家に嫁ぐ事をしっかり仕事と認識している姿勢に感心した。
重要な…という部分はわからないけどね。
誰かに脅されたのか…それとも、トパーズ侯爵家にそんなに媚びたいのか……いや、どちらも違うな。
他者に何か言われた様子ではないし、彼女は僕に社交辞令は言うも、媚びた事はない。
かといって、家のため…という様子でもない。
だとしたら…考えられるのは……僕のため…?
彼女は、僕が好きなのだろうか…?
が…そんな素振りあったか?
ーーーこれは、見極める必要がありそうだ。
「………いいよ、わかった」
***
「…今日は寒かったから、気持ちいい、ですね」
「……そうだね」
…だからといって、何故僕はジア嬢と一緒に風呂に入っているのだろうか。
いや、訓練をすると了承したからなのだが…。
普通に性行為の真似事をするのだとばかり思っていたため…言われた瞬間、頭の処理が追い付かなかった。
ーーー誰かと風呂に入るなんて…家族でも入らないのに…。
……なるほど…彼女は『まず、お互いの体に慣れる』事が必要だと考えたみたいだ。
が…いくら僕が早熟で、性教育を受けてきているからといって、女の子の『体』に慣れている訳ではない。
ので、この慣れない状況と相まって、彼女の裸を見れていない。
『婚約者』と『風呂に入っている』……ただそれだけなのに、何でこんなに心臓がうるさい…?
この何の含みも見栄もない、単純でストレートな行動を嬉しいと感じてしまったからなのか…。
「あ、あの……」
「なんだい?」
彼女から声を掛けられ、いつも通り冷静に返事をする。
「お、お顔を背けてばかりでは…その、あの…訓練にならないので………………………ちゃんと、見て、下さい…」
ーーーな?
「っ…!」
横で彼女が立ち上がった音がする。
…何なんだ…この、必死さと、潔さはっ!?
普通はもっと躊躇したりするだろうっ!?
「ア、アリステア様…お願い、します…」
「………………………………わかったよ」
ここまで来て彼女を拒否する訳にはいかない。
僕はしぶしぶ横を向き、彼女の体に視線を向けた。
ーーーーーーー…!
途端、思わず息を飲んだ。
白い滑らかそうな肌に、十二歳にしては大きい二つの扇情的な膨らみ、その先の薄ピンクの小粒が果実の様に美味しそうに見えた。
視線を下ろすと、綺麗な女性器から目が離せなくなる…もっと開いて見てみたい…って、僕は何をっ!?
顔が熱い…。
良くわからない感情に、変な力が入る…。
知識があるから初めてではないのに…きっと慣れないシチュエーションで動揺しているからだ。
「どう、ですか…?やっぱり…嫌、ですか…?」
僕の答えを不安そうに待つ表情と、滴る水滴が、彼女を更に卑猥に見せていた。
「………白くて…柔らかそうな体だね」
正直に思った事を言う訳にはいかず、無難そうな言葉を選んだ。
「!そ、それはっ、興味はないにしろ、気持ち悪くはないと解釈しても宜しいですかっ!?」
だけど彼女は、その言葉にキラキラした瞳をして食い付いてきた。
また、予想外な事を言って。
気持ち悪いって……むしろ逆なんだけど…。
「え?う、うん…」
「よ、良かった…」
そして、心底ホッとした様に笑った。
何の意図もない、自然なリラックスした笑みだ。
その様子を見て、思考が一瞬止まる。
「………………………………自己評価、低くないか…?」
「えっ…?あ、あの、何か言いましたっ?」
「いや、何でもないよ。……はぁ、まいったな」
ああっ…もうっ。
あんなあからさまに、素直に安心してっ……あれでは、『僕を中心に考えた行動』としか考えられないじゃないかっ…!
しかも、何の利益も欲していない。
そうすると、ただ『僕のため』にした行動という事になってしまう。
本人は今の行動に、何の意図もなかったけど…。
「…?」
ほら、わかってないし…アホだ…。
はぁ…まいったな……何、この子。
頭良いくせに…はぁ…。
駄目だ…とりあえず守ってあげないと。
***
僕らが一緒に風呂に入る様になって三ヶ月経った。
二回目からはなるべく煩悩を消して入っていた。
ジア嬢…ジアは、最近僕が来ると、頬を染めて、ニコニコと嬉しそうに迎えてくれる。
うん………………………………可愛い……。
ジアの下心のない本音や素直な姿を見るたびに、心臓が跳ね上がる。
だって………ジアの行動の中心が『トパーズ侯爵子息』ではなく、ただの『アリステア』とおおよその予測がついてしまっているから。
花をあげると、まるで宝石をもらった様に喜ぶしっ……普段何もおねだりしないのに、風呂の後に『一緒にお昼寝して下さい…』っておねだりにならない小さ過ぎるおねだりをしてくるしっ…。
前から、上から、横から、後ろから…僕に必ず抱きついて眠るんだよね……ジアも、ジアのベッドも凄くいい匂いだし…。
ジアの匂い…いい匂い。
はぁ、持って帰りたい…。
それ故、日に日に膨れ上がる気持ちに、ジアへのいやらしい欲望を隠せなくなっていった。
隙さえあれば、ジアをいやらしい目付きで見てしまう。
風呂はもちろん、服を脱ぐ時、着る時も。
本人全く気づいてないけど。
ジアは淡い黄色と水色の下着が好きみたいで良く着ている……僕の髪と瞳の色と同じ色なのは偶然なの?
そういえば…僕が『二人でいる時は楽な格好でいいよ』ってジアに言ったら、何を勘違いしたのか……風呂上がり後、所謂『ノーブラ』に生地の薄い白い、短すぎるワンピース姿になってしまった…。
ピチッとしたワンピースだから、形がモロにわかる美味しそうな膨らみと小粒…さらに透けて主張している。
しかも、ジアが動くたびに膨らみがゆれるゆれる…。
ワンピースの丈もかなり短い…ショーツも透けて、たまに見えたりと……これ、わざとだよね?
いや…ジアの事だから、何かを勘違いした天然だろうな…。
僕が『そうじゃないだろうッ…!!』と思う気持ちを抑えて、『可愛いね』って言うと『褒められた』って…凄い可愛い顔するんだ………はぁ……拐いたい…。
これでお昼寝した時は、本当に地獄だった…。
そして、第二ステップは『体の洗いっこ』と聞いて、僕は思わず固まってしまった。
えっ…僕、理性を試されている…?
ついに触れるのか…そうかっ…我慢だらけの未来しか見えないけど、ジアに触れたい欲望に負けて了承した。
泡立てた石鹸つけた手で、ジアの体を傷つけない様に慎重に洗っていく。
ジアの肌…わかっていたけど、すべすべで柔らかい。
洗っている側が気持ち良くなるってどういう事…?
それから、胸を洗う時に『ここも?』と念のため聞くと『はいっ♡』と期待する様な顔をされて、下半身にキタ…。
「………柔らかい…」
思わず口から出てしまった。
えっ…なにこれ、ふにふにして気持ちいい…ずっと触っていたいっ…。
「んっ…おっぱい、すき、ですか…?」
ーーー『おっぱい』?
なんて俗物的でいやらしくて可愛い言い方をっ…。
ぐっ…しかも……こんな時になんて質問をっ…。
何っ?
好きって言ったら揉みしだいていいのっ…?
ーーーって言いたい…。
「っ…ジア嬢…随分、ストレートだね?」
耐えろ…僕の理性…。
だけど、我慢するあまり対応を間違えたらしい…。
「あっ…き、きらい…?」
違うからっ!
そんな悲しそうな顔をするなっ…ああっ、ここは素直な感想を言った方が拗れないな。
「ーーーっ!………いや……ふにふにして、好き…」
僕がそう言うと、ジアは嬉しそうなとろとろの笑みを浮かべていた。
ーーーーーーーはっ?反則では?
「や、やったぁ…うれしっーーーーひゃんっ」
「っ!……ごめんよ、痛かった?」
笑みを見た瞬間、自然とジアの可愛い可愛い小粒に指が行ってしまったが、彼女の聞いた事のない声に驚いて我に返った。
危ない…理性が飛ぶところだった…。
それにしても、卑猥で可愛い声だったな…。
「ち、違います……その、さ、さきっ、先っぽは、気持ちよくなっちゃうので…あの、あまり…」
「……………………………………」
「アリステア様…?」
ーーーーーーーたくっ…!
この子は僕をどこまで煽る気だっ…!?
触られるのが嫌なのではなく『気持ちよくなっちゃう』からだって?
しかも凄く控えめの態度で、触る事自体は問題ではなさそうだし…。
それって『僕が触ると気持ち良くなる』って事?
はぁ…王都から連れ出して領地に閉じ込めたい…。
「やっ、あのっ…ごめんなさいっ…がんばって、こえ、ださないのでっ…アリステアさま、の、すきに、してくださいっ…」
ーーーんっ!?
何かいきなり泣き出しそうな雰囲気なんだがっ!?
「……なっ…えーと、ジア嬢……って、えっ」
は…え、ああ…またこの子を勘違いさせてしまったかーーーーーーーって…っ!!
この子は、もうっ!!
ジアは何かに耐える様に目を閉じ、口をつぐむと、両手で可愛い膨らみを持ち上げていた。
僕に献上するみたいに。
ーーーなんと、いうか、凄い、えっちだ……。
食べて良いなら食べるけど……ではなくっ!!!!!
「ーーーっ!!…………ジア嬢、いや、ジア?」
「は、はひっ…」
っ!?泣かせてしまった…!
「っ…何を勘違いしているかわからないけど、僕は何も怒ってないよ?」
「おこってない…?」
「うんっ…だから、泣かないで?」
「じあのおっぱいきらいになってない…?こえもいやじゃない…?」
自分の事を『じあ』って…しかも『じあのおっぱい』って……ああ、駄目だ…ムラっとする。
アホ過ぎて可愛い…。
ジアは幼子に戻った様に喋り、僕に追い討ちをかける。
「ッ……どちらも好きだよ」
というか、ジアが好き。
「ほんとぉ…?」
「うんっ」
「よ、よかったぁ…よかったよぉ…これであかちゃんうんで、アリステアさまの、やくにたてる…」
「!赤ちゃん…役に立てる…って…やっぱり、僕のためだったのか?」
思わず、真剣な顔で、ジアを見詰める。
今の発言……ジアは…僕との子作りが失敗して、僕が困らない様に訓練を申し出たって事だよね?
ジアがコクンと頷いた。
やっぱり。
ーーー僕が、愛がない関係を望んでいると見抜いて。
だから、余計に『僕の好み』を気にしてたのか。
バレバレだったけど…僕への恋心を隠そうとしていたのもそういう事か。
僕に迷惑をかけないため…か。
………………ごめんね、ジア。
僕も君の誠意に応えたいし、健気な君が愛おしい。
「………………そんなに、僕が好きなの?」
だけど、最後の確信を得るために、君の口からはっきり聞きたいな。
「うんっ…アリステアさまだいすき…」
「わっ…ジッ、ジアッ!?」
ーーー!?
ジアはとろとろの極上の笑みを浮かべると、僕に甘える様に抱きついてきたっ!?
ちょっ、ちょっと…!!
僕たち今裸だからまずい………って、あっ。
今…ジアの可愛い膨らみが、僕の固い胸に当たった。
き、きもちいい…。
顔が熱くなり、頭にもやがかかる。
「……っ……ジアの胸が、ふにゅって……」
「んん…♡アリステアさまぁ…♡」
そんな甘い声で僕を呼ばないでっ…たまらなくなる。
ジアはそんな事よりも僕に甘えるのが大事みたいで、首に手を回し、背伸びをして首筋に顔をすりすりしてくる。
その度に、可愛い膨らみが小粒を擦り付けながら、僕の胸の上でむにゅむにゅといやらしく動いていた。
ん…ジア…♡
僕は、えっちなのに無垢で可愛いジアにメロメロになっていた。
「も、申し訳ありませんでしたぁあああっ!!!」
「ジアは何も悪い事してないだろ?ほら、お昼寝するよ。ここにおいで」
後から凄い勢いで謝られた…アホで真面目なところも好きだよ♡
***
ジアの気持ちが完璧にわかってから、僕は遠慮なくジアの体に触れる様になった。
『洗っいこ』をギリギリ越えないラインでね。
ジアの綺麗なお尻を目の前で見ながら撫で回したり、胸を入念に洗うフリをして、たくさん揉みしだいて、乳首を執拗に弄ったっけ。
ジアは何の疑問も持たず可愛いく受け入れてくれたなぁ。
具体的に感想を言って褒めてあげると、ジアはとろとろによによといっただらしのない超絶可愛い顔になる。
僕からの褒め言葉が極上のご褒美みたいな反応をするんだよね。
はぁ…アホ可愛い…好き。大好き。
まあ…さすがに、ジアの可愛い可愛い……ジア風に言えばおまんこ?に指を突っ込んだのアウトだけど。
………ジアは全く気づいていないから…いいよね?
あー、本当に僕の全部の力を使って守ってあげないと。
僕たちは順調に『愛』も育んでいた。
さすがジアの訓練だ。
だけど、第三ステップに行く前に、僕が十三歳になり、厳しい全寮制の男子校に行く日がやってきてしまった。
はぁ…三年間もジアに会えないのか…。
死ぬ…死んでしまう…。
ジアも物凄く悲しんで、寂しがってしまって、馬車の前で泣き出したから、泣き止むまで馬車の中で二人きりになる事にした…。
「アリステアさまっ…じあのことわすれないでぇ…」
「ーーっ…忘れる訳ないだろ」
もうっ…そんな可愛く泣かないでよ…本気で連れていきたくなる…。
ジアは泣くと赤ちゃんみたいになるね…本当にアホ可愛い。
君に忘れる要素なんてないでしょ。
色んな意味で。
「また、じあとおふろにはいってくれる…?」
「…っ、うん、入ろうね?」
…また、下半身にクる言い方を。
ジアは本当に僕と風呂に入るのが好きだな…。
でも、今言われると、学校に行きたくなくなるんだけど…ジアを今すぐ可愛がりたくなる。
「からだ、あらってくれる…?」
「…っ…っ、もちろん」
この子、本当に天然なの…?
これ、わざとじゃないか?
わざとだろ?
あれだけいやらしい事されて、まだ洗ってもらってるって認識なのか?
でもって、まだ洗って欲しいのか?
もう…帰ってきたら一生僕が洗ってあげる…♡
「おひるねも…?」
「うんっ」
あっ…普通に可愛いやつに戻った…良かった。
これで僕も、気持ちに整理を…。
「うれしいっ……あ、あのね…」
「うん?なに?」
「アリステアさまは、じあになにいろのおぱんつをはいてほしいですか…?」
「!?」
この子は何を言ってるのかなっ…!!!???
それはどういう意味で言っているのっ!?
気持ちの整理をさせてくれないねっ!?
疑問しかないけど、ちゃんと答えないとジアがまた誤解して泣き出すかもしれないっ…。
ショーツの色か…………………………僕の髪や瞳の色も良いけど、白がいいかな…。
何か、背徳感があって。
「…っ…っ………………………………………………………白」
それから、涙が止まらないジアに、理性を限界まで総動員して我慢し、慰めのキスを顔や頭にたくさん落とした。
はぁ…卒業したら、ずっと僕の部屋に大事に閉じ込めておきたい。
***
三年間の学校生活で、ジアは毎日手紙をくれた。
そう…毎日、強烈な…無自覚エロメールを…。
『アリステア様!白いおぱんつたくさん買いました!えっちなやついっぱいありますよ!早く着けてるところ見て欲しいな♡』
…白いの…たくさん…買ったんだ…へぇ…。
本当に僕の事大好きだな…はぁ…可愛い。
僕も早く見たいよ…余すことなく。
『アリステア様、今日おっぱいを測ったらまた大きくなっていました!アリステア様がジアの大きくなったおっぱいを好きになってくれるといいなぁ…♡』
わ、身長が伸びましたみたいに書いてきたな…。
ぐっ……ムラっとする。
ジアの胸ならどのサイズでも大好きだよ。
『大好きなアリステア様♡今日、えっちなごほんでぱいずりっていうのを学びました!アリステア様のために棒アイスやバナナで練習しときます!』
………………………………………………………………はっ?
え…それはどういうつもりでっ?
というか、ジアの胸はそんなに大きくなったのか?
ちっ…棒アイスとバナナに嫉妬する日が来ようとは…この僕がっ。
『アリステアさま…今日は、その…ひとりえっちを覚えようとジアは頑張ったんですが…上手くいきません。上手くできなくてごめんなさいっ…。アリステア様じゃないとあんまりおまんこ気持ちよくないです…。ジア…ダメな子でごめんなさい…嫌いにならないでぇ…』
……………あの子は、何故これを報告しようと思ったんだろう。
嫌いになる訳ないでしょ。
僕に謝ってきたって事は、僕に見せるために覚えようとしたんだろうな…。
上手くオナニーできないジア…可愛い…けど…かなり下半身にクるから書かないで欲しい…。
僕ではないと駄目って…殺しにきてるのかな?
『アリステア様!昨日の手紙にジアの私物が欲しいって書いてあったので、ジアの使っているレース紐のおぱんつを送ります♡アリステア様のおめめの色と同じだから、ジアのお気に入りなんですよ♡」
っ…本当に届いた…。
ちょっとした小物で良かったのに、なんで私物にショーツを選んだんだ…。
そうか…やっぱり僕の色の下着がお気に入りなんだね…。
…………………………………駄目だ…トイレに行こう…。
そう…あのおバカちゃんは…こんな煽るような手紙ばかり寄越すんだ…。
全部生々しく想像してしまうだろ。
僕を殺す気なんだろうか…。
本人は無邪気に報告して、褒めてもらおうとしてるだけなんだよな…はぁ…。
ーーーはぁ…卒業したら、絶対抱く。
ちなみにジアの一人称が『私』ではなく『ジア』と書かれているのは、僕が『その方が可愛いからそうして』とお願いした。我ながら変態だな…。
僕も毎日返事を書いていたが……三年生の冬、本当に忙し過ぎて寝落ちしてしまった時があった。
それでジアに手紙を書くことが出来なかった。
ーーー当然、ジアから不安を綴る手紙がきた…。
ただ…不安になりすぎたジアはどうやら『飲酒』をしてしまったせいで、文字がよれよれの手紙が送られてきた。
手紙の中身は……普段より強烈だった。
『アリステアさまっ、じあのこときらいになった…?じあ…アリステアさまがいないとなにもできないよぉ…。じああかちゃんだからアリステアさまのおせわがほしいのぉ…。じあにアリステアさまのほっとみるくちょーだい♡おくちにも、おまんこにも、いっぱいほしーの♡おねがぁい…♡』
酔っぱらいの手紙…なんて恐ろしい……いや、嫌いになる訳ないでしょ?
大好きだよ。
あの子…お酒飲んでも幼児後退するんだ…。
へぇ…帰ったら酔わせてみよ…。
……ふーん…ホットミルクね…。
いくらでも?
いっぱいお世話するよ?
僕のえっちな赤ちゃん…♡
お腹いっぱいになるまでミルク飲もうね?
が…たぶん、この…砂糖菓子に蜂蜜とシロップをかけたくらい甘えた卑猥な手紙を、ジアは覚えていないだろうな…絶対…。
ーーーはぁ……もう…♡
ジアは仕方ないなぁ…♡
ジアだから物凄く可愛いと思うけど、他の令嬢だったら、秘密裏に制裁を食らわすな。
とりあえず、このあり得ないくらい強烈な手紙が、三年生の冬の手紙で良かった…。
でなければ、僕は絶対我慢できなかったから。
ーーーそして、卒業した今日、僕は実家より先にアクアマリン伯爵家に馬車を走らせた。
ジアには前もって手紙を送っているし、伯爵と伯爵夫人は丸二日留守と言っていた。
伯爵家に着き、ジアの部屋に向かうと……ジアは本当に綺麗になっていた。
体つきは当然変わっていて、肉感的な体つきで、かなりセクシーになっていた。
だけど、ジアの垢抜けない純朴さはそのままで、そのギャップが背徳的な色気を醸し出していた。
僕が舐める様にねちっこい視線を送っていると、ジアが泣いて黙っている事に気がついた。
僕にやっと会えて、思わず泣いてしまったみたいだ。
仕方がない子だなぁ…♡
使用人を全て下がらせて、二人きりになると、僕はジアを抱き締めた。
ああっ…やっと会えたっ…!!!
久しぶりのジア…柔らかい…良い匂いがする…。
ジア…ああ、大好きだ、愛してるっ。
ーーーん?
何で『好き』って言ったら驚いているのかな?
僕は口でも手紙でも、ちゃんと気持ちを伝えていたけど?
ふふっ…ポカンとして…♡
本当におバカで、アホ可愛いんだから。
「(……ジアがあんなに僕の勃起を喜ぶなんて…しかもぺニスがかっこよくてすきって……三年前、あんなに必死に隠さなくても良かったな)」
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