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第2章 魔王動乱
おつかい
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オーナーの店に来たばかりの頃はお出掛けもままならない身だったけど今はおつかいに行けるようにもなりました。……何故か王子と護衛付きですが。
「王子……ちょいちょい来ますけど、暇なんですか?」
そんなわけないのは知ってる。ジェラールは遊び呆けてるバカだったけど本来王族はそんなに暇じゃない筈だ。
一番忙しいのは多分王太子だと思うけど、兄王子も騎士団の事とか自分の領地の事とかあるだろうし王子だって自分の領地は持ってるだろうから経営が忙しい筈。優秀な臣下がいるのかも知れないけど。
「暇じゃないけど、少しでも小さい子と親睦を深めたくてね~」
ニコニコと機嫌の良さそうな王子は完全にお忍びスタイルだ。いつぞやの隣国バカ王太子のお忍びスタイルとは全然違う、どこからどう見ても普通の町人A。凄いな、王子のキラキラを完全に抑えられる変装が出来るなんて……魔法で姿変えてるのかな?とも思ったけど魔法の気配ないし多分普通に変装だと思うんだけど。
「僕と親睦深めても良いことなんてないでしょうに」
「何を言う!こんなに小さくて可愛い子そうそういないよ!」
ウルが可愛いのは知ってるけど、小さいは余計だと思う!僕だってまだ身長伸びてるはずだから!多分!大体同じΩなのにDomだからなのか王子は背が高い。華奢さはあんまり変わらないと思うのにずるい!
なんて身長差にムムム、ってしてたらふと王子が言った。
「ねえ、知ってる?同じΩ同士でもDomとSubなら子供が出来るんだよ」
え、それは知らなかった!
「だから小さい子、私のお嫁さんにならない?」
「うわ、びっくり!王子そんな冗談言うんですね」
「冗談じゃないんだけどな~」
いやいや、めちゃくちゃ笑ってるじゃん。それに王子とは出会ってそんなに経ってないし、ティールと結婚したイメージしかないし。それもマリオットがティール狙いなら王子の事は応援しかねるし。
くるり、と振り向いた王子の猫科みたいな金の瞳が僕をじっと見た。
「私と結婚したら兄上から守ってあげられるよ」
流石に弟の伴侶に手を出そうとはしないだろう、って。同じ王族でも理由なしに王族、その伴侶に手を出せば相応の罰が与えられるからまだ僕が魔王だって言い張ってる王太子も諦めるんじゃないか、って言うんだけど。
「オーナーがいるから無理です」
確かに平民のオーナーにはどうにもならない事だってあると思う。意外におじさんとか王子達とか身分の高い人と繋がりを持ってるのは凄いけど、オーナー自身には権力に抗うだけの力はない。王太子が僕を差し出せ、って言ったらオーナーは従うしかないんだ。もっともそんな事を言われたら僕はお姉さん達をおじさんに任せてオーナー連れて逃げるけどね。
王子はしばらく無言で僕を見てたけど、ふ、っと笑って肩を竦めた。
「フラれちゃったな~」
「本気じゃないでしょ」
「え~、心外。結構本気だったよ」
王子は嘘つきだな。本気って言う割にショック受けた感じないし。僕がオーナーにフラれたらしばらく立ち直れないくらいショックだよ。今は……す、好きって言ってくれたからそんな不安ないんだけど。
急に赤くなった僕を見てオーナーの事思い出したんでしょ、なんてからかう王子はやっぱり本気で僕を好きな訳じゃないんだと思う。遠回しに僕の事を守ってくれようとしたのかな。
いつもは業者が卸してくれる食材なんだけど、どうしても足りない分はこうして市場に買いにくる。そこそこの荷物になったけど王子の護衛が持ってくれて僕達は大荷物にならなくて済んだんだけど、王子が護衛をつれて完璧お忍びスタイルで僕に付き合ってくれるのはやっぱり……。
「王太子殿下は僕を捕まえようとしてますか?」
特に何の前触れもなく訊いてみた。もし嘘で誤魔化そうとしても少しくらい動揺するかな、って思って。
けど意外にも王子はあっさりと同意したから僕の方がびっくりしてしまった。
「まだ小さい子が魔王だって言い張ってるからね。あの日は細工をしてた筈だから前触れなく捕まえたらわかる、って」
良かった!万が一他の日にもう1回調べる、って急に呼ばれても良いように細工はそのままにしてあるんだよね!ただ謎の聖なる加護はあの後教会で調べてもらった時には消えてたけど。鑑定球でしかわからないくらいの微々たる物なのかも。
魔法がほとんど使えないけど別に前からそんなに使ってなかったから不便はないし、やっぱりこのままにしておいた方が良さそう。
「最近王子達が良く来るのは王太子殿下から守ってくれてるんですか?」
オーナーは何も言わないけど、あの日まで来たことのなかった王子達が頻繁に来るようになった理由なんてそのくらいしか思い浮かばない。僕の知らない所でオーナーと王子達で何か話したのかも知れない。城から戻って割りとすぐギフト連れでやって来た兄王子とオーナーが何か話してたのは知ってるし。
「エオローには気にしたり遠慮したりするから秘密って言われてたんだけど、小さい子だって知りたいよね?」
「……僕の知らない所で皆が頑張ってくれてるのは……寂しいです」
僕の事を心配してくれてるのはわかってる。でも僕が知らないと守ってくれてる皆を逆に危険な目に遭わせてしまうかも知れない。今何が起きてて僕は何に気を付けないといけないのか教えて欲しい。
僕が能天気に何かしてる時、他の誰かが危険な目に遭ってるかもと思ったら怖いよ。
「……私からは教えてあげな~い」
「ええ!何でですか!」
王子意地悪か!
「エオローに直接訊いてみたら良いと思うよ」
オーナーが秘密って言ったのに?
「だって君が何を考えててどう思うのか話した方が良いと思うから」
エオローは庇護対象に過保護になりがちだからね~、と楽しそうに笑う王子にちょっとモヤる。
どうしてオーナーが過保護になるって知ってるの?確かにちょっと心配性だな、って思う事はあるけど過保護とまで思った事はない。だけど王子は過保護なオーナーを知ってるって事だよね。
「はい、眉間にシワ」
ぐに、と眉間を押されてしまった。
「ヤキモチ?言っておくけど私や兄様に過保護だったのは昔の話だからね」
それと、って言いながらデコピンまで食らってしまった。
「小さい子、君に対して一番過保護になってるのにわかってない?」
ティールやギフトに対する扱いは兄弟とか子供に対する物。
僕に対しての扱いは傍から見てると少しの危険からも遠ざけたい、庇護したい、何だったらもう閉じ込めて出したくないくらい重めの状態だって言われてジワジワと頬が熱くなってくる。
「そんな事……ないと思いますけど……」
「そりゃ実際閉じ込めたりしたら小さい子が悲しむと思ってやらないでしょ~」
君が望むなら別だけど、と言われてオーナーにだったら閉じ込められても嫌じゃないかも、とか思ってしまうあたり僕はもうダメかも知れない。
「だから小さい子がどう思ってるのか直接エオローに言った方が良いよ。私から教えてあげても良いけど、お互い何考えてるかもっと話した方が良いと思うから」
DomはどうしてもSubを守りたがる。それは本能だから仕方ないけど、Subの意志を無視して進めるのはすれ違いの元になるから、って王子は何だか寂しそうに言った。
王子にも誰かすれ違ったままの人がいるのかな?王子はΩだけどDomだから、相手はSubだろう。
(あ、もしかしてさっきの――)
Ω同士でもDomとSubなら子供が出来る、ってその相手との事を思って言ったのかも知れない。
■■■
なかなか体調が安定せず…相変わらず鈍足更新でごめんなさいm(__)m
「王子……ちょいちょい来ますけど、暇なんですか?」
そんなわけないのは知ってる。ジェラールは遊び呆けてるバカだったけど本来王族はそんなに暇じゃない筈だ。
一番忙しいのは多分王太子だと思うけど、兄王子も騎士団の事とか自分の領地の事とかあるだろうし王子だって自分の領地は持ってるだろうから経営が忙しい筈。優秀な臣下がいるのかも知れないけど。
「暇じゃないけど、少しでも小さい子と親睦を深めたくてね~」
ニコニコと機嫌の良さそうな王子は完全にお忍びスタイルだ。いつぞやの隣国バカ王太子のお忍びスタイルとは全然違う、どこからどう見ても普通の町人A。凄いな、王子のキラキラを完全に抑えられる変装が出来るなんて……魔法で姿変えてるのかな?とも思ったけど魔法の気配ないし多分普通に変装だと思うんだけど。
「僕と親睦深めても良いことなんてないでしょうに」
「何を言う!こんなに小さくて可愛い子そうそういないよ!」
ウルが可愛いのは知ってるけど、小さいは余計だと思う!僕だってまだ身長伸びてるはずだから!多分!大体同じΩなのにDomだからなのか王子は背が高い。華奢さはあんまり変わらないと思うのにずるい!
なんて身長差にムムム、ってしてたらふと王子が言った。
「ねえ、知ってる?同じΩ同士でもDomとSubなら子供が出来るんだよ」
え、それは知らなかった!
「だから小さい子、私のお嫁さんにならない?」
「うわ、びっくり!王子そんな冗談言うんですね」
「冗談じゃないんだけどな~」
いやいや、めちゃくちゃ笑ってるじゃん。それに王子とは出会ってそんなに経ってないし、ティールと結婚したイメージしかないし。それもマリオットがティール狙いなら王子の事は応援しかねるし。
くるり、と振り向いた王子の猫科みたいな金の瞳が僕をじっと見た。
「私と結婚したら兄上から守ってあげられるよ」
流石に弟の伴侶に手を出そうとはしないだろう、って。同じ王族でも理由なしに王族、その伴侶に手を出せば相応の罰が与えられるからまだ僕が魔王だって言い張ってる王太子も諦めるんじゃないか、って言うんだけど。
「オーナーがいるから無理です」
確かに平民のオーナーにはどうにもならない事だってあると思う。意外におじさんとか王子達とか身分の高い人と繋がりを持ってるのは凄いけど、オーナー自身には権力に抗うだけの力はない。王太子が僕を差し出せ、って言ったらオーナーは従うしかないんだ。もっともそんな事を言われたら僕はお姉さん達をおじさんに任せてオーナー連れて逃げるけどね。
王子はしばらく無言で僕を見てたけど、ふ、っと笑って肩を竦めた。
「フラれちゃったな~」
「本気じゃないでしょ」
「え~、心外。結構本気だったよ」
王子は嘘つきだな。本気って言う割にショック受けた感じないし。僕がオーナーにフラれたらしばらく立ち直れないくらいショックだよ。今は……す、好きって言ってくれたからそんな不安ないんだけど。
急に赤くなった僕を見てオーナーの事思い出したんでしょ、なんてからかう王子はやっぱり本気で僕を好きな訳じゃないんだと思う。遠回しに僕の事を守ってくれようとしたのかな。
いつもは業者が卸してくれる食材なんだけど、どうしても足りない分はこうして市場に買いにくる。そこそこの荷物になったけど王子の護衛が持ってくれて僕達は大荷物にならなくて済んだんだけど、王子が護衛をつれて完璧お忍びスタイルで僕に付き合ってくれるのはやっぱり……。
「王太子殿下は僕を捕まえようとしてますか?」
特に何の前触れもなく訊いてみた。もし嘘で誤魔化そうとしても少しくらい動揺するかな、って思って。
けど意外にも王子はあっさりと同意したから僕の方がびっくりしてしまった。
「まだ小さい子が魔王だって言い張ってるからね。あの日は細工をしてた筈だから前触れなく捕まえたらわかる、って」
良かった!万が一他の日にもう1回調べる、って急に呼ばれても良いように細工はそのままにしてあるんだよね!ただ謎の聖なる加護はあの後教会で調べてもらった時には消えてたけど。鑑定球でしかわからないくらいの微々たる物なのかも。
魔法がほとんど使えないけど別に前からそんなに使ってなかったから不便はないし、やっぱりこのままにしておいた方が良さそう。
「最近王子達が良く来るのは王太子殿下から守ってくれてるんですか?」
オーナーは何も言わないけど、あの日まで来たことのなかった王子達が頻繁に来るようになった理由なんてそのくらいしか思い浮かばない。僕の知らない所でオーナーと王子達で何か話したのかも知れない。城から戻って割りとすぐギフト連れでやって来た兄王子とオーナーが何か話してたのは知ってるし。
「エオローには気にしたり遠慮したりするから秘密って言われてたんだけど、小さい子だって知りたいよね?」
「……僕の知らない所で皆が頑張ってくれてるのは……寂しいです」
僕の事を心配してくれてるのはわかってる。でも僕が知らないと守ってくれてる皆を逆に危険な目に遭わせてしまうかも知れない。今何が起きてて僕は何に気を付けないといけないのか教えて欲しい。
僕が能天気に何かしてる時、他の誰かが危険な目に遭ってるかもと思ったら怖いよ。
「……私からは教えてあげな~い」
「ええ!何でですか!」
王子意地悪か!
「エオローに直接訊いてみたら良いと思うよ」
オーナーが秘密って言ったのに?
「だって君が何を考えててどう思うのか話した方が良いと思うから」
エオローは庇護対象に過保護になりがちだからね~、と楽しそうに笑う王子にちょっとモヤる。
どうしてオーナーが過保護になるって知ってるの?確かにちょっと心配性だな、って思う事はあるけど過保護とまで思った事はない。だけど王子は過保護なオーナーを知ってるって事だよね。
「はい、眉間にシワ」
ぐに、と眉間を押されてしまった。
「ヤキモチ?言っておくけど私や兄様に過保護だったのは昔の話だからね」
それと、って言いながらデコピンまで食らってしまった。
「小さい子、君に対して一番過保護になってるのにわかってない?」
ティールやギフトに対する扱いは兄弟とか子供に対する物。
僕に対しての扱いは傍から見てると少しの危険からも遠ざけたい、庇護したい、何だったらもう閉じ込めて出したくないくらい重めの状態だって言われてジワジワと頬が熱くなってくる。
「そんな事……ないと思いますけど……」
「そりゃ実際閉じ込めたりしたら小さい子が悲しむと思ってやらないでしょ~」
君が望むなら別だけど、と言われてオーナーにだったら閉じ込められても嫌じゃないかも、とか思ってしまうあたり僕はもうダメかも知れない。
「だから小さい子がどう思ってるのか直接エオローに言った方が良いよ。私から教えてあげても良いけど、お互い何考えてるかもっと話した方が良いと思うから」
DomはどうしてもSubを守りたがる。それは本能だから仕方ないけど、Subの意志を無視して進めるのはすれ違いの元になるから、って王子は何だか寂しそうに言った。
王子にも誰かすれ違ったままの人がいるのかな?王子はΩだけどDomだから、相手はSubだろう。
(あ、もしかしてさっきの――)
Ω同士でもDomとSubなら子供が出来る、ってその相手との事を思って言ったのかも知れない。
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