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第二十五話 城へ
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「魔法が発達しているのに、乗り物は馬車なんですね?」
ミハイルさんと向かい合って馬車に座りながら、私は素朴な疑問を口にした。
「……ん? どういうことだ」
「いえ、なんだか普通なんだなって思って。他のことは大体魔法で一瞬で片付くのに、移動が馬車というのは不便でないのでしょうか。こう、空を飛んだり、瞬間移動したり……」
「俺たちが魔法を使えないのに城の使いだけ瞬間移動してどうするんだ」
「あ……そうでした。じゃあ馬車は私たちを運ぶために?」
「別に、お前がアホだから思わず突っ込んだだけだ。俺は魔法のことはよく知らん」
なんか今ものすごく失礼なことを言われた気がするんだけど。まあ、今更だけど。
「しかし、飛んだり消えたりっていうのは魔法というより幽霊っぽい気がするな。それに見ろ、こんなガタガタな地面を走っているのに全く揺れもしない。道の割りに速度も尋常ではない。その辺りは魔法だと思うぞ」
悔しいので何か一言言い返そうかと考えていたのだが、そう言われて窓から外を覗き込む。馬車になんか乗ったことがないので気が付かなかったが、確かに結構な速度が出ているのに車よりも揺れがない。
「それにしても、さっきの御者の顔ったらなかったな。俺やお前を幽霊でも見たような顔で見やがって」
幽霊屋敷から出てくるんだから幽霊を見たようになっても無理もないと思うけど。でもミハイルさんの言い様もわからなくない。本当に凄い顔をしていた。驚愕と畏怖が入り混じった、……向けられていい気はしない表情だ。
「災難だな、お前も。俺といるだけで、城の連中全員からあんな目で見られるのだから」
「……災難は、ミハイルさんの方じゃないんですか」
ミハイルさんの言葉は私を揶揄するようでいて、よく聞けば自虐的なものだ。
「ミハイルさんが城に行くのは、私のせいですか?」
「なんだそれは。リエーフに何か吹き込まれたのか」
確かにそれもある。でも薄々思っていたことではある。
静寂に包まれて、気が付いた。屋敷にいたときは聞こえた車輪のガタガタという音が、乗っている今は全く聞こえない。これも魔法なのだろうか。
「いえ……違うならいいんです」
ミハイルさんは窓枠に肘をつき、外を見たまま不機嫌そうな顔をしている。静かさが逆に気持ち悪い。馬車に乗っている気がしなくなってきた。
それから結局一言も言葉を交わすことのないまま、城へと着いてしまった。馬車を降りて、だが気まずい気分が吹っ飛んでしまうほど荘厳な城に、思わずあんぐりと口を開けて見上げてしまう。
「おい、アホ面をするな。お前外から来たくせに城を見たことないのか?」
呆れたようなミハイルさんの声に、慌てて口を閉じて咳払いをする。町についたときにはもう日が暮れていたし、それからすぐにお屋敷に行ったから、ゆっくり外を眺めるような余裕なんてなかった。
「これはこれは、プリヴィデーニ伯爵ではないですか」
何か言い返そうとしたとき、厭味ったらしい声が闖入してきて、私もミハイルさんもそちらを向く。私たちが乗ってきた馬車より一回りも二回りも大きくて華美なそれから、中年のおじさんが降りてきたところだった。無駄に装飾の激しい服を着ているが、正直趣味が悪い。着ている人のせいもあるか、というくらいの悪人面でもある。
「……お久しぶりです、マスロフ侯爵」
「久しぶりでも一目でわかる不吉さですな。そちらの地味な……失礼、素朴な女性は新しい婚約者ですかな? お披露目というわけですか」
なんだこの失礼極まりないオジサンは……、と思いつつ、目上の人っぽいから顔には出さないように努める。
言い直しても地味ってはっきり聞こえてる。そりゃ確かに美人ではないけどって、いや、問題はそこじゃない。ミハイルさんの非難めいた視線を感じて、さーっと血の気が引いていく。
指輪を外すの忘れてた――!
「閣下、彼女はただの従者――」
「なるほど、従者ですか、それはそれは。そう言っておけば、逃げられたときに恥を掻かずに済むというわけですな」
……こういう人は相手にしないのが一番だ。ミハイルさんだってきっとそう思ってる。ただ私のために誤解を訂正しようとしてくれただけ。それも無理だとわかった今、ミハイルさんはただ黙って頭を垂れ、相手の気が済むのを待っている。
かしこいやり過ごし方だ。そんなの、私だってわかっているけど――
「私、逃げたりしませんけれど。何の不満もありませんし」
にっこりと敵意のない笑みを浮かべて、私は口を挟んだ。こういう相手に向ける笑顔には自信がある。必殺営業スマイルだ。
虚をつかれたように相手は一瞬黙ったけれど、すぐにまたニタァと嫌な笑いを張り付けた。
「可哀想に。伯爵の本当の姿を知らないと見える。幽霊を従える幽霊伯爵だぞ」
「幽霊を従えるなんて凄いじゃないですか。誰にでもできることじゃありません。益々魅力的です」
「ぐぬぬ……! わかった、資産が目当てだな? 貧相な女だ、さぞかし貧しいのであろう。我が屋敷はもっと広いぞ、うちで召し抱えてやっても良い」
大層な自信である。貧相なのは否定できないからどう言い返すかちょっと悩んだというのに、なんと都合の良い一言を付け加えてくれるのだろうか。おかげで止めの一言が言える。
「せっかくのお申し出ありがたいですけれど、お断り致します」
にっこりと即答する。そんな返事が返ってくるなんて夢にも思っていなかったのだろう。さっき私が城を見上げてしていたのと同じように、あんぐりと口を開け、ポカンとしている。
彼が呆然としている間にミハイルさんが腕をつかんでいた私の手を引き、引っ張っていく。
「ごめんなさい! 本当にごめんなさい!」
城門までの長い橋をミハイルさんに引っ張られて歩きながら、私は行き交う人に聞こえないよう、ひたすら小声で謝り倒した。
「本当にお前というやつは……!」
「余りにも腹が立って……、すみません、私、失礼なことをしてしまいましたよね」
「いや、どう考えても無礼なのは先方だ。お前はいい立ち回りをした。だが俺が言っているのはだな」
「わかってます。すみません。……私みたいなのが婚約者だと思われたら、かえってミハイルさんの顔に泥を塗りますよね」
益々小さくなる私を後目に、ミハイルさんがハァ、と呆れきったように溜息をつく。
「俺よりも自分の心配をしろ。幽霊伯爵の従者より幽霊伯爵夫人の方が奇異な目で見られるぞ」
「ミハイルさんも、自分より私の心配をしてくれるんですね」
なんだか嬉しくてそう言うと、突然ミハイルさんは立ち止まって私を見下ろした。つくづく馬鹿を見下ろすような顔をして、口を開く。
「いいか。一度しか言わんぞ」
きっと小馬鹿にするようなことを言うのだろう。けど降ってきた言葉は、そんな私の予想と全く違って。
「礼を言う」
私が何か言う前に、ミハイルさんが再び歩き出す。私は熱くなる顔を風に晒すように、早足で歩いていく彼を小走りに追った。私を振り返り、ミハイルさんがニッと少年のように笑う。
「傑作な顔だったな」
「はい!」
――奇異の目なんか怖くない。多分、圧迫面接よりはマシだろう。
ミハイルさんと向かい合って馬車に座りながら、私は素朴な疑問を口にした。
「……ん? どういうことだ」
「いえ、なんだか普通なんだなって思って。他のことは大体魔法で一瞬で片付くのに、移動が馬車というのは不便でないのでしょうか。こう、空を飛んだり、瞬間移動したり……」
「俺たちが魔法を使えないのに城の使いだけ瞬間移動してどうするんだ」
「あ……そうでした。じゃあ馬車は私たちを運ぶために?」
「別に、お前がアホだから思わず突っ込んだだけだ。俺は魔法のことはよく知らん」
なんか今ものすごく失礼なことを言われた気がするんだけど。まあ、今更だけど。
「しかし、飛んだり消えたりっていうのは魔法というより幽霊っぽい気がするな。それに見ろ、こんなガタガタな地面を走っているのに全く揺れもしない。道の割りに速度も尋常ではない。その辺りは魔法だと思うぞ」
悔しいので何か一言言い返そうかと考えていたのだが、そう言われて窓から外を覗き込む。馬車になんか乗ったことがないので気が付かなかったが、確かに結構な速度が出ているのに車よりも揺れがない。
「それにしても、さっきの御者の顔ったらなかったな。俺やお前を幽霊でも見たような顔で見やがって」
幽霊屋敷から出てくるんだから幽霊を見たようになっても無理もないと思うけど。でもミハイルさんの言い様もわからなくない。本当に凄い顔をしていた。驚愕と畏怖が入り混じった、……向けられていい気はしない表情だ。
「災難だな、お前も。俺といるだけで、城の連中全員からあんな目で見られるのだから」
「……災難は、ミハイルさんの方じゃないんですか」
ミハイルさんの言葉は私を揶揄するようでいて、よく聞けば自虐的なものだ。
「ミハイルさんが城に行くのは、私のせいですか?」
「なんだそれは。リエーフに何か吹き込まれたのか」
確かにそれもある。でも薄々思っていたことではある。
静寂に包まれて、気が付いた。屋敷にいたときは聞こえた車輪のガタガタという音が、乗っている今は全く聞こえない。これも魔法なのだろうか。
「いえ……違うならいいんです」
ミハイルさんは窓枠に肘をつき、外を見たまま不機嫌そうな顔をしている。静かさが逆に気持ち悪い。馬車に乗っている気がしなくなってきた。
それから結局一言も言葉を交わすことのないまま、城へと着いてしまった。馬車を降りて、だが気まずい気分が吹っ飛んでしまうほど荘厳な城に、思わずあんぐりと口を開けて見上げてしまう。
「おい、アホ面をするな。お前外から来たくせに城を見たことないのか?」
呆れたようなミハイルさんの声に、慌てて口を閉じて咳払いをする。町についたときにはもう日が暮れていたし、それからすぐにお屋敷に行ったから、ゆっくり外を眺めるような余裕なんてなかった。
「これはこれは、プリヴィデーニ伯爵ではないですか」
何か言い返そうとしたとき、厭味ったらしい声が闖入してきて、私もミハイルさんもそちらを向く。私たちが乗ってきた馬車より一回りも二回りも大きくて華美なそれから、中年のおじさんが降りてきたところだった。無駄に装飾の激しい服を着ているが、正直趣味が悪い。着ている人のせいもあるか、というくらいの悪人面でもある。
「……お久しぶりです、マスロフ侯爵」
「久しぶりでも一目でわかる不吉さですな。そちらの地味な……失礼、素朴な女性は新しい婚約者ですかな? お披露目というわけですか」
なんだこの失礼極まりないオジサンは……、と思いつつ、目上の人っぽいから顔には出さないように努める。
言い直しても地味ってはっきり聞こえてる。そりゃ確かに美人ではないけどって、いや、問題はそこじゃない。ミハイルさんの非難めいた視線を感じて、さーっと血の気が引いていく。
指輪を外すの忘れてた――!
「閣下、彼女はただの従者――」
「なるほど、従者ですか、それはそれは。そう言っておけば、逃げられたときに恥を掻かずに済むというわけですな」
……こういう人は相手にしないのが一番だ。ミハイルさんだってきっとそう思ってる。ただ私のために誤解を訂正しようとしてくれただけ。それも無理だとわかった今、ミハイルさんはただ黙って頭を垂れ、相手の気が済むのを待っている。
かしこいやり過ごし方だ。そんなの、私だってわかっているけど――
「私、逃げたりしませんけれど。何の不満もありませんし」
にっこりと敵意のない笑みを浮かべて、私は口を挟んだ。こういう相手に向ける笑顔には自信がある。必殺営業スマイルだ。
虚をつかれたように相手は一瞬黙ったけれど、すぐにまたニタァと嫌な笑いを張り付けた。
「可哀想に。伯爵の本当の姿を知らないと見える。幽霊を従える幽霊伯爵だぞ」
「幽霊を従えるなんて凄いじゃないですか。誰にでもできることじゃありません。益々魅力的です」
「ぐぬぬ……! わかった、資産が目当てだな? 貧相な女だ、さぞかし貧しいのであろう。我が屋敷はもっと広いぞ、うちで召し抱えてやっても良い」
大層な自信である。貧相なのは否定できないからどう言い返すかちょっと悩んだというのに、なんと都合の良い一言を付け加えてくれるのだろうか。おかげで止めの一言が言える。
「せっかくのお申し出ありがたいですけれど、お断り致します」
にっこりと即答する。そんな返事が返ってくるなんて夢にも思っていなかったのだろう。さっき私が城を見上げてしていたのと同じように、あんぐりと口を開け、ポカンとしている。
彼が呆然としている間にミハイルさんが腕をつかんでいた私の手を引き、引っ張っていく。
「ごめんなさい! 本当にごめんなさい!」
城門までの長い橋をミハイルさんに引っ張られて歩きながら、私は行き交う人に聞こえないよう、ひたすら小声で謝り倒した。
「本当にお前というやつは……!」
「余りにも腹が立って……、すみません、私、失礼なことをしてしまいましたよね」
「いや、どう考えても無礼なのは先方だ。お前はいい立ち回りをした。だが俺が言っているのはだな」
「わかってます。すみません。……私みたいなのが婚約者だと思われたら、かえってミハイルさんの顔に泥を塗りますよね」
益々小さくなる私を後目に、ミハイルさんがハァ、と呆れきったように溜息をつく。
「俺よりも自分の心配をしろ。幽霊伯爵の従者より幽霊伯爵夫人の方が奇異な目で見られるぞ」
「ミハイルさんも、自分より私の心配をしてくれるんですね」
なんだか嬉しくてそう言うと、突然ミハイルさんは立ち止まって私を見下ろした。つくづく馬鹿を見下ろすような顔をして、口を開く。
「いいか。一度しか言わんぞ」
きっと小馬鹿にするようなことを言うのだろう。けど降ってきた言葉は、そんな私の予想と全く違って。
「礼を言う」
私が何か言う前に、ミハイルさんが再び歩き出す。私は熱くなる顔を風に晒すように、早足で歩いていく彼を小走りに追った。私を振り返り、ミハイルさんがニッと少年のように笑う。
「傑作な顔だったな」
「はい!」
――奇異の目なんか怖くない。多分、圧迫面接よりはマシだろう。
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