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学園二年生編

5(少し重めの話ありです)

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私は頷いた。

「………あまりにも、ゲームの設定と掛け離れていて……。あ、でもそれは………私も、アルフレッド様も同じだったけど………」

オルティアもだけど、私だって悪役令嬢だなんて誰も思わない。
だって見た目もそうなんだけれど、今の立ち位置を考えると、ヒロインポジションになっちゃってるし。

「………ジュリアのその性格は、前世の時から?」

唐突に尋ねてきたオルティアに、私は再度頷く。

「………私、人と接することが苦手で………話しかけられただけでも緊張して、会話すらもまともに出来なくて。前世では人生で一度も友達なんて、いなくて………。おまけに体も弱くて、十六歳で死んだんだけど………そしたらジュリエットに転生してるし………。でも、性格は治らなくて………」

初めて、自分の事を人に話した。
誰にも打ち明けられなかった私自身の事。
………やっぱり、緊張して手が震えているけれど、でもきちんとオルティアに伝えられた。

「………俺も似たようなもんだよ。どうせ生まれ変わるなら、ちゃんと男に生まれればよかったのにさ。………もし神様ってやつがいるのなら、残酷なことをするよな」

オルティアはそう言って笑った。
でもその笑顔は、苦しそうで、辛そうで、見ていて切なくなった。

「………小さい時から、スカート履くことや、リボンを付けられるのが嫌でさ。俺は、虫取りしたり、ロボットとか恐竜を戦わせて遊びたいのに、おままごととか人形を買い与えられて、何か違うと思ってた。小学生になるときに、ランドセル選んだときにさ、母親に言ったんだ。『どうして女のコのを選ばなきゃいけないんだ』って。………そしたら母親は驚いた顔をしてさ。今でもあの時の顔、頭から離れないんだ。それがさ、転生先でも同じ事の繰り返し。……どうしてこんな思いを二度も味わわなきゃならないんだろうな?」

………オルティアは空を見上げた。
銀色の短く整えられた髪が、太陽の光に照らされてキラキラと光る。
オルティアは、私なんかよりもずっと苦しい思いをしてきたんだ………。
それでも堂々としていて、自分が自分であるために努力も怠らない。
私の物差しなんかで測っちゃ失礼だろうけど、オルティアは強くて、かっこいい人だと思った。
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