猫被り令嬢の恋愛結婚

玉響

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新婚編

8.オズヴァルド訪問

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数週間後。
リリアーナはラファエロと共に隣国であるオズヴァルド王国の王宮にある中庭で、ラファエロの伯母であるアルベルタ王妃主催のお茶会に、リリアーナの伯母であるソニア・ドロエット公爵夫人と共に出席していた。

「本当に見れば見るほどドロエット公爵夫人とよく似ているわね」
「当然でしょう?私の可愛い可愛い姪っ子ですもの!」

アルベルタが感嘆の溜息を零すと、ソニアが得意気な樣子で胸を張って見せた。

「本来ならば伯父上や伯母上も結婚式にお招きしたかったのですが、何分状況が状況でしたし、何よりも急なことでしたので、どうか許してくださいね」

ラファエロの亡き母リオネッラの兄嫁にあたるアルベルタは、強さと上品さ、それに母性を兼ね備えた人物であり、ラファエロの『育ての親』と言っても過言ではない人だ。
ラファエロもアルベルタの事を慕っているらしく、結婚式にオズヴァルド国王夫妻を招くことが出来なかったことを、心底残念がっているようだった。

「それは仕方がないことだわ、ラファ。王族なんて面倒臭い身分でさえなければ、エドの時もあなたの時も結婚式に出席できたのに、ねぇ………?」
「そうですわね、王妃様。実際面倒臭い身分ではない私は、お陰様で大切な姪っ子の一世一代の晴れ姿を見ることが出来ましたもの」

ラファエロ同様に落胆しているアルベルタに対して、ソニアはわざとにんまりしたと笑顔を向けて見せている。
アルベルタとはまるで実の姉妹のように仲良くしている、というソニア伯母の話はどうやら真実らしい、とリリアーナは出されたお茶を口にしながら観察していた。
育った国も、見た目もまったく異なるのに、二人の纏う雰囲気が似ているせいか、本当によく似ているように思う。
そんな二人を眺めているだけで、自然と笑顔が浮かんできた。

「それにしても、オルカーニャは頭が悪いのねぇ………。キエザに喧嘩を売るということは、私達をも敵に回すということだとわかっての所業なのよね?」
「本当にあの小娘、やはり数発くらい殴っておけばよかったわ」

どす黒い笑みを浮かべるアルベルタとソニアを見ていると、何故ラファエロがあのような性格になったのかという理由が伝わってくるようだった。
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