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紅い真珠のゼラニウム
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ふわふわと何かに包まれて揺られる感覚がある。母親の腹の中で羊水に包まれあやされているような。そんな感覚が少女を包む。
心地よい感覚に身を任せたままの少女の意識は、だんだんと深く沈んでいく。
このままこの心地よい水の中で微睡むのも悪くは無いと、少女が体を丸めて本格的に眠りに入る。だが、眠りが本格的に深くなる前に少女は目を覚ます。
少し間延びした低く、けれども甘い響きを持った男の声が少女に話しかけてきたのだ。
「んー?こんなとこに人間のメスがいるなんて珍しいね。迷ったの?つーか、人間って海の中で呼吸できたっけ?」
男の声に驚いた少女の意識は一気に覚醒した。慌ててまぶたを開いた少女の視界にうつったのは、上から降り注ぐ光を内側に閉じ込めた碧。鮮やかに広がる碧の中心に男は居た。
「あ、目開けた。ね、お前。人間のはずだよね?海の中で呼吸できんの?なんで?」
コポコポと音が耳元でする。少女の口から零れた吐息は泡となり上へ上へとのぼっていく。
目の前の光景に現実味がなくて、そして何よりも美しくて、少女は言葉を失う。それだけ男の容姿は特別だった。
頭の天辺から碧で、少し長めの襟足にいくにつれて黒いグラデーションがかった髪。目元に散らばる髪とおなじ色の鱗。腕には手首から肘にかけてヒレがあり、爪は鋭く尖っている。
耳があるであろう場所にも透き通るような綺麗なヒレがあった。上半身の脇腹には、おそらくエラであろうものがパクリパクリと呼吸する度に開閉する。
何より目を引くのが、何もまとっていない下半身に尾びれが着いていたことだろう。
髪とおなじ色の鱗で包まれた尾びれが、水中に差し込む光を反射する様は、ひとつの絵画のようで美しい。
「……人魚?」
うっとりと見惚れながら呟いた少女に、話しかけた男は呆れる。
「俺の質問は?答えてくれねぇの?」
「質問……」
「そう。まあ、その様子だと海の中でも呼吸できるみたいだし、話もできるみたいだね。むしろなんで?」
男は好奇心旺盛に質問を重ねる。タジタジになりながらも少女は、その質問に答えようとした。そこでふと気づく。この人魚に話しかけられるまで、少女がこの場所にいた事にすら分かっていなかったことに。そもそも少女自身が自らの力でここまで来ていないのだ。分かるはずもない。
「分からない……ここ、どこ?僕はなんでここに……」
だから、素直に答えた。そこに嘘偽りなどない。呼吸ができるまま、海の中で微睡むなど少女が自力でできるはずもないのだ。仮にできたとて、その力は少女にコントロールは無理だろう。自覚すらしていなかったのだから当然。
「ふぅん?分からないねぇ……じゃあ、その体と関係あるのかもねぇ。そう考えればある程度は納得できるし」
男が少女の胸元を指さす。少女は男の指差す己の体を初めてその時ちゃんと見た。
少女は息を飲む。少女の体の向こう側が見えるほどに透けていたのだ。まるで自分が死んで幽霊にでもなってしまったかのよう。生きた心地がしない。
青ざめる少女を安心させるかのように男は言葉を続ける。
「多分、魂がふらっと散歩にでも出てたんだねぇ」
「僕、死んでるの?」
安心させるために言った言葉は逆に少女を不安にさせてしまったらしい。これは困った。男にとっては安心させるための言葉でも少女には違ったのだから。
「とりあえず落ち着いて?死んではいないと思うよ。ほら、お前の胸のとこ。糸が出てるでしょ」
男の言葉に促され、少女は改めて自分の胸を見る。すると、男の言う通りに少女の胸からは糸が出ていた。その糸はどこかへと繋がっているのか、先が見えない。
その糸を見た瞬間、少女は理解した。その糸の先に己の体があり、糸が切れたら本当に己は死ぬのだと、男の言葉はこういうことだと。
「理解した?」
「うん」
「なら良かった。じゃあ、戻れそうになるまでオレといる?暇なんだよねぇ」
そう言って男は少女にさらに近づいてきた。その時、男の鼻に甘い香りが届いた。華のような香りが少女からする。
思わず男は少女を抱きしめ、首筋に顔を近づけた。もっとよく知ろうと少女の香りを肺いっぱいに吸い込む。
男の本能が叫ぶ。少女が自分のフィオレになりえる存在だと、自分だけの宝物なのだと。大事に、大事に囲い込まなければ。
自分をいきなり抱きしめる男に普通なら恐怖を感じるはずなのに、少女は不思議と恐怖は感じなかった。むしろ安心感さえある。男の尾びれの中がどこよりも安全なのだと確信していた。
「ああ……魂だけの状態だから、これだけ近づくまで気づけなかったのか……ここに居たの。オレの、オレだけのフィオレ」
恍惚とした表情を浮かべ、本能のまま男がさらに深く少女を抱きこもうとした時、少女は男の滑らかな尾びれの鱗に指を這わせた。
「んふふ。くすぐってぇよ。なぁに?オレの鱗気に入ったの?」
「うん。冷たくて気持ちいいの」
「あっはは!素直じゃん。そうしてていいから、大人しくしててね?痛いことはしないから」
「キレイ……」
少女の口から零れた言葉に男は目を丸くする。まるでそんな事言われた事ないというように。
まじまじと自分の鱗を眺め、たどたどしい手つきで撫でる少女に男はくすぐったいような感覚になる。まるで大事にされていると錯覚しそうになるほどにその手は優しい。
キュウイ、キュルルル。男の喉から高い音が鳴る。音に惹かれて少女は男の顔を覗き込む。少女と視線が合うと男はトロリとした笑みを向けた。
少女も笑い返せば、嬉しそうにその笑みをさらに甘くする。スリ、スリ、と少女の頬に己の頬を優しく擦り付けながら、男は機嫌良さそうに喉をクルルと鳴らした。
「んふふ。気に入った、お前名前は?オレはペルラ」
「僕?僕の名前はルイ」
「ルイ?ルイね、覚えた」
少女が男の問いに答え己の名前を告げる。それの満足そうに喉を鳴らしていた男が何かを決意したように少女に真剣な顔を向けた。
男は少女に問う。「オレのフィオレとして真珠を受け取ってくれる?」と。少女は男の唐突な問いかけに驚く。けれど少女には男の問いかけに答えられなかった。何故なら男の言うフィオレが何なのか少女は分からなかったからだ。
「ペルラ……フィオレってなに?」
「あー……そっかァ。そこからかァ……」
少女からの疑問に男は頭を悩ませる。少女が理解できるような説明をどうやってしようかと。
「こればっかりは感覚というか、本能っていうか……オレら人外にとっての宝物っていうか、己の半身っていうか……」
「半身?」
「ウン。半身、そういう表現の方がしっくりくるな。そう、魂の半身。失ったら狂ってしまう。人外はそういう子達を華って書いてフィオレって呼んでる。海に住む人外は読み方変えて真珠って書いてフィオレって呼んでっかなー」
「どうやって見つけるの?失ったら狂ってしまうんでしょう?」
「香りだよ。華の香りがすんの。それで見つける」
「だからさっき僕の匂い嗅いでたんだ」
男が少女を抱きしめ香りを嗅いでいた理由が分かり納得した。それが本当なら少女は男の魂の半身である華であり、真珠なのだろう。
「それで……俺の真珠、受け取ってくれる?」
少女は考えようとしてすぐに辞めた。男に抱きしめられた時も初めて視界にうつった時も、感じたのは恐怖でなく、安心感とこの尾びれの中なら絶対安全という確信だけ。
ならば思い切ってその感覚を信じてみるものアリだと思ったのだ。もしかしたらこれが少女の本能が半身に、あったがためにそう感じさせている可能性だってあるのだから。
「いいよ。真珠、ちょうだい。それでね、現実の僕も見つけてくれる?」
「本当!?やっばァ!めっちゃくちゃ嬉しい!もちろん、必ず見つけてみせるから」
男の言葉に安心すると、少女の体がどんどん薄くなっていく。目覚めるのだと本能で理解した少女は消える前に男へ抱きつく。
男もまた少女の体が消えかかっている事に気づくと、少女の額に己の額を重ねる。すると、男の美しい琥珀色の瞳からポロリと真珠でできた華が1粒こぼれ落ちた。
男はこぼれ落ちた真珠をつまみ、少女の口元によせる。
「飲んで。そしたらこの真珠をたどってルイの事、見つけ出してみせるから」
少女は男に必ず会えると確信していた。だから、なんの躊躇いもなく、男の流した人魚の涙を飲み込んだ。飲んだ瞬間、首元にチリとした感覚を残し、ルイの意識は落ちる。
――この日ルイは己の唯一の半身を見つけた。
心地よい感覚に身を任せたままの少女の意識は、だんだんと深く沈んでいく。
このままこの心地よい水の中で微睡むのも悪くは無いと、少女が体を丸めて本格的に眠りに入る。だが、眠りが本格的に深くなる前に少女は目を覚ます。
少し間延びした低く、けれども甘い響きを持った男の声が少女に話しかけてきたのだ。
「んー?こんなとこに人間のメスがいるなんて珍しいね。迷ったの?つーか、人間って海の中で呼吸できたっけ?」
男の声に驚いた少女の意識は一気に覚醒した。慌ててまぶたを開いた少女の視界にうつったのは、上から降り注ぐ光を内側に閉じ込めた碧。鮮やかに広がる碧の中心に男は居た。
「あ、目開けた。ね、お前。人間のはずだよね?海の中で呼吸できんの?なんで?」
コポコポと音が耳元でする。少女の口から零れた吐息は泡となり上へ上へとのぼっていく。
目の前の光景に現実味がなくて、そして何よりも美しくて、少女は言葉を失う。それだけ男の容姿は特別だった。
頭の天辺から碧で、少し長めの襟足にいくにつれて黒いグラデーションがかった髪。目元に散らばる髪とおなじ色の鱗。腕には手首から肘にかけてヒレがあり、爪は鋭く尖っている。
耳があるであろう場所にも透き通るような綺麗なヒレがあった。上半身の脇腹には、おそらくエラであろうものがパクリパクリと呼吸する度に開閉する。
何より目を引くのが、何もまとっていない下半身に尾びれが着いていたことだろう。
髪とおなじ色の鱗で包まれた尾びれが、水中に差し込む光を反射する様は、ひとつの絵画のようで美しい。
「……人魚?」
うっとりと見惚れながら呟いた少女に、話しかけた男は呆れる。
「俺の質問は?答えてくれねぇの?」
「質問……」
「そう。まあ、その様子だと海の中でも呼吸できるみたいだし、話もできるみたいだね。むしろなんで?」
男は好奇心旺盛に質問を重ねる。タジタジになりながらも少女は、その質問に答えようとした。そこでふと気づく。この人魚に話しかけられるまで、少女がこの場所にいた事にすら分かっていなかったことに。そもそも少女自身が自らの力でここまで来ていないのだ。分かるはずもない。
「分からない……ここ、どこ?僕はなんでここに……」
だから、素直に答えた。そこに嘘偽りなどない。呼吸ができるまま、海の中で微睡むなど少女が自力でできるはずもないのだ。仮にできたとて、その力は少女にコントロールは無理だろう。自覚すらしていなかったのだから当然。
「ふぅん?分からないねぇ……じゃあ、その体と関係あるのかもねぇ。そう考えればある程度は納得できるし」
男が少女の胸元を指さす。少女は男の指差す己の体を初めてその時ちゃんと見た。
少女は息を飲む。少女の体の向こう側が見えるほどに透けていたのだ。まるで自分が死んで幽霊にでもなってしまったかのよう。生きた心地がしない。
青ざめる少女を安心させるかのように男は言葉を続ける。
「多分、魂がふらっと散歩にでも出てたんだねぇ」
「僕、死んでるの?」
安心させるために言った言葉は逆に少女を不安にさせてしまったらしい。これは困った。男にとっては安心させるための言葉でも少女には違ったのだから。
「とりあえず落ち着いて?死んではいないと思うよ。ほら、お前の胸のとこ。糸が出てるでしょ」
男の言葉に促され、少女は改めて自分の胸を見る。すると、男の言う通りに少女の胸からは糸が出ていた。その糸はどこかへと繋がっているのか、先が見えない。
その糸を見た瞬間、少女は理解した。その糸の先に己の体があり、糸が切れたら本当に己は死ぬのだと、男の言葉はこういうことだと。
「理解した?」
「うん」
「なら良かった。じゃあ、戻れそうになるまでオレといる?暇なんだよねぇ」
そう言って男は少女にさらに近づいてきた。その時、男の鼻に甘い香りが届いた。華のような香りが少女からする。
思わず男は少女を抱きしめ、首筋に顔を近づけた。もっとよく知ろうと少女の香りを肺いっぱいに吸い込む。
男の本能が叫ぶ。少女が自分のフィオレになりえる存在だと、自分だけの宝物なのだと。大事に、大事に囲い込まなければ。
自分をいきなり抱きしめる男に普通なら恐怖を感じるはずなのに、少女は不思議と恐怖は感じなかった。むしろ安心感さえある。男の尾びれの中がどこよりも安全なのだと確信していた。
「ああ……魂だけの状態だから、これだけ近づくまで気づけなかったのか……ここに居たの。オレの、オレだけのフィオレ」
恍惚とした表情を浮かべ、本能のまま男がさらに深く少女を抱きこもうとした時、少女は男の滑らかな尾びれの鱗に指を這わせた。
「んふふ。くすぐってぇよ。なぁに?オレの鱗気に入ったの?」
「うん。冷たくて気持ちいいの」
「あっはは!素直じゃん。そうしてていいから、大人しくしててね?痛いことはしないから」
「キレイ……」
少女の口から零れた言葉に男は目を丸くする。まるでそんな事言われた事ないというように。
まじまじと自分の鱗を眺め、たどたどしい手つきで撫でる少女に男はくすぐったいような感覚になる。まるで大事にされていると錯覚しそうになるほどにその手は優しい。
キュウイ、キュルルル。男の喉から高い音が鳴る。音に惹かれて少女は男の顔を覗き込む。少女と視線が合うと男はトロリとした笑みを向けた。
少女も笑い返せば、嬉しそうにその笑みをさらに甘くする。スリ、スリ、と少女の頬に己の頬を優しく擦り付けながら、男は機嫌良さそうに喉をクルルと鳴らした。
「んふふ。気に入った、お前名前は?オレはペルラ」
「僕?僕の名前はルイ」
「ルイ?ルイね、覚えた」
少女が男の問いに答え己の名前を告げる。それの満足そうに喉を鳴らしていた男が何かを決意したように少女に真剣な顔を向けた。
男は少女に問う。「オレのフィオレとして真珠を受け取ってくれる?」と。少女は男の唐突な問いかけに驚く。けれど少女には男の問いかけに答えられなかった。何故なら男の言うフィオレが何なのか少女は分からなかったからだ。
「ペルラ……フィオレってなに?」
「あー……そっかァ。そこからかァ……」
少女からの疑問に男は頭を悩ませる。少女が理解できるような説明をどうやってしようかと。
「こればっかりは感覚というか、本能っていうか……オレら人外にとっての宝物っていうか、己の半身っていうか……」
「半身?」
「ウン。半身、そういう表現の方がしっくりくるな。そう、魂の半身。失ったら狂ってしまう。人外はそういう子達を華って書いてフィオレって呼んでる。海に住む人外は読み方変えて真珠って書いてフィオレって呼んでっかなー」
「どうやって見つけるの?失ったら狂ってしまうんでしょう?」
「香りだよ。華の香りがすんの。それで見つける」
「だからさっき僕の匂い嗅いでたんだ」
男が少女を抱きしめ香りを嗅いでいた理由が分かり納得した。それが本当なら少女は男の魂の半身である華であり、真珠なのだろう。
「それで……俺の真珠、受け取ってくれる?」
少女は考えようとしてすぐに辞めた。男に抱きしめられた時も初めて視界にうつった時も、感じたのは恐怖でなく、安心感とこの尾びれの中なら絶対安全という確信だけ。
ならば思い切ってその感覚を信じてみるものアリだと思ったのだ。もしかしたらこれが少女の本能が半身に、あったがためにそう感じさせている可能性だってあるのだから。
「いいよ。真珠、ちょうだい。それでね、現実の僕も見つけてくれる?」
「本当!?やっばァ!めっちゃくちゃ嬉しい!もちろん、必ず見つけてみせるから」
男の言葉に安心すると、少女の体がどんどん薄くなっていく。目覚めるのだと本能で理解した少女は消える前に男へ抱きつく。
男もまた少女の体が消えかかっている事に気づくと、少女の額に己の額を重ねる。すると、男の美しい琥珀色の瞳からポロリと真珠でできた華が1粒こぼれ落ちた。
男はこぼれ落ちた真珠をつまみ、少女の口元によせる。
「飲んで。そしたらこの真珠をたどってルイの事、見つけ出してみせるから」
少女は男に必ず会えると確信していた。だから、なんの躊躇いもなく、男の流した人魚の涙を飲み込んだ。飲んだ瞬間、首元にチリとした感覚を残し、ルイの意識は落ちる。
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