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番外編
新婚旅行(27)
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暫くの間、オズヴァルドの王子達との会話を楽しんだが、エドアルドがどこか不機嫌そうなのがクラリーチェは気になった。
「あの、エドアルド様?どこかお加減でも悪いのですか?それとも、疲れが出てきたのでしょうか………?」
「いや、私は至って健康だ。何なら今から遠泳でも出来るくらいにな」
エドアルドはクラリーチェに優しい笑みを浮かべるが、それはどこか引き攣っているように見えた。
「………強いて言うなら、面白くない」
「え?」
クラリーチェの耳に届くか届かないかというくらい微かな声が落とした言葉に、思わず目を丸くした。
「ルクレツィオやレアンドロの話に、楽しそうに耳を傾ける貴女を見るのも、貴女の愛らしい唇から紡ぐ言葉を掛けるのを見るのも、面白くない」
今度ははっきりと、だが拗ねた子供のように口を尖らせながら、エドアルドは呟いた。
「………エドアルド兄上、それは些か愛が重い気がします…………」
「あまり、束縛すると妃殿下に嫌われますよ?」
呆れ顔のルクレツィオとレアンドロが、肩を竦めてみせると、エドアルドは顔を顰めた。
「…………言われなくても、分かっている。だが、自分でもどうしようもないくらいに気持ちが抑えられないんだ」
エドアルドの声は、震えていた。
「王座を捨てても構わないとさえ思えるほどの最愛の女性を妻に出来たのだぞ?しかも、一度求婚を断られたというのに………これ以上の幸せがあると思うか?」
熱っぽさを孕んだ溜息を、エドアルドが零す。
しかし、ルクレツィオとレアンドロの興味を引いたところは、別にあった。
「「一度、求婚を断られた………?」」
呆気に取られた様子で、二人は視線をクラリーチェへと向ける。
「あ、それは…………」
ある程度の事情や、二人の馴れ初めなどは知っているらしかったが、再会してすぐの求婚とは言えないような求婚については、耳に入っていないらしかった。
今思えばあの頃は、どうすれば人に迷惑を掛けないのかを考えるのに必死だった。
憐れみから自分を妃に迎えようとしてくれていると勝手に思い込み、彼の気持ちなど知る由もなく、彼の申し出を断ったのを思い出すと、何だか恥ずかしくなってくる。
「………いや、今のは失言だ…………」
「あの、その件は色々と事情がありまして………」
困ったように視線を彷徨わせるエドアルドと、俯くクラリーチェに、ルクレツィオとレアンドロはまるで新しい玩具を手にした子供のように、目を輝かせるのだった。
「あの、エドアルド様?どこかお加減でも悪いのですか?それとも、疲れが出てきたのでしょうか………?」
「いや、私は至って健康だ。何なら今から遠泳でも出来るくらいにな」
エドアルドはクラリーチェに優しい笑みを浮かべるが、それはどこか引き攣っているように見えた。
「………強いて言うなら、面白くない」
「え?」
クラリーチェの耳に届くか届かないかというくらい微かな声が落とした言葉に、思わず目を丸くした。
「ルクレツィオやレアンドロの話に、楽しそうに耳を傾ける貴女を見るのも、貴女の愛らしい唇から紡ぐ言葉を掛けるのを見るのも、面白くない」
今度ははっきりと、だが拗ねた子供のように口を尖らせながら、エドアルドは呟いた。
「………エドアルド兄上、それは些か愛が重い気がします…………」
「あまり、束縛すると妃殿下に嫌われますよ?」
呆れ顔のルクレツィオとレアンドロが、肩を竦めてみせると、エドアルドは顔を顰めた。
「…………言われなくても、分かっている。だが、自分でもどうしようもないくらいに気持ちが抑えられないんだ」
エドアルドの声は、震えていた。
「王座を捨てても構わないとさえ思えるほどの最愛の女性を妻に出来たのだぞ?しかも、一度求婚を断られたというのに………これ以上の幸せがあると思うか?」
熱っぽさを孕んだ溜息を、エドアルドが零す。
しかし、ルクレツィオとレアンドロの興味を引いたところは、別にあった。
「「一度、求婚を断られた………?」」
呆気に取られた様子で、二人は視線をクラリーチェへと向ける。
「あ、それは…………」
ある程度の事情や、二人の馴れ初めなどは知っているらしかったが、再会してすぐの求婚とは言えないような求婚については、耳に入っていないらしかった。
今思えばあの頃は、どうすれば人に迷惑を掛けないのかを考えるのに必死だった。
憐れみから自分を妃に迎えようとしてくれていると勝手に思い込み、彼の気持ちなど知る由もなく、彼の申し出を断ったのを思い出すと、何だか恥ずかしくなってくる。
「………いや、今のは失言だ…………」
「あの、その件は色々と事情がありまして………」
困ったように視線を彷徨わせるエドアルドと、俯くクラリーチェに、ルクレツィオとレアンドロはまるで新しい玩具を手にした子供のように、目を輝かせるのだった。
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