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番外編
新婚旅行(2)
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「視察には近衛騎士のダンテとテオ、それから貴女の護衛としてリディアとアンナの二名を同行者として連れて行く。………行き先もオズヴァルドだし、基本的に危険はないとは思うがな。………ちなみに、貴女と私の馬車はこちらで、後ろからダンテ達の馬車がついてくるようにした」
そして迎えた出発の日の朝。
満面の笑みを浮かべたエドアルドはこざっぱりとした旅支度の服装に身を包んでいた。
エドアルドは王族用の重厚な服か軍服を身に着けている事が多いせいか、新鮮さが増して、クラリーチェの目にはより魅力的に見えた。
クラリーチェは生まれてこのかた、国外はおろか、王都からも出た事がなかったからだ。
結婚前に一度、ジャクウィント侯爵領を見に行こうとしたが、中々時間を取ることが出来ずに行けずじまいに終わったため、これが人生初の遠出となる。
そのせいもあり、クラリーチェはそわそわと落ち着かなかった。
「………いつもの馬車よりも、広いですか?」
エドアルドに支えられて馬車に乗り込むと、城下町へと出掛ける際に使用する馬車よりかなり頑丈で、室内も広く凝った造りであることに気がついた。
「ああ、長距離移動用だからな。出来る限り体に負担が掛からないように、城で普段使用している家具に出来るだけ近いものを再現しているんだ」
物珍しそうに室内を眺めるクラリーチェを、彼女の隣に腰を降ろしたエドアルドが、説明をしてくれる。
「そうなのですね………。でも、そんなに広い造りならば、エドアルド様は私の隣ではなくお向かいに座られれば良いと思うのですけれど…………?」
戸惑ったような笑みを浮かべながら、クラリーチェが小首を傾げるとエドアルドの頬が僅かに赤味を帯びた。
「いや。愛する貴女と、ずっと一緒にいられるというのに、顔だけ眺めているのも良いが………せっかく二人きりで過ごすことが出来る場所だというのに、どうして離れている必要がある?」
「え」
「片時も、離れたくないのだから、仕方あるまい」
そう告げたエドアルドが、クラリーチェの体を抱き締めると、途端にクラリーチェの顔が真っ赤に染まった。
「クラリーチェ様は今日も可愛らしいですわ」
「ふふ。あなたには敵いませんよ、リリアーナ」
今回は留守番となったラファエロとリリアーナがクラリーチェ達の馬車を眺めている。
「そろそろ、時間ですね。では兄上、義姉上、留守はしっかりと守りますので、思う存分楽しんできてくださいね」
ラファエロが爽やかな笑みを浮かべると、がたん、と馬車が揺れてゆっくりと動き出したのだった。
そして迎えた出発の日の朝。
満面の笑みを浮かべたエドアルドはこざっぱりとした旅支度の服装に身を包んでいた。
エドアルドは王族用の重厚な服か軍服を身に着けている事が多いせいか、新鮮さが増して、クラリーチェの目にはより魅力的に見えた。
クラリーチェは生まれてこのかた、国外はおろか、王都からも出た事がなかったからだ。
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そのせいもあり、クラリーチェはそわそわと落ち着かなかった。
「………いつもの馬車よりも、広いですか?」
エドアルドに支えられて馬車に乗り込むと、城下町へと出掛ける際に使用する馬車よりかなり頑丈で、室内も広く凝った造りであることに気がついた。
「ああ、長距離移動用だからな。出来る限り体に負担が掛からないように、城で普段使用している家具に出来るだけ近いものを再現しているんだ」
物珍しそうに室内を眺めるクラリーチェを、彼女の隣に腰を降ろしたエドアルドが、説明をしてくれる。
「そうなのですね………。でも、そんなに広い造りならば、エドアルド様は私の隣ではなくお向かいに座られれば良いと思うのですけれど…………?」
戸惑ったような笑みを浮かべながら、クラリーチェが小首を傾げるとエドアルドの頬が僅かに赤味を帯びた。
「いや。愛する貴女と、ずっと一緒にいられるというのに、顔だけ眺めているのも良いが………せっかく二人きりで過ごすことが出来る場所だというのに、どうして離れている必要がある?」
「え」
「片時も、離れたくないのだから、仕方あるまい」
そう告げたエドアルドが、クラリーチェの体を抱き締めると、途端にクラリーチェの顔が真っ赤に染まった。
「クラリーチェ様は今日も可愛らしいですわ」
「ふふ。あなたには敵いませんよ、リリアーナ」
今回は留守番となったラファエロとリリアーナがクラリーチェ達の馬車を眺めている。
「そろそろ、時間ですね。では兄上、義姉上、留守はしっかりと守りますので、思う存分楽しんできてくださいね」
ラファエロが爽やかな笑みを浮かべると、がたん、と馬車が揺れてゆっくりと動き出したのだった。
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