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本編
165.罪と罰(5)※残酷・暴力描写あり
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「あがっ………あうっ………!」
滂沱の涙で顔を汚しながら、ブラマーニ公爵が必死に何かを訴えようとしているのに気が付き、エドアルドがコルシーニ伯爵に、外した顎を元に戻すよう指示をする。
それは情けからではなく、ただ単に自白剤が効いてきた事を確認するためだった。
「………喋る……っ喋るから………、息子を解放してくれっ………!」
大きく肩で息をしながら、ブラマーニ公爵は声を絞り出すように懇願した。
「………他人の命も人生も、ブラマーニ公爵家の為に尽くしてきたフェラーラ侯爵でさえも、そなたにとっては取るに足りないものらしいが、そのような狂人の息子であっても、慈しむ気持ちは持ち合わせているのだな。………そなたの目の前で、大切らしい息子の口をこのまま貫いて、耳と鼻を削ぎ落としてから塩漬けにしてやってもいいが………それくらいでは処罰は甘いだろう。………あぁ、そうだな。先にそこの往生際が悪い中年女共にも自白剤を使ってやれ」
「はい」
一瞬ぐっと、手にした剣をジュストの口に押し込むと、無様な悲鳴が漏れた。
リリアーナが食らわせた渾身の一撃で腫れ上がった腔内が傷付き、ジュストの口から鮮血が滴り落ちる。
それを嘲るように口元を歪めてから、剣を引き抜くと、今度はジュストの足の甲へと突き立てた。
凄まじい絶叫が、室内に響き渡るが、全く表情を動かすことなく、コルシーニ伯爵夫人がエドアルドの命令に従い動いた。
そして、およそ女性の力とは思えないほどの握力で、顎を掴みあげられた公爵夫人は悲鳴を上げる。その隙に手慣れた様子で自白剤を流し込む。
一方の気付け薬で無理矢理叩き起こされたディアマンテは、意識が朦朧としているようだった。
「………さて、ブラマーニ公爵に問おう。そなたらの行いについて、申し開きすることはあるか?」
エドアルドの問いに、ブラマーニ公爵がおどおどとしながら口を開く。
罵るわけでも、言い訳をする訳でもなく、その様子はまるで別人の様で、何かに操られているかのようにも見えた。
「………ジャクウィント侯爵家の呪いについては、彼らが………ブラマーニ公爵家の邪魔ばかりする故………排除しようと考えた。………そのために遠くイズヴェルカ王国から熟練の薬師を密かに呼び寄せ、公爵領内に匿い、様々な毒薬を作らせ、使用人や領地の平民で試していた。銀の夢や、堕胎薬や幻覚を見せる薬も作らせそれを使って、ジャクウィント家や、政敵になり得る、我々の邪魔をする者を排除した」
焦点の合わない虚ろな目で、ブラマーニ公爵が遂に自らの罪を告白した。
滂沱の涙で顔を汚しながら、ブラマーニ公爵が必死に何かを訴えようとしているのに気が付き、エドアルドがコルシーニ伯爵に、外した顎を元に戻すよう指示をする。
それは情けからではなく、ただ単に自白剤が効いてきた事を確認するためだった。
「………喋る……っ喋るから………、息子を解放してくれっ………!」
大きく肩で息をしながら、ブラマーニ公爵は声を絞り出すように懇願した。
「………他人の命も人生も、ブラマーニ公爵家の為に尽くしてきたフェラーラ侯爵でさえも、そなたにとっては取るに足りないものらしいが、そのような狂人の息子であっても、慈しむ気持ちは持ち合わせているのだな。………そなたの目の前で、大切らしい息子の口をこのまま貫いて、耳と鼻を削ぎ落としてから塩漬けにしてやってもいいが………それくらいでは処罰は甘いだろう。………あぁ、そうだな。先にそこの往生際が悪い中年女共にも自白剤を使ってやれ」
「はい」
一瞬ぐっと、手にした剣をジュストの口に押し込むと、無様な悲鳴が漏れた。
リリアーナが食らわせた渾身の一撃で腫れ上がった腔内が傷付き、ジュストの口から鮮血が滴り落ちる。
それを嘲るように口元を歪めてから、剣を引き抜くと、今度はジュストの足の甲へと突き立てた。
凄まじい絶叫が、室内に響き渡るが、全く表情を動かすことなく、コルシーニ伯爵夫人がエドアルドの命令に従い動いた。
そして、およそ女性の力とは思えないほどの握力で、顎を掴みあげられた公爵夫人は悲鳴を上げる。その隙に手慣れた様子で自白剤を流し込む。
一方の気付け薬で無理矢理叩き起こされたディアマンテは、意識が朦朧としているようだった。
「………さて、ブラマーニ公爵に問おう。そなたらの行いについて、申し開きすることはあるか?」
エドアルドの問いに、ブラマーニ公爵がおどおどとしながら口を開く。
罵るわけでも、言い訳をする訳でもなく、その様子はまるで別人の様で、何かに操られているかのようにも見えた。
「………ジャクウィント侯爵家の呪いについては、彼らが………ブラマーニ公爵家の邪魔ばかりする故………排除しようと考えた。………そのために遠くイズヴェルカ王国から熟練の薬師を密かに呼び寄せ、公爵領内に匿い、様々な毒薬を作らせ、使用人や領地の平民で試していた。銀の夢や、堕胎薬や幻覚を見せる薬も作らせそれを使って、ジャクウィント家や、政敵になり得る、我々の邪魔をする者を排除した」
焦点の合わない虚ろな目で、ブラマーニ公爵が遂に自らの罪を告白した。
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