冷遇側妃の幸せな結婚

玉響

文字の大きさ
上 下
81 / 268
本編

163.罪と罰(3)※残酷・暴力描写あり

しおりを挟む
 え?

 私はもしかしたら別の人が言葉を発したのかもしれないと思って周りを見回した。もちろんだけど、誰もいない。私と凛太さんだけ。

 すんすんと大きく良く鼻を嗅ぐような仕草をして凛太さんは恍惚の表情を浮かべて言った。
「この匂い……下着つけてない? もう夫婦だし、もちろん良いよな?」
 自問自答するように繰り返すと、驚いて声も出ない私を一気に横抱きにした。

 一気に階段を駆け上がり、凛太さんの部屋についてバンと大きな音を立てて扉を開く。

「良い匂い……良い匂い。ああ、俺のもの、俺のだ」
 そう言いながら私をベッドへと下ろすと、一気にスウェットをまくりあげて脱がした。下着をつけていない私は全裸だし、いきなり豹変してしまった凛太さんに驚き過ぎて声も出ない。
 むしゃぶりつくように胸にかぶりつくと、執拗に舐め回しはじめた。敏感になった乳首もじゅっと痛いくらいの強さで吸い上げる。

「ああっ……り、凛太……さん!?
 我に返って凛太さんの名前を呼ぶ。まさか、そっくりな別人、とかじゃないよね?
「俺の……俺の、透子さん……美味しい、美味しくてたまらない」
 ちゅぱちゃぱと音を立てて吸われて、私のもう片方の胸は乱暴に捏ねられて彼の好きに形を変える。

「あっ……や、やん、気持ちい……あっ。ああっ」
 そっと凛太さんの指が私の濡れ始めた割れ目に当たってくちゅりと音を立てる。上下に擦られていやらしい水音を奏で始めた。
「濡れてる……透子さんが濡れてる……ああ、俺の」
 胸からやっと口を外すと、私の足を大きく開いて一気にべろべろと舐めあげて来た。

「きゃ、ああ、あっ……やあ、やだ。凛太さん、どうしちゃったんですか」
 膣内を探るように長い舌が挿入されて、あまりの気持ち良さに離れようともがくけど、足を開いている彼の両手はそれを許してくれない。
「美味しいっ、美味しい……」
 ちゅうちゅうと音をさせて愛液を啜る。上へ逃れようとする私の動きを阻止するたびに強く柔らかい唇が押さえつけられる。気持ち良過ぎて頭が真っ白になっていく。敏感な芽もなぶるように刺激されて、くちゅくちゅ割れ目を行ったり来たりを繰り返す。

「あ、やあ、いくっ……いっちゃう」
 私は一度絶頂を味わうけど、それでも執拗に舐め続けて、凛太さんは離れる様子はない。断続的に何度も続く絶頂を味わった私はすっかりくったりとしてしまっているのに凛太さんは酒断ちしていた人がずっと待ちに待ったお酒を味わうかのようにずっと吸い付いて離れない。

「俺のだ、俺の」
 何度も何度も呻くように繰り返すとようやく口を離して、くたっとしてしまった私の顔をじっと見た。どこか、辛そうででも嬉しそうな不思議な表情を浮かべると、自分の服を投げるように脱いでいく。

「透子、さん。俺の、俺のだよな? これからずっと俺の傍にいるって……」
 私はこくこくと頷いて応えた。胸に擦り付けられたその頭をそっと抱きしめる。
「ずっと、一緒です。傍にいてくださいね。凛太さん」

 頭を上げずにぺろりっとその胸が舐められた。まるで、はじまりの合図みたいに。
しおりを挟む
感想 641

あなたにおすすめの小説

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。

くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」 「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」 いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。 「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と…… 私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。 「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」 「はい、お父様、お母様」 「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」 「……はい」 「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」 「はい、わかりました」 パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、 兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。 誰も私の言葉を聞いてくれない。 誰も私を見てくれない。 そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。 ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。 「……なんか、馬鹿みたいだわ!」 もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる! ふるゆわ設定です。 ※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい! ※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇‍♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ! 追加文 番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

【完】お義母様そんなに嫁がお嫌いですか?でも安心してください、もう会う事はありませんから

咲貴
恋愛
見初められ伯爵夫人となった元子爵令嬢のアニカは、夫のフィリベルトの義母に嫌われており、嫌がらせを受ける日々。 そんな中、義父の誕生日を祝うため、とびきりのプレゼントを用意する。 しかし、義母と二人きりになった時、事件は起こった……。

城内別居中の国王夫妻の話

小野
恋愛
タイトル通りです。

側妃契約は満了しました。

夢草 蝶
恋愛
 婚約者である王太子から、別の女性を正妃にするから、側妃となって自分達の仕事をしろ。  そのような申し出を受け入れてから、五年の時が経ちました。

夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします

希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。 国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。 隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。 「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」

私が死んで満足ですか?

マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。 ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。 全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。 書籍化にともない本編を引き下げいたしました

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。