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第2章 魔王動乱
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あの日の騒動から半年。
スタンレールでは魔王騒動に便乗した王弟の隠し子が反乱を起こして処刑された。反乱を起こす計画は隠し子のところに婚約者として潜入してたハガルが国王に報告してアルタメニア公爵家は王からの信頼を勝ち得た。
ちなみにクソ親父はとっくにパルヴァンの王太子に殺されてて、僕を刺したあれはくそ親父の中に残ってた思念が魔王の瘴気で形を取っただけだったらしい。
僕のお母さんの日記を王太子に届けた記録もちゃんと残ってたからクソ親父もジェラールと同じく簡単に人を裏切る信用出来ない人物だって見なされたんだろう。利用されただけでポイ捨てされて正直ざまみろだ。
継母はクソ親父が殺される瞬間を見てしまって気が触れたらしく、精神を病んだ人用の療養所で暮らしてる。たまにハガルは会いに行ってるみたいだけど、継母は腕に抱いた人形がハガルだと思ってずっと子守り歌を歌ってるからやってらんない、って溢してた。
ハガルが赤ちゃんだと思ってるって事はラーグに至っては存在すら忘れられてしまったんだろう。本人は2人を隠居に追いやったのは自分だからそのくらいの罰は受けるって言ってたけど、やっぱり少し寂しそうだった。
大変だったのはパルヴァン側だ。
パルヴァンの王太子が一応表向き廃嫡という形になってたジェラールを殺し、さらにスタンレールを攻撃したと見なされた。
本人はもちろん魔王は僕で自分は世界を守ろうとしただけだって言い張ったけど、僕が怪我人を治癒して回ってたのはみんなが見てたし当然そんな訴えは聞き入れられなかった。
魔王によってボロボロになったスタンレールは戦争を望んでなかったし、もちろんパルヴァンとしては同盟国を攻撃する理由もない。双方の話し合いで現国王夫妻の蟄居、王太子の処罰、スタンレールへの諸々の援助をする事で決着した。
その王太子は身分剥奪の上、平民として公開処刑、晒し首の後火葬され民衆と同じ共同墓地へと埋葬された。
王太子としてプライド持ってそうだったけど化けてでないよね……。そこだけちょっと心配だわ。魔王もどきまでなったような執念の塊みたいな人だったもんな。
ちなみに王太子妃は元々王妃の侍女をしてたらしく、蟄居する王妃の侍女として一緒についていった。一生屋敷から出られないけどそれでも良い、ってくらい王妃の事を尊敬してるらしい。というか男性顔負けなくらい男勝りな王妃殿下のファンっぽい。
そうだよね。推しが見られなくなるくらいなら貧しくなろうと不便になろうと推しに着いていく方が何万倍も良いよね!
そして魔王もどきの所為なのか、瘴気が発生したから魔王もどきが生まれたのか謎だけどまた第2の魔王もどきが生まれないように調査隊が派遣される事になったんだけど……。
「小説では王子も旅に出てたのにな……」
なんと王子が次の王様になったんだよ!Domとは言えΩの王子が王様とか多分初めての事なんじゃないだろうか。
本来ならその座につく事を望まれてた兄王子は調査隊にくっついて行く事になってしまった。何でだろう、って思ってたらギフトが行くかららしい。兄王子も粘着っぽい。怖い。
旅に出るのはティール、ギフト。この2人は光魔法に目覚めたから瘴気を消すのに必要だ。
それからハガルも
「どうせ家にいたって婚約者が2人も死んだぼくに縁談なんて来ないし良い男探しに旅に出るわ」
って婿候補探しついでに一緒に旅立った。そこまでは小説と一緒のメンバー。
他は……ティールにくっついて行きたいマリオットが魔物学者も必要だと言い張り、そのマリオットの護衛にいつもの護衛さん達が4人くっついていって、王家からも人を出すことで誠意を見せるべきと言い張ったけど本音はギフトがSub化した時の為に側にいたい兄王子と、ギフトのパートナーの魔塔最強の魔術師。あと兄王子の護衛に騎士が10人程。小説と違って随分大所帯なパーティになったなぁ、と見送ったのが10日程前の話。
そしてシーラ姉さんもそのパーティと一緒に神聖国に旅立って行った。僕が起きたのも見届けたし、追手が来る前にこっちから出向いて聖女を使って搾取を繰り返す教皇達と戦ってくるんだって。それには時間がかかるけど必ずやり遂げて報告に戻ってくるから、それまでにもっと沢山幸せになってなさい、って言われた。
シーラ姉さんって本当に格好良い。惚れちゃう。オーナーの次の推しだよ。
小説とは随分違う物語になったけど今のハガルは魔王を殺してジェラールを復活させようなんて思わないだろうし、僕も世界を滅ぼしたいくらいの恐怖心も憎しみも持ってない。
お母さんの呪いが本当に僕を魔王にする物だったのか紋様は焼かれて見えないし今となってはわからないけど、僕は推しが生きるこの世界を滅ぼすつもりなんて欠片もないから。
なんて説明的な事をツラツラ考えてたのにはわけがあります。
僕はベッドの縁に座ってもじもじと足先を擦り合わせた。
前開きの寝巻きは腰の辺りの紐をほどけばあっという間に裸になってしまうという……まあいわゆるバスローブみたいなやつだ。
僕の長くなったままの髪を丁寧に乾かしたオーナーは今お風呂に入ってる。お風呂に入ってる間に覚悟を決めろ、ってそういう事らしい。
何の覚悟かって、最後までする覚悟と番になる覚悟だ。
ダメそうなら寝ておけ、って言われて正直ちょっと寝てしまいたいけどひたすら足やら手やらをもじもじさせたまま耐えてるわけです。
だって好きなのは嘘じゃないし。推しだから、が恋だから、になって命を賭けてでも守りたい人だって実際に命賭けた時に思ったんですよ。
ちなみに僕の髪が長いままなのはオーナーがその方が好みだって言うからそうしてる。好きな人の望みは聞いてあげたい。っていうかオーナーも毎朝僕の髪を綺麗にといて何だったら編み込みまで覚えてしまったんだから凄すぎる。
今は結んでもないから動く度にさらりと流れる髪にはまだ慣れないんだけどね。
オーナーの手入れのおかげでスルスルと指通りの良い髪をくるり、と指に巻いて遊んでたら扉の開く音が聞こえて心臓が飛び出しそうになった。
お、オーナーが出てきちゃった……!どうしよう!やっぱり寝たフリか!?
って怖じ気づきそうな心に気合いを入れてオーナーが現れるのをじっと待った。
浴室からオーナーが出てきた時には扉をガン見し過ぎて目がカラカラに渇いちゃってたけど、僕と目があって一瞬驚いた顔をしたあとで苦笑いになったオーナーが色気満載過ぎるんですけど……!?
僕と同じバスローブみたいな物を着た胸元からムチムチの巨乳がチラ見えしてて、僕が着ると膝下まであるバスローブはオーナーが着ると膝丈くらいしかないからふくらはぎの筋肉がもりもりしてるのも丸見えだ。
鼻血が出そうです……!!
きゃー!!って内心大絶叫して枕にダイブしたらギシリとベッドが軋んでオーナーの手のひらが頭に乗った。
「やめとくか?」
「やめないです!」
これはオーナーのお色気オーラにやられて枕に抱きついてるだけですから!あと緊張もしてるけど!
きゅぽん、って少し気の抜けた音はオーナーが瓶の蓋を開けた音だ。
その液体はΩの発情を促す薬が入ってるんだって。
グレアやコマンドでも発情は促されるけど、僕の場合はコマンド使って発情するとそれまでにもうへろんへろんになってるからすぐイってしまって、そのまま意識もさようならしてしまう事が多いから番の契約が成立しないらしい。意識のないΩに噛みついても契約が成立しないのはΩの自己防衛本能が発達した結果なんだろう。
どうする、とオーナーが瓶を振るとちゃぷちゃぷと音が鳴る。
その度に漂ってくるふわっとした甘い香りと、そこに混じるオーナーの匂い。もう胸が爆発してしまうんじゃなかってくらいバクバクしてる。
その薄く緑がかった液体の入った瓶を受け取って、しばらく見つめて、それからオーナーを見た。
大好きな僕の推し。
オーナーがいなかったらとうに諦めてたかも知れない自分の運命。
夕焼け色の瞳がじっと僕を見てる。
「オーナー。もう2番目でいいなんて言わないからね。僕の事大事にしてね?」
緊張のあまりちょっと冗談を言いながらその甘い香りを振り撒く液体を飲み干した。
スタンレールでは魔王騒動に便乗した王弟の隠し子が反乱を起こして処刑された。反乱を起こす計画は隠し子のところに婚約者として潜入してたハガルが国王に報告してアルタメニア公爵家は王からの信頼を勝ち得た。
ちなみにクソ親父はとっくにパルヴァンの王太子に殺されてて、僕を刺したあれはくそ親父の中に残ってた思念が魔王の瘴気で形を取っただけだったらしい。
僕のお母さんの日記を王太子に届けた記録もちゃんと残ってたからクソ親父もジェラールと同じく簡単に人を裏切る信用出来ない人物だって見なされたんだろう。利用されただけでポイ捨てされて正直ざまみろだ。
継母はクソ親父が殺される瞬間を見てしまって気が触れたらしく、精神を病んだ人用の療養所で暮らしてる。たまにハガルは会いに行ってるみたいだけど、継母は腕に抱いた人形がハガルだと思ってずっと子守り歌を歌ってるからやってらんない、って溢してた。
ハガルが赤ちゃんだと思ってるって事はラーグに至っては存在すら忘れられてしまったんだろう。本人は2人を隠居に追いやったのは自分だからそのくらいの罰は受けるって言ってたけど、やっぱり少し寂しそうだった。
大変だったのはパルヴァン側だ。
パルヴァンの王太子が一応表向き廃嫡という形になってたジェラールを殺し、さらにスタンレールを攻撃したと見なされた。
本人はもちろん魔王は僕で自分は世界を守ろうとしただけだって言い張ったけど、僕が怪我人を治癒して回ってたのはみんなが見てたし当然そんな訴えは聞き入れられなかった。
魔王によってボロボロになったスタンレールは戦争を望んでなかったし、もちろんパルヴァンとしては同盟国を攻撃する理由もない。双方の話し合いで現国王夫妻の蟄居、王太子の処罰、スタンレールへの諸々の援助をする事で決着した。
その王太子は身分剥奪の上、平民として公開処刑、晒し首の後火葬され民衆と同じ共同墓地へと埋葬された。
王太子としてプライド持ってそうだったけど化けてでないよね……。そこだけちょっと心配だわ。魔王もどきまでなったような執念の塊みたいな人だったもんな。
ちなみに王太子妃は元々王妃の侍女をしてたらしく、蟄居する王妃の侍女として一緒についていった。一生屋敷から出られないけどそれでも良い、ってくらい王妃の事を尊敬してるらしい。というか男性顔負けなくらい男勝りな王妃殿下のファンっぽい。
そうだよね。推しが見られなくなるくらいなら貧しくなろうと不便になろうと推しに着いていく方が何万倍も良いよね!
そして魔王もどきの所為なのか、瘴気が発生したから魔王もどきが生まれたのか謎だけどまた第2の魔王もどきが生まれないように調査隊が派遣される事になったんだけど……。
「小説では王子も旅に出てたのにな……」
なんと王子が次の王様になったんだよ!Domとは言えΩの王子が王様とか多分初めての事なんじゃないだろうか。
本来ならその座につく事を望まれてた兄王子は調査隊にくっついて行く事になってしまった。何でだろう、って思ってたらギフトが行くかららしい。兄王子も粘着っぽい。怖い。
旅に出るのはティール、ギフト。この2人は光魔法に目覚めたから瘴気を消すのに必要だ。
それからハガルも
「どうせ家にいたって婚約者が2人も死んだぼくに縁談なんて来ないし良い男探しに旅に出るわ」
って婿候補探しついでに一緒に旅立った。そこまでは小説と一緒のメンバー。
他は……ティールにくっついて行きたいマリオットが魔物学者も必要だと言い張り、そのマリオットの護衛にいつもの護衛さん達が4人くっついていって、王家からも人を出すことで誠意を見せるべきと言い張ったけど本音はギフトがSub化した時の為に側にいたい兄王子と、ギフトのパートナーの魔塔最強の魔術師。あと兄王子の護衛に騎士が10人程。小説と違って随分大所帯なパーティになったなぁ、と見送ったのが10日程前の話。
そしてシーラ姉さんもそのパーティと一緒に神聖国に旅立って行った。僕が起きたのも見届けたし、追手が来る前にこっちから出向いて聖女を使って搾取を繰り返す教皇達と戦ってくるんだって。それには時間がかかるけど必ずやり遂げて報告に戻ってくるから、それまでにもっと沢山幸せになってなさい、って言われた。
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小説とは随分違う物語になったけど今のハガルは魔王を殺してジェラールを復活させようなんて思わないだろうし、僕も世界を滅ぼしたいくらいの恐怖心も憎しみも持ってない。
お母さんの呪いが本当に僕を魔王にする物だったのか紋様は焼かれて見えないし今となってはわからないけど、僕は推しが生きるこの世界を滅ぼすつもりなんて欠片もないから。
なんて説明的な事をツラツラ考えてたのにはわけがあります。
僕はベッドの縁に座ってもじもじと足先を擦り合わせた。
前開きの寝巻きは腰の辺りの紐をほどけばあっという間に裸になってしまうという……まあいわゆるバスローブみたいなやつだ。
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何の覚悟かって、最後までする覚悟と番になる覚悟だ。
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今は結んでもないから動く度にさらりと流れる髪にはまだ慣れないんだけどね。
オーナーの手入れのおかげでスルスルと指通りの良い髪をくるり、と指に巻いて遊んでたら扉の開く音が聞こえて心臓が飛び出しそうになった。
お、オーナーが出てきちゃった……!どうしよう!やっぱり寝たフリか!?
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僕と同じバスローブみたいな物を着た胸元からムチムチの巨乳がチラ見えしてて、僕が着ると膝下まであるバスローブはオーナーが着ると膝丈くらいしかないからふくらはぎの筋肉がもりもりしてるのも丸見えだ。
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きゃー!!って内心大絶叫して枕にダイブしたらギシリとベッドが軋んでオーナーの手のひらが頭に乗った。
「やめとくか?」
「やめないです!」
これはオーナーのお色気オーラにやられて枕に抱きついてるだけですから!あと緊張もしてるけど!
きゅぽん、って少し気の抜けた音はオーナーが瓶の蓋を開けた音だ。
その液体はΩの発情を促す薬が入ってるんだって。
グレアやコマンドでも発情は促されるけど、僕の場合はコマンド使って発情するとそれまでにもうへろんへろんになってるからすぐイってしまって、そのまま意識もさようならしてしまう事が多いから番の契約が成立しないらしい。意識のないΩに噛みついても契約が成立しないのはΩの自己防衛本能が発達した結果なんだろう。
どうする、とオーナーが瓶を振るとちゃぷちゃぷと音が鳴る。
その度に漂ってくるふわっとした甘い香りと、そこに混じるオーナーの匂い。もう胸が爆発してしまうんじゃなかってくらいバクバクしてる。
その薄く緑がかった液体の入った瓶を受け取って、しばらく見つめて、それからオーナーを見た。
大好きな僕の推し。
オーナーがいなかったらとうに諦めてたかも知れない自分の運命。
夕焼け色の瞳がじっと僕を見てる。
「オーナー。もう2番目でいいなんて言わないからね。僕の事大事にしてね?」
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