冷遇側妃の幸せな結婚

玉響

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番外編

新婚旅行(15)※ややR18です

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柔らかな、クラリーチェの体が密着する。

酔っ払った妻を押し倒すような真似はしたくないと思いながらも、ふわりと立ち昇るクラリーチェの甘い香りに、男としての本能的な部分が強く刺激されて、腰回りに血流が集まっていくのを感じる。

「えど、あるどさまのうでのなか、きもちいい………」

うっとりとした表情でそう告げられると、エドアルドは深呼吸をしながら天を仰いだ。

そして、酔いの回ったクラリーチェがこのまま眠ってくれますようにと、神に祈る。
が。

「からだが、あついの。ふく、ぬがせてくださいませんか………?」

普段のクラリーチェの口からは、絶対に聞くことが出来ないような台詞に、鉄の意思を貫いてきたエドアルドの理性が、弾け飛んだ。

「リディア、後は私がやる。お前は下がれ」
「え、しかし………」
「私がいいと言っている。明日の朝まで、誰も近づけるなよ?」

長くエドアルドという人を見てきたリディアでさえもゾクリとするような壮絶な色気を放ったエドアルドの、水色の瞳に射竦められたリディアは躊躇いながらも部屋を出た。

パタン、と扉が閉まるのを確認すると、エドアルドはクラリーチェの体を寝台へと横たえ、恭しい仕草でクラリーチェの靴を脱がせ、それから器用な手付きでドレスを脱がせた。

「望みは叶えましたよ、我が妃?」

宝飾類も、全て取り払うとクラリーチェが手を伸ばしてきた。

「だきしめて、くちづけてはくれないのですか?」

全体的に呂律の回っていない所が何とも愛おしく、エドアルドは纏っていたシャツを脱ぎ捨てると、寝台へと上がり、クラリーチェの唇を貪り始める。
熱い吐息が絡み合い、互いの舌が、相手を求め合う。

「ふっ………んぅ………」

クラリーチェが堪らないといった風にエドアルドの首に腕を巻き付けて、押し付けた腰を、僅かにくねらせる。

「クラリーチェ………っ、貴女を傷つけたくない………」
「わたしは、へいきよ?エドアルドさまに、だいてほしいとおもっているもの」

クラリーチェはそう言ってエドアルドの唇を奪う。
先に起きていたクラリーチェと酒に関する一件から推測すれば、すぐに分かることだった。
クラリーチェは、酔うとかなり大胆になる質の悪さを持ち合わせているらしい。

「………くそっ!」

半裸のエドアルドは国王らしからぬ態度だったが、酷い悪態を付きながら、腹立たしげな表情を浮かべる彼に、クラリーチェは蜂蜜のような笑顔をエドアルドに向けたのだった。
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