国一番の淑女結婚事情〜政略結婚は波乱の始まり〜

玉響

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本編(アルフォンシーナ視点)

231.降伏

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「…………そんな…………莫迦な…………」

絶望に打ちひしがれたベッリーニ侯爵は、呆然と呟いた。
そこまで徹底的に証拠を集められていたという事実を知り、最早何を言っても無駄だということをようやく悟ったのだろう。

アルフォンシーナは、暗い気持ちを抱えながらも、そんな状況になるまで気が付かなかったベッリーニ侯爵の愚かさに呆れ、またそれだけ動いても気が付かれなかったベルナルドの手腕に感嘆せざるを得なかった。

「………全て、ベルナルドの説明のとおりだ。これでもまだ、反論する気があるか?」

静かに、だが突き放すように、フェルディナンドが問い掛けると、ベッリーニ侯爵は項垂れたまま、力なく首を横に振った。

「………そうか」

その様子を見たフェルディナンドは、ぽつりと呟くと、天を仰いだ。

「………不正により宰相になったこと、王璽の複製品の作成及び使用、ラパロ王国との不正取引に機密情報漏洩、そして我が妻の誘拐事件………。他にも細かく挙げていけばきりが無いが、それら全てについて、お前が仕組んだ事に、相違ないな?」

最後にベルナルドが、念押しをする。
するとベッリーニ侯爵は、自由の利かない身体を一瞬だけ強張らせ、それから悔しそうにベルナルドを睨んだ。

「………………」

返事こそしなかったが、否定しないということは、是、ということなのだろう。
ベルナルドはベッリーニ侯爵が抵抗する素振りがないことを確認し、控えていた兵士達に顎で合図をした。

「地下牢の最奥へ、閉じ込めておけ。そこの男と娘もだ。………ああ、一緒にしておくとやかましいだろうから、別々の牢に入れておけよ」
「はっ!」

ベルナルドの命令に従い、兵士達はテキパキと動き始める。

「やめろ!僕にさわるな!」
「いたぁい!何で私がこんな目に………っ!」

ブルーノとレベッカはまさか自分が捕らえられるとは思ってもみなかったのだろう。
ばたばたと手足を動かし、懸命に抵抗をするが、兵士達は難なく二人を捕らえ、運んでいく。

「アリー!アリー!!お願いだ、助けて………!」

アルフォンシーナが呆然としながら連行されていくブルーノを見つめていると、ふと、彼と目が合った。
先程アルフォンシーナが突き放したにも関わらず、アルフォンシーナに対するブルーノの態度は変わらないようだった。
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