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第九話 仲たがい
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「ええと……ライサ、小さい女の子。物を操って動かすことができる。いたずらっ子。エドアルトさん、騎士の青年。中庭が大好き。風を起こすことができる……」
夜、私はリエーフさんに紙とペンをもらい、出会った幽霊についての覚書をまとめていた。
今日はミハイルさん、リエーフさんとずっと一緒にいたからか、ライサの妨害にはあわなくて、台所の掃除がとってもはかどった。それに、二人ともフルーツ洗剤にいたく感動したようで、しまいには二人まで掃除に加わっていたし。
それで、私も思ったのだ。多分、私一人だけが頑張ってもこの屋敷を綺麗にすることはできない。
幽霊たちのことをもっと知って、根回しして、お掃除に協力してもらわなきゃ。
エドアルトさんはわかってくれるってミハイルさんは言っていた。
ライサとも仲良くなれれば……、そのためには彼女がどんな子なのか、もっと知らなきゃ……
「明日は……どこを掃除しようか……」
カタリと扉が鳴った気がしたけれど、睡魔に負けて瞼が落ちる。
「おやおや、これは……幽霊たちの覚え書きですか。ミオさん、彼らについて知ろうとしてくれてるんですね」
リエーフさんの声が遠くで聞こえる。でもそれが夢か現実かすらわからないほど、私の頭はもう眠りの渦に落ちている。
「先代方。ミオさんがいれば、この家もかつてのように、また栄えるかもしれませんね」
ファサ、と肩に毛布が掛かった……気がした。
※
「……あああああああああ」
もう、いい加減にしろおおおお!!!!!
と叫びたいのを、私はひたすら「あ」を連呼することによって堪えていた。
昨日比較的掃除がはかどったから、その反動もあるのかもしれない。
本日、ライサに捕まってしまった私は掃除した箇所からポルターガイスト能力でめちゃくちゃにされて、いい加減苛々していた。
洗剤作りは、エドアルトさんの許可が下りるまでは取りかかれない。
そういえば、エドアルトさんの一件があって、薬品に詳しい幽霊に会わせてもらえる話もうやむやになってしまった。
もう一度頼んでみてもいいけど、洗剤を作るのに他の薬品で代用できたからもういいですって言ったら、エドアルトさんとの間に溝ができないだろうか?
いや、考えすぎだろうか。
その答えを出すには、あまりにエドアルトさんという人を知らなすぎる。
さらに言えば、薬品に詳しい幽霊がどんな人かも知らなすぎる。協力してくれる保証もない。
「あら、ついに観念した?」
掃除の手を止めて考え込んでいた私を見て、ライサがふと声をあげた。私は横目でそんな彼女を見ながら、否定する。
「違います。ちょっと考え事をしていただけで」
「じゃあ早く掃除を再開しなさいよ。あたしが邪魔してあげるから」
ほらほら、とライサが挑発してくる。なかなかイラッとしてくるけど、それに乗ってあげる義理もなければ意味もない。
「ねえ、あなたは外の人間が嫌いだから私の邪魔をするって言っていたよね。どうして嫌いなの?」
気持ちを落ち着けるために率直に聞いてみる。
「はあ? 嫌いなのに理由なんてないでしょう」
「そうかな、私はあるけど。職場の上司とか、現場のこと何も知らないくせに売り上げだけで仕事を評価してくるの。まぁ私も会社の経営のことはわからないからお互い様なのかもしれないけど、それでもイラッとしちゃうのよね。今日こんなにお仕事頑張ったのにって。だから嫌い、って思っちゃったりするけど」
「何言ってるのか全然わかんないんだけど?」
あ、なんだかライサがイラッとしている。しまったな、怒らせるつもりじゃなかったんだけど。
社会人ならあるあるネタなんだけどな、でもここ日本じゃないし、ライサはまだ子ども……
いや、子どもじゃないのか? どうなんだろう?
言動を見る限り子どもにしか思えないんだけど。
幽霊になって何年経っても、精神年齢は変わらないものなのかもしれない。
「ごめんなさい、私の愚痴になっちゃったね。えっと……そのぬいぐるみ、可愛いね」
「……今、あたしのこと滅茶苦茶子ども扱いしたでしょ?」
突然話題を変えた私を、ライサが半眼で睨んでくる。
「馬鹿にしないでよね! 言ったでしょう、あたしはミハイルが生まれるずっと前から……!」
「ずっと前って、どれくらい?」
「ずっと前はずっと前よ! とにかくずっと前!!」
こういうところ、とても大人とは思えない。
幽霊たちは、亡くなったときのまま、時が止まる……と考えていいのかな。
けれど、ミハイルさんが生まれるずっと前から、か。
指輪をつけてから、たまにスッと回廊を横切っていく人影は見たりするけど、私に接触してくるわけじゃない。避けられている、というか、遠巻きに見られてる、というか。
干渉してくるのは今のところライサだけだ。
うーん、やっぱりどうにかライサと仲良くなれないかな。
「……そのぬいぐるみ、目や腕が取れかけてるよね。良かったら私に直させてくれないかな」
何か、何でもいいから、仲良くなるきっかけが欲しい。その一心で手を伸ばした、それがいけなかった。
「触るな! これは、ライサの大事な……!」
悲鳴のような声をあげて、ライサが叫ぶ。
「あ……ご、ごめ」
咄嗟出た謝罪の言葉は、ライサに睨みつけられて途中で止まる。
「あたしを懐柔しようとでも思ってるの? あたしさえなんとかすればいいと思っているなら間違いよ。この屋敷であんたを歓迎しているひとなんていない。外の人間はみんな大っ嫌い!!」
幼い声に不釣り合いな、怨嗟の籠った声を上げて、ライサの姿がスゥッと壁に消える。
睨みつけられていたプレッシャーが消えて、思わず忘れていた呼吸を再開する。
そりゃ、確かに下心はあった。今思えばあからさますぎたと思う。
でも、こっちだって、いっつもいっつも掃除を台無しにされてるのだ。それでも怒ったことなんてないのに。
「あんなに睨みつけなくたって、いいでしょうに」
思わず愚痴を零してしまって、私は慌てて頭を振った。
子ども相手にあまりに大人げない。
それに、私は単なる使用人なのだ。そしてライサは仕事先の関係者。
剥き出しの敵意と憎悪は、子どもといえど応えるものはあるけれど、それでも割り切らなくては。
きっとあのぬいぐるみは、本当に彼女にとって大切なものだったのだ。
だったら落ち度があったのは私のほう。
それに前向きに考えるなら、ライサがこの場からいなくなったのだから、今こそ掃除を進めるチャンスだ。
大丈夫。ライサには、リエーフさんを通じて謝ればいい。
そう考えてほうきを握り直したとき、気が付いた。
また、遠巻きに見られているあの感覚。視界の端に引っかかる人影、でもそちらを見ても誰もいない。
耳元を掠めていく、よく聞き取れない会話。
――この屋敷で、あんたを歓迎してるひとなんていない。
ライサの声が耳に残っている。
そんなこと言われたって、行く当てがないんだから仕方ない。
私だって、好きでこんな幽霊屋敷にいるわけじゃない。
幽霊が怖くないわけじゃない。邪魔されたって平気なわけじゃない。
あ、だめだ、折れる。
それでも人の気配を感じて、私はどうにか気を持ち直した。この屋敷で人の気配を感じるなら、考えられるのは一人だけだ。
「ライサがギャンギャンうるさくて、おちおち本も読んでいられん」
姿を現したミハイルさんが、そんな文句を口にする。
この状況でさらに文句を言われるのはなかなかつらいが、ミハイルさんがいるからか、あの声や視線はきれいに消えていた。
夜、私はリエーフさんに紙とペンをもらい、出会った幽霊についての覚書をまとめていた。
今日はミハイルさん、リエーフさんとずっと一緒にいたからか、ライサの妨害にはあわなくて、台所の掃除がとってもはかどった。それに、二人ともフルーツ洗剤にいたく感動したようで、しまいには二人まで掃除に加わっていたし。
それで、私も思ったのだ。多分、私一人だけが頑張ってもこの屋敷を綺麗にすることはできない。
幽霊たちのことをもっと知って、根回しして、お掃除に協力してもらわなきゃ。
エドアルトさんはわかってくれるってミハイルさんは言っていた。
ライサとも仲良くなれれば……、そのためには彼女がどんな子なのか、もっと知らなきゃ……
「明日は……どこを掃除しようか……」
カタリと扉が鳴った気がしたけれど、睡魔に負けて瞼が落ちる。
「おやおや、これは……幽霊たちの覚え書きですか。ミオさん、彼らについて知ろうとしてくれてるんですね」
リエーフさんの声が遠くで聞こえる。でもそれが夢か現実かすらわからないほど、私の頭はもう眠りの渦に落ちている。
「先代方。ミオさんがいれば、この家もかつてのように、また栄えるかもしれませんね」
ファサ、と肩に毛布が掛かった……気がした。
※
「……あああああああああ」
もう、いい加減にしろおおおお!!!!!
と叫びたいのを、私はひたすら「あ」を連呼することによって堪えていた。
昨日比較的掃除がはかどったから、その反動もあるのかもしれない。
本日、ライサに捕まってしまった私は掃除した箇所からポルターガイスト能力でめちゃくちゃにされて、いい加減苛々していた。
洗剤作りは、エドアルトさんの許可が下りるまでは取りかかれない。
そういえば、エドアルトさんの一件があって、薬品に詳しい幽霊に会わせてもらえる話もうやむやになってしまった。
もう一度頼んでみてもいいけど、洗剤を作るのに他の薬品で代用できたからもういいですって言ったら、エドアルトさんとの間に溝ができないだろうか?
いや、考えすぎだろうか。
その答えを出すには、あまりにエドアルトさんという人を知らなすぎる。
さらに言えば、薬品に詳しい幽霊がどんな人かも知らなすぎる。協力してくれる保証もない。
「あら、ついに観念した?」
掃除の手を止めて考え込んでいた私を見て、ライサがふと声をあげた。私は横目でそんな彼女を見ながら、否定する。
「違います。ちょっと考え事をしていただけで」
「じゃあ早く掃除を再開しなさいよ。あたしが邪魔してあげるから」
ほらほら、とライサが挑発してくる。なかなかイラッとしてくるけど、それに乗ってあげる義理もなければ意味もない。
「ねえ、あなたは外の人間が嫌いだから私の邪魔をするって言っていたよね。どうして嫌いなの?」
気持ちを落ち着けるために率直に聞いてみる。
「はあ? 嫌いなのに理由なんてないでしょう」
「そうかな、私はあるけど。職場の上司とか、現場のこと何も知らないくせに売り上げだけで仕事を評価してくるの。まぁ私も会社の経営のことはわからないからお互い様なのかもしれないけど、それでもイラッとしちゃうのよね。今日こんなにお仕事頑張ったのにって。だから嫌い、って思っちゃったりするけど」
「何言ってるのか全然わかんないんだけど?」
あ、なんだかライサがイラッとしている。しまったな、怒らせるつもりじゃなかったんだけど。
社会人ならあるあるネタなんだけどな、でもここ日本じゃないし、ライサはまだ子ども……
いや、子どもじゃないのか? どうなんだろう?
言動を見る限り子どもにしか思えないんだけど。
幽霊になって何年経っても、精神年齢は変わらないものなのかもしれない。
「ごめんなさい、私の愚痴になっちゃったね。えっと……そのぬいぐるみ、可愛いね」
「……今、あたしのこと滅茶苦茶子ども扱いしたでしょ?」
突然話題を変えた私を、ライサが半眼で睨んでくる。
「馬鹿にしないでよね! 言ったでしょう、あたしはミハイルが生まれるずっと前から……!」
「ずっと前って、どれくらい?」
「ずっと前はずっと前よ! とにかくずっと前!!」
こういうところ、とても大人とは思えない。
幽霊たちは、亡くなったときのまま、時が止まる……と考えていいのかな。
けれど、ミハイルさんが生まれるずっと前から、か。
指輪をつけてから、たまにスッと回廊を横切っていく人影は見たりするけど、私に接触してくるわけじゃない。避けられている、というか、遠巻きに見られてる、というか。
干渉してくるのは今のところライサだけだ。
うーん、やっぱりどうにかライサと仲良くなれないかな。
「……そのぬいぐるみ、目や腕が取れかけてるよね。良かったら私に直させてくれないかな」
何か、何でもいいから、仲良くなるきっかけが欲しい。その一心で手を伸ばした、それがいけなかった。
「触るな! これは、ライサの大事な……!」
悲鳴のような声をあげて、ライサが叫ぶ。
「あ……ご、ごめ」
咄嗟出た謝罪の言葉は、ライサに睨みつけられて途中で止まる。
「あたしを懐柔しようとでも思ってるの? あたしさえなんとかすればいいと思っているなら間違いよ。この屋敷であんたを歓迎しているひとなんていない。外の人間はみんな大っ嫌い!!」
幼い声に不釣り合いな、怨嗟の籠った声を上げて、ライサの姿がスゥッと壁に消える。
睨みつけられていたプレッシャーが消えて、思わず忘れていた呼吸を再開する。
そりゃ、確かに下心はあった。今思えばあからさますぎたと思う。
でも、こっちだって、いっつもいっつも掃除を台無しにされてるのだ。それでも怒ったことなんてないのに。
「あんなに睨みつけなくたって、いいでしょうに」
思わず愚痴を零してしまって、私は慌てて頭を振った。
子ども相手にあまりに大人げない。
それに、私は単なる使用人なのだ。そしてライサは仕事先の関係者。
剥き出しの敵意と憎悪は、子どもといえど応えるものはあるけれど、それでも割り切らなくては。
きっとあのぬいぐるみは、本当に彼女にとって大切なものだったのだ。
だったら落ち度があったのは私のほう。
それに前向きに考えるなら、ライサがこの場からいなくなったのだから、今こそ掃除を進めるチャンスだ。
大丈夫。ライサには、リエーフさんを通じて謝ればいい。
そう考えてほうきを握り直したとき、気が付いた。
また、遠巻きに見られているあの感覚。視界の端に引っかかる人影、でもそちらを見ても誰もいない。
耳元を掠めていく、よく聞き取れない会話。
――この屋敷で、あんたを歓迎してるひとなんていない。
ライサの声が耳に残っている。
そんなこと言われたって、行く当てがないんだから仕方ない。
私だって、好きでこんな幽霊屋敷にいるわけじゃない。
幽霊が怖くないわけじゃない。邪魔されたって平気なわけじゃない。
あ、だめだ、折れる。
それでも人の気配を感じて、私はどうにか気を持ち直した。この屋敷で人の気配を感じるなら、考えられるのは一人だけだ。
「ライサがギャンギャンうるさくて、おちおち本も読んでいられん」
姿を現したミハイルさんが、そんな文句を口にする。
この状況でさらに文句を言われるのはなかなかつらいが、ミハイルさんがいるからか、あの声や視線はきれいに消えていた。
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