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始まった音
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目を開けたら、こぼれ日に照らされた女神がいた。
煌めく柔らかな銀髪、清らかに澄んだ緑眼、陶器のような白い肌、安らぎを感じる神秘的な容姿の少女。
ーーーなんてあたたかく、綺麗なんだ。
花弁が舞ったかのような微笑みを見た瞬間…胸がじんわり熱を持ち、目を奪われた。
朦朧としていた俺は『ここは天国なのかもしれない…』と本気で思ったくらいだ。
相棒の声を認識するまで、俺は夢中で彼女を見詰めていた。
ルディの言葉で頭が働き始め、正常な思考が戻り、ようやく自分の状況を思い出したのだ。
俺はダンジョン攻略中に同じギルドの連中に襲われ、両腕に呪いをかけられた…のだと。
S級ハンターという最上の肩書きのせいで。
まさか…仮にも同僚だというのに、こんなにもはっきり命を狙われる事になろうとは。
自分は選ばれた者だとおごり高ぶった連中は、俺に嫉妬や劣等感を募らせていたらしく、理不尽な恨みをぶつけられたのだ。
呪いは闇社会に出回る禁忌魔法だ。
出回る…といっても扱える者は少ないが。
理由は簡単だ。
非常に危険で、必ず代償がある恐ろしい魔法だからだ。
メリットよりデメリットが大きく、諸刃の剣…いや、そんな甘いものではない。
術者は大金を払えば必要なアイテムを渡し、やり方、呪文を教えてくれるらしいが…その成功率は極端に低い。
自分で術を使わなくても、術者との契約で危険な代償を負う事になる。
連中がどういう経緯で呪いをかけたのかは知らないが…そこまでのリスクを犯してまで俺に執着するなんて狂気でしかない。
自己愛や欲望、感情を満たす事だけに固執したモンスターだ。
何でも自己合理化をし、正当な事のように倫理観や道徳心を平気で踏みつけていく。
正直、絶望していた。
もう助からないと、本能で理解したからだ。
寒いのに、焼けるような強烈な痛み。
奴らは心底愉快そうに嘲笑いながら言った。
助かる方法は両腕を根本から切り落とすしかない。
微々たる可能性だがな…と。
助かったとしても、もう武器を握る事はできない。
不自由な生活が待っているだけ…ハンターとしての道は絶たれてしまう。
俺が努力して得てきたものが、水の泡になる。
きっと、両腕を狙ったのはそういう意図があるだろう。
万が一助かったとしても、徹底的に俺を苦しめる事ができるからだ。
ああ…生きる気力がなくなるってこういう事なんだな。
もう気持ちはドン底まで落ちて、怒りや悔しさ…悲しみさえも感じなかった。
そのまま意識を手放した俺が、目を覚まして最初に見たのが例の彼女だ。
聞けば…彼女と、もう一人の幼い少女が助けてくれたというではないか。
身体から痛みが消え…体調は以前より格段に良くなって力が溢れていた。
何より…何故かわからないが、思考がすっきりし、心が満たされたようにぽかぽか温かく……つまり、精神的にも癒されていたのだ。
彼女たちがどんな人物かはわからない。
それでも、心根が善良で優しい事がわかった。
接した時間は僅かだったが…酷く心が安らいだ。
温かく、可憐で、良い匂いがして…柔らか……いや、俺は何を考えている!?
…とにかく、何が言いたいのかというと。
「もう一度会いたい…動転してばかりで全くお礼が言えなかった…はぁ…」
「だな…オレなんて『エルフが大嫌い』とか言ってめちゃくちゃ失礼な態度取っちゃったし……もしかしたらオレのせいかも…あの二人は気を遣って消えたんじゃ…」
「ルディ…」
隣で、ルディが頭を抱えていた。
あの状況では仕方がなかったと理解していても、自分の行いを本気で後悔している。
大のエルフ嫌いの彼が、こんな事を言うとは…。
ルディ…弟のような大事な存在。
人間の父親とドワーフの母親をもつ、十三歳の少年。
これだけ聞くと複雑な境遇に思えるが、彼はドワーフの集落で両親から愛されて育った。
気難しいイメージがあるドワーフは意外にも柔軟で、一ミリも他を受け付けないエルフとは違うらしい。
だが…十歳のルディが森で昼寝をして戻ってくると…集落は静まり返り、ドワーフたちが倒れていた。
幼いながらも…ルディは外部から襲われたのだと理解した。
ドワーフたちは外傷はなく殺され、集落は綺麗なままだった。
生存者はゼロ…もちろん、ルディの両親も亡くなっていた。
犯人は…精神に異常をきたしたエルフ。
絶望したような生気を失った顔、紫色の肌、血走った瞳、痩せこけた身体……それなのに、吐血しながら狂った高笑いをしていたらしい。
禁術に手を出したのか、恨みがあったのかわからないが…とても恐ろしかったという。
何故、ルディが助かったかというと…殺される直前にエルフが限界を迎え、自滅したからである。
後に…状態と照らし合わせて調べた結果、そのエルフは呪われて闇堕ちしていた事がわかった。
つまり…強い絶望から狂ってしまい、呪いに身体が蝕まれている関わらず魔法を連発してドワーフたちを殺害し、全ての力を使い果たした。
なんて迷惑で理不尽な話だ。
その時の光景は、強い恐怖と恨みとともに、ルディの心に焼き付いている。
だからルディは、エルフが嫌いになった。
三年前…集落を出て彷徨っていたのか、森でボロボロになっていたルディを偶然助けたんだが…まさに手負いの獣だったな。
「オレ…エルフは嫌いだ…だけど、あの二人は好き……凄くぽかぽかした…」
それなのに…まさか、こんな事を言うようになるとは。
赤らんだ頬、恋しがるような瞳、甘えた声音。
まるで…甘酸っぱい初恋のような、孤児が聖母のような後見人に甘えたそうな…そんな風に見えた。
どちら、に…だろうか。
微笑ましいと思いながらも、俺の中で無視できない焦りが生まれる。
どちらも素敵な女性だった。
甘えた雰囲気から察するに、ルディも二人が見た目通りの年齢でない事は気づいているはず。
それが余計に本気度を際立てている。
女神の…ではなくて、銀髪の少女は十五歳くらいに見えたが、あのしっかりした様子なら、もう少し年齢は上だろう。
金髪の幼い少女は…そうだな…もっと上かもしれない。
成熟した口調もそうだが、かなり落ち着いていたし…何よりあの包容力と品は子供には出せない。
エルフの見た目が若いというのは有名な話だが…体質が関係しているか、ある一定の年齢までは個人差があるみたいだな。
ああ…もっと二人の事を知りたい。
「謝りたいし、お礼もしたい…アレクの命が助かったんだ…全財産差し出しても足りないよ」
「ああ、絶対見つけ出そう」
「うん…絶対にな」
まずは二人を探さす手掛かりを手に入れなければ。
「…早く北部に着いて欲しいな」
そのために、今…船に乗って北部に向かっている。
北部の雪山に屋敷を構える占い師の元へ行くためだ。
年齢不詳の魔女イベリン。
占いなんて胡散臭いが、魔法の実力は本物だ。
前に一度、ルディの件に世話になった事があるからな。
彼女たちが姿を消してからすぐに森を抜け、ギルドに戻り、受付で脱退書類を出した。
俺を殺そうとした連中は幽霊を見たように固まっていたが、彼女たちに出会えた今となってはどうでも良かった。
余計な事に時間を使っている暇はない。
受付嬢に無理を言い、その日中に処理してもらった。
焦った様子のギルドマスターに止められたが、俺たちの意志は堅かった。
契約上、ギルドは脱退を拒否する事はできない。
晴れて無所属のハンターになった俺とルディ。
大丈夫…旅をしまくる資金はある。
今まで稼いだ金は使いきれないほどあるし、ダンジョンで手に入れたレアアイテムや宝石などもたくさんある。
難攻不落と言われる銀行ギルドに預け、魔法術式でいつでも何処でも下ろせる。
便利なシステムがあって良かった。
小さい袋にたくさん収納できるマジックバッグという手もあるが…紛失や盗難の心配があるからな。
身軽になった今、何処でも行ける。
「確か…愛称だと思うが、シシーさんとフィオさんと言っていたな」
「うんっ……アレクがこんな誰かに関心を持つの、初めてだよね。いや、命の恩人だし…当然だけどさ」
「そうだな…本能が絶対逃すなと言ってる」
ルディの言葉に柄にもなく、つい…目がギラついてしまう。
「わかる………アレクとシシーさんがくっつけば…実質お姉ちゃんみたいなもんだよな…そうすれば、フィオさんとも…」
「お前…」
俺も相当重い発言をしているが…ルディも結構重い気持ちを持っているんだな…目が本気だった。
煌めく柔らかな銀髪、清らかに澄んだ緑眼、陶器のような白い肌、安らぎを感じる神秘的な容姿の少女。
ーーーなんてあたたかく、綺麗なんだ。
花弁が舞ったかのような微笑みを見た瞬間…胸がじんわり熱を持ち、目を奪われた。
朦朧としていた俺は『ここは天国なのかもしれない…』と本気で思ったくらいだ。
相棒の声を認識するまで、俺は夢中で彼女を見詰めていた。
ルディの言葉で頭が働き始め、正常な思考が戻り、ようやく自分の状況を思い出したのだ。
俺はダンジョン攻略中に同じギルドの連中に襲われ、両腕に呪いをかけられた…のだと。
S級ハンターという最上の肩書きのせいで。
まさか…仮にも同僚だというのに、こんなにもはっきり命を狙われる事になろうとは。
自分は選ばれた者だとおごり高ぶった連中は、俺に嫉妬や劣等感を募らせていたらしく、理不尽な恨みをぶつけられたのだ。
呪いは闇社会に出回る禁忌魔法だ。
出回る…といっても扱える者は少ないが。
理由は簡単だ。
非常に危険で、必ず代償がある恐ろしい魔法だからだ。
メリットよりデメリットが大きく、諸刃の剣…いや、そんな甘いものではない。
術者は大金を払えば必要なアイテムを渡し、やり方、呪文を教えてくれるらしいが…その成功率は極端に低い。
自分で術を使わなくても、術者との契約で危険な代償を負う事になる。
連中がどういう経緯で呪いをかけたのかは知らないが…そこまでのリスクを犯してまで俺に執着するなんて狂気でしかない。
自己愛や欲望、感情を満たす事だけに固執したモンスターだ。
何でも自己合理化をし、正当な事のように倫理観や道徳心を平気で踏みつけていく。
正直、絶望していた。
もう助からないと、本能で理解したからだ。
寒いのに、焼けるような強烈な痛み。
奴らは心底愉快そうに嘲笑いながら言った。
助かる方法は両腕を根本から切り落とすしかない。
微々たる可能性だがな…と。
助かったとしても、もう武器を握る事はできない。
不自由な生活が待っているだけ…ハンターとしての道は絶たれてしまう。
俺が努力して得てきたものが、水の泡になる。
きっと、両腕を狙ったのはそういう意図があるだろう。
万が一助かったとしても、徹底的に俺を苦しめる事ができるからだ。
ああ…生きる気力がなくなるってこういう事なんだな。
もう気持ちはドン底まで落ちて、怒りや悔しさ…悲しみさえも感じなかった。
そのまま意識を手放した俺が、目を覚まして最初に見たのが例の彼女だ。
聞けば…彼女と、もう一人の幼い少女が助けてくれたというではないか。
身体から痛みが消え…体調は以前より格段に良くなって力が溢れていた。
何より…何故かわからないが、思考がすっきりし、心が満たされたようにぽかぽか温かく……つまり、精神的にも癒されていたのだ。
彼女たちがどんな人物かはわからない。
それでも、心根が善良で優しい事がわかった。
接した時間は僅かだったが…酷く心が安らいだ。
温かく、可憐で、良い匂いがして…柔らか……いや、俺は何を考えている!?
…とにかく、何が言いたいのかというと。
「もう一度会いたい…動転してばかりで全くお礼が言えなかった…はぁ…」
「だな…オレなんて『エルフが大嫌い』とか言ってめちゃくちゃ失礼な態度取っちゃったし……もしかしたらオレのせいかも…あの二人は気を遣って消えたんじゃ…」
「ルディ…」
隣で、ルディが頭を抱えていた。
あの状況では仕方がなかったと理解していても、自分の行いを本気で後悔している。
大のエルフ嫌いの彼が、こんな事を言うとは…。
ルディ…弟のような大事な存在。
人間の父親とドワーフの母親をもつ、十三歳の少年。
これだけ聞くと複雑な境遇に思えるが、彼はドワーフの集落で両親から愛されて育った。
気難しいイメージがあるドワーフは意外にも柔軟で、一ミリも他を受け付けないエルフとは違うらしい。
だが…十歳のルディが森で昼寝をして戻ってくると…集落は静まり返り、ドワーフたちが倒れていた。
幼いながらも…ルディは外部から襲われたのだと理解した。
ドワーフたちは外傷はなく殺され、集落は綺麗なままだった。
生存者はゼロ…もちろん、ルディの両親も亡くなっていた。
犯人は…精神に異常をきたしたエルフ。
絶望したような生気を失った顔、紫色の肌、血走った瞳、痩せこけた身体……それなのに、吐血しながら狂った高笑いをしていたらしい。
禁術に手を出したのか、恨みがあったのかわからないが…とても恐ろしかったという。
何故、ルディが助かったかというと…殺される直前にエルフが限界を迎え、自滅したからである。
後に…状態と照らし合わせて調べた結果、そのエルフは呪われて闇堕ちしていた事がわかった。
つまり…強い絶望から狂ってしまい、呪いに身体が蝕まれている関わらず魔法を連発してドワーフたちを殺害し、全ての力を使い果たした。
なんて迷惑で理不尽な話だ。
その時の光景は、強い恐怖と恨みとともに、ルディの心に焼き付いている。
だからルディは、エルフが嫌いになった。
三年前…集落を出て彷徨っていたのか、森でボロボロになっていたルディを偶然助けたんだが…まさに手負いの獣だったな。
「オレ…エルフは嫌いだ…だけど、あの二人は好き……凄くぽかぽかした…」
それなのに…まさか、こんな事を言うようになるとは。
赤らんだ頬、恋しがるような瞳、甘えた声音。
まるで…甘酸っぱい初恋のような、孤児が聖母のような後見人に甘えたそうな…そんな風に見えた。
どちら、に…だろうか。
微笑ましいと思いながらも、俺の中で無視できない焦りが生まれる。
どちらも素敵な女性だった。
甘えた雰囲気から察するに、ルディも二人が見た目通りの年齢でない事は気づいているはず。
それが余計に本気度を際立てている。
女神の…ではなくて、銀髪の少女は十五歳くらいに見えたが、あのしっかりした様子なら、もう少し年齢は上だろう。
金髪の幼い少女は…そうだな…もっと上かもしれない。
成熟した口調もそうだが、かなり落ち着いていたし…何よりあの包容力と品は子供には出せない。
エルフの見た目が若いというのは有名な話だが…体質が関係しているか、ある一定の年齢までは個人差があるみたいだな。
ああ…もっと二人の事を知りたい。
「謝りたいし、お礼もしたい…アレクの命が助かったんだ…全財産差し出しても足りないよ」
「ああ、絶対見つけ出そう」
「うん…絶対にな」
まずは二人を探さす手掛かりを手に入れなければ。
「…早く北部に着いて欲しいな」
そのために、今…船に乗って北部に向かっている。
北部の雪山に屋敷を構える占い師の元へ行くためだ。
年齢不詳の魔女イベリン。
占いなんて胡散臭いが、魔法の実力は本物だ。
前に一度、ルディの件に世話になった事があるからな。
彼女たちが姿を消してからすぐに森を抜け、ギルドに戻り、受付で脱退書類を出した。
俺を殺そうとした連中は幽霊を見たように固まっていたが、彼女たちに出会えた今となってはどうでも良かった。
余計な事に時間を使っている暇はない。
受付嬢に無理を言い、その日中に処理してもらった。
焦った様子のギルドマスターに止められたが、俺たちの意志は堅かった。
契約上、ギルドは脱退を拒否する事はできない。
晴れて無所属のハンターになった俺とルディ。
大丈夫…旅をしまくる資金はある。
今まで稼いだ金は使いきれないほどあるし、ダンジョンで手に入れたレアアイテムや宝石などもたくさんある。
難攻不落と言われる銀行ギルドに預け、魔法術式でいつでも何処でも下ろせる。
便利なシステムがあって良かった。
小さい袋にたくさん収納できるマジックバッグという手もあるが…紛失や盗難の心配があるからな。
身軽になった今、何処でも行ける。
「確か…愛称だと思うが、シシーさんとフィオさんと言っていたな」
「うんっ……アレクがこんな誰かに関心を持つの、初めてだよね。いや、命の恩人だし…当然だけどさ」
「そうだな…本能が絶対逃すなと言ってる」
ルディの言葉に柄にもなく、つい…目がギラついてしまう。
「わかる………アレクとシシーさんがくっつけば…実質お姉ちゃんみたいなもんだよな…そうすれば、フィオさんとも…」
「お前…」
俺も相当重い発言をしているが…ルディも結構重い気持ちを持っているんだな…目が本気だった。
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