28 / 49
第1章 念願の国外追放
伝える
しおりを挟む
「あ、あのオーナー……?」
上に覆い被さったまま見下ろしてくるオーナーの少し長い髪が首筋に纏わりついてるのが何だかとってもお色気満載だ。
する、っと首を滑っていた指が次に辿り着いたのは僕の唇だった。もうほとんど治った傷があった場所を唇ごとふにふにと触ってくる。
おぉぉぉぉぉ……何なんだこのセクシーオーナーは……!!?やっぱり夢か!?助けてマリオット!!
脳内のマリオットに助けを求めてみるけど、脳内ですらチベットスナギツネみたいな顔して「自分で何とかしろ」とか言ってきやがるあの野郎。
「ああ、その前に……ここにあった傷の事も訊いてない」
「そ、そうだったっけ……?」
オロオロと目線が泳いでしまうけどオーナーの手がまだ僕の片手を顔の横にがっちり縫い止めてるから身動きとれないし!
手が暖かくて気持ちいいんですけどね?何だったらちょっとにぎにぎしちゃいますけど。
でもこの体勢はちょっと正気の時には刺激が強いかな、なんて!
そうだよ。良く考えたらオーナーとあれこれする時っていつもSubドロップ起こしてる時だから僕ほとんど正気じゃないし、意識がしっかりしてる状態でこんな事になったのって初めてじゃない?
「ウル」
少し強めに唇を摘ままれて、あわわ、ってなりながら答えようとして……止まる。
だってあの傷って謎にラーグがキスしてきて出来た傷だから。マリオットには言えたのに、オーナーには知られたくないな、なんて思ってしまう。
知られたら呆れるのかな。それともやっぱり「へ~」くらいの反応なのかな。
どうしてだか知られるのが怖くて黙り込んでしまった僕に何を思ったのかわからない。けどまたオーナーの顔が近付いてきて、それこそキスされそうな距離で
「ウル?」
もう一度囁くように名前を呼ばれた。
いつもみたいにキャーって顔を隠したくても解放されてた片手ももう一度指を絡ませて顔の横で固定されてしまったから絶対真っ赤になってる顔が隠せない!
「あ、の……理由はわかんないんだけど……」
「うん?」
近すぎて焦点が合わないからぎゅう、っと目を閉じる。
目を閉じたら閉じたでオーナーの匂いとか息遣いとかいつも以上に拾ってしまって体が勝手にへにゃへにゃになってしまいそう。
しかも目を閉じた所為でオーナーの動きがわからなくなって、頬を掠めた柔らかい感触が一瞬何なのかわからなかった。
(え、今の、何……)
いや、わかってる。本当はわかってるんだ。今のは……今のはオーナーの唇だって……!!
「あわ、わわわ……」
頭パーンってなって気絶しそうなんですけど!?
「質問にコマンドは使いたくないんだけどな」
使って欲しいか?
なんて意地悪そうに訊いてくるけど、そうだよね。僕に喋らせたいなら『コマンド』を使ってしまえば早いのに、そうせずに待ってくれてるオーナーは本当に優しいと思う。
だから僕もその優しさに応えようと思ってあの日の事をポツポツと語った。
ラーグが来た事。
父であるアルタメニア公爵が隠居して公には学生だからと公爵代理になったラーグが実質の公爵である事。
王家に僕の国外追放を取り消すよう嘆願を出していた事。――近々受理されるって言ってたけど、流石にそれはないと思う。王家が一度追い出した人間をこっちが間違えてたよ、ごめんごめん、なんて簡単に取り消しなんてしないと思うし。
屋敷の人間も入れ換えたから僕に公爵家に戻れと言ってきた事。
「……で、何でそれでSubドロップ起こして唇に傷まで作る事になるんだ?」
わぁ、オーナーもチベットスナギツネ顔出来るんだぁ……。
「さっきも言ったけど、り、理由はさっぱりなんだけど……ね。あの……何でかキスされて……」
「は?」
ぎゅう、っと眉間に皺が寄ってひっくい声がした。僕がびくっと飛び上がるとハッとした顔で僕のおでこにキスが降ってきて正直もう何度目かの頭パーン!の危機だ。
「お前に怒ったわけじゃない」
「ひゃい……」
おでこの次はまた頬、それから鼻先。
ちょん、ちょん、って小鳥が啄むみたいな可愛いキスだけでもう息も絶え絶えなんですけど!
「俺がいない間にそんな事があったなんてな」
「言わなくてごめんなさい」
っていうか正直その後の王家とのゴタゴタで全部ぶっ飛んでたんだけどね。
「……それで、弟にキスされてSubドロップ起こしたのか」
「うん……」
一応スタンレールでは近親婚は条件があるものの禁止はされていない。
第2性の1つがαとΩである事。DomかSubかはあんまり問われない。
両親を同じくしない事。だから片親が違ってたらセーフだ。
つまり僕と半分しか血の繋がってないαのラーグとΩの僕の結婚は可能で、ラーグと完全に血が繋がったハガルはアウトってわけだ。
確かパルヴァンの近親婚は例え全く血の繋がらない義兄弟でも“きょうだい”でいるうちは全面禁止だったから弟にキスされたとかオーナーの中では挨拶程度の感覚じゃないかと思うんだけど。
(ん?ラーグのあれは僕に好意があるって事?)
途端にゾワッと全身総毛立つけど、最近のスタンレールであんな挨拶は流行ってない、とは言い切れないしなと無理矢理自分を納得させてたら。
はあ、と大きなため息をついた後オーナーが僕の手を解放して代わりに僕の顔の横にそのムキムキな片肘をついた。もう片方の手は……。
「はわわわわわ……!」
する、っとまた唇に這わされる。
でも解放された手で顔を隠す間もなく――
「んぅ……!?」
暖かい唇が僕の唇と重なった。
唇同士をくっつけただけかと思いきや、下唇を軽く吸って、ちょっと歯を当てて、またぴったり重なる。
最後にちゅう、って音を立てて離れた唇を思わず凝視してしまった。
い、今のは何でしょうか……?
心臓がドッドッドッ、て物凄い早さで鳴ってるのがオーナーにまで聞こえてしまいそうだ。
「で……?」
「え?」
ぽや、っとしてる僕の頬を撫でながらセクシーオーナーが訊いてくるんだけど、で?って何だろう?
「気持ち悪いか?」
気持ち悪い?何がだろう?
まだポ~っとしてる頭で考えて、今のキスについて訊かれてるんだってやっと思い至った。
「気持ち悪く……ない」
むしろもっとやって欲しい。
「そうか」
ちゅ、ちゅ、って音を立てながら啄むだけのキスの後またごつん、っておでこにオーナーのおでこが当たる。
「ゆっくりって言われたんだけどな……」
「ゆっくり?」
誰に何をゆっくりって言われたのかは教えてくれない。
ただベッドと背中の間に入った腕がぎゅう、っと抱き締めてきた。
強くて、でも苦しくはない力加減。暖かい腕が僕をそのまま抱き起こすから、僕はオーナーの膝の上に乗って肩に頭を乗せる。
無精髭はもう生やさないのかな~、結構気に入ってたのにな~、なんて暢気に考えてる僕の耳に何だか聞き慣れない言葉が飛び込んできた。
「好きだ」
「ん?」
「……俺かお前に何かあった時、何で早く言わなかったんだ、って後悔したくない。だから今言う」
ゆったりとした早さで、噛んで含めるように1つ1つ言葉が紡がれていく。
「俺は、お前が好きだ」
ぴったりくっついた胸元でどっちの物かわからない心音がドキドキと力強く鳴ってる。
好き。
オーナーが、僕を……?
「う、嘘だ~……」
いつもみたいにふざけて流そうとしたけど、全然そんな雰囲気じゃない。背中に回った腕が離れないから顔は見えないけど、声が真剣だ。これで「なんちゃって~」とか言われたら殴っても良いレベルだと思う。
オーナーの言葉は続いてる。
僕の何が好きかって。
最初は金持ちの坊っちゃんが変な事言いに来たな、としか思ってなかった。
でも来る度に何かしら不調を抱えてる僕が心配になって、一緒に暮らすようになってからは辛い時に笑う事に気付いて庇護欲が沸いたんだって。
Domの本能からくる庇護欲だって言い訳して僕に黙っておこうかと思ったけど、王城で王様の威圧を感じた時僕に何かあったかもって怖くなって――
「俺はお前が好きだ」
推しが僕の事を好きだって言ってる。
ファンサじゃなくて、本気で。
びっくりしてドキドキして、上手く言葉が出てこない。
「……お前の中で俺が“推し”とやらじゃなくなったら教えてくれ。まあ――」
逃がすつもりはないけど、って言葉と共にまた唇を塞がれた。
上に覆い被さったまま見下ろしてくるオーナーの少し長い髪が首筋に纏わりついてるのが何だかとってもお色気満載だ。
する、っと首を滑っていた指が次に辿り着いたのは僕の唇だった。もうほとんど治った傷があった場所を唇ごとふにふにと触ってくる。
おぉぉぉぉぉ……何なんだこのセクシーオーナーは……!!?やっぱり夢か!?助けてマリオット!!
脳内のマリオットに助けを求めてみるけど、脳内ですらチベットスナギツネみたいな顔して「自分で何とかしろ」とか言ってきやがるあの野郎。
「ああ、その前に……ここにあった傷の事も訊いてない」
「そ、そうだったっけ……?」
オロオロと目線が泳いでしまうけどオーナーの手がまだ僕の片手を顔の横にがっちり縫い止めてるから身動きとれないし!
手が暖かくて気持ちいいんですけどね?何だったらちょっとにぎにぎしちゃいますけど。
でもこの体勢はちょっと正気の時には刺激が強いかな、なんて!
そうだよ。良く考えたらオーナーとあれこれする時っていつもSubドロップ起こしてる時だから僕ほとんど正気じゃないし、意識がしっかりしてる状態でこんな事になったのって初めてじゃない?
「ウル」
少し強めに唇を摘ままれて、あわわ、ってなりながら答えようとして……止まる。
だってあの傷って謎にラーグがキスしてきて出来た傷だから。マリオットには言えたのに、オーナーには知られたくないな、なんて思ってしまう。
知られたら呆れるのかな。それともやっぱり「へ~」くらいの反応なのかな。
どうしてだか知られるのが怖くて黙り込んでしまった僕に何を思ったのかわからない。けどまたオーナーの顔が近付いてきて、それこそキスされそうな距離で
「ウル?」
もう一度囁くように名前を呼ばれた。
いつもみたいにキャーって顔を隠したくても解放されてた片手ももう一度指を絡ませて顔の横で固定されてしまったから絶対真っ赤になってる顔が隠せない!
「あ、の……理由はわかんないんだけど……」
「うん?」
近すぎて焦点が合わないからぎゅう、っと目を閉じる。
目を閉じたら閉じたでオーナーの匂いとか息遣いとかいつも以上に拾ってしまって体が勝手にへにゃへにゃになってしまいそう。
しかも目を閉じた所為でオーナーの動きがわからなくなって、頬を掠めた柔らかい感触が一瞬何なのかわからなかった。
(え、今の、何……)
いや、わかってる。本当はわかってるんだ。今のは……今のはオーナーの唇だって……!!
「あわ、わわわ……」
頭パーンってなって気絶しそうなんですけど!?
「質問にコマンドは使いたくないんだけどな」
使って欲しいか?
なんて意地悪そうに訊いてくるけど、そうだよね。僕に喋らせたいなら『コマンド』を使ってしまえば早いのに、そうせずに待ってくれてるオーナーは本当に優しいと思う。
だから僕もその優しさに応えようと思ってあの日の事をポツポツと語った。
ラーグが来た事。
父であるアルタメニア公爵が隠居して公には学生だからと公爵代理になったラーグが実質の公爵である事。
王家に僕の国外追放を取り消すよう嘆願を出していた事。――近々受理されるって言ってたけど、流石にそれはないと思う。王家が一度追い出した人間をこっちが間違えてたよ、ごめんごめん、なんて簡単に取り消しなんてしないと思うし。
屋敷の人間も入れ換えたから僕に公爵家に戻れと言ってきた事。
「……で、何でそれでSubドロップ起こして唇に傷まで作る事になるんだ?」
わぁ、オーナーもチベットスナギツネ顔出来るんだぁ……。
「さっきも言ったけど、り、理由はさっぱりなんだけど……ね。あの……何でかキスされて……」
「は?」
ぎゅう、っと眉間に皺が寄ってひっくい声がした。僕がびくっと飛び上がるとハッとした顔で僕のおでこにキスが降ってきて正直もう何度目かの頭パーン!の危機だ。
「お前に怒ったわけじゃない」
「ひゃい……」
おでこの次はまた頬、それから鼻先。
ちょん、ちょん、って小鳥が啄むみたいな可愛いキスだけでもう息も絶え絶えなんですけど!
「俺がいない間にそんな事があったなんてな」
「言わなくてごめんなさい」
っていうか正直その後の王家とのゴタゴタで全部ぶっ飛んでたんだけどね。
「……それで、弟にキスされてSubドロップ起こしたのか」
「うん……」
一応スタンレールでは近親婚は条件があるものの禁止はされていない。
第2性の1つがαとΩである事。DomかSubかはあんまり問われない。
両親を同じくしない事。だから片親が違ってたらセーフだ。
つまり僕と半分しか血の繋がってないαのラーグとΩの僕の結婚は可能で、ラーグと完全に血が繋がったハガルはアウトってわけだ。
確かパルヴァンの近親婚は例え全く血の繋がらない義兄弟でも“きょうだい”でいるうちは全面禁止だったから弟にキスされたとかオーナーの中では挨拶程度の感覚じゃないかと思うんだけど。
(ん?ラーグのあれは僕に好意があるって事?)
途端にゾワッと全身総毛立つけど、最近のスタンレールであんな挨拶は流行ってない、とは言い切れないしなと無理矢理自分を納得させてたら。
はあ、と大きなため息をついた後オーナーが僕の手を解放して代わりに僕の顔の横にそのムキムキな片肘をついた。もう片方の手は……。
「はわわわわわ……!」
する、っとまた唇に這わされる。
でも解放された手で顔を隠す間もなく――
「んぅ……!?」
暖かい唇が僕の唇と重なった。
唇同士をくっつけただけかと思いきや、下唇を軽く吸って、ちょっと歯を当てて、またぴったり重なる。
最後にちゅう、って音を立てて離れた唇を思わず凝視してしまった。
い、今のは何でしょうか……?
心臓がドッドッドッ、て物凄い早さで鳴ってるのがオーナーにまで聞こえてしまいそうだ。
「で……?」
「え?」
ぽや、っとしてる僕の頬を撫でながらセクシーオーナーが訊いてくるんだけど、で?って何だろう?
「気持ち悪いか?」
気持ち悪い?何がだろう?
まだポ~っとしてる頭で考えて、今のキスについて訊かれてるんだってやっと思い至った。
「気持ち悪く……ない」
むしろもっとやって欲しい。
「そうか」
ちゅ、ちゅ、って音を立てながら啄むだけのキスの後またごつん、っておでこにオーナーのおでこが当たる。
「ゆっくりって言われたんだけどな……」
「ゆっくり?」
誰に何をゆっくりって言われたのかは教えてくれない。
ただベッドと背中の間に入った腕がぎゅう、っと抱き締めてきた。
強くて、でも苦しくはない力加減。暖かい腕が僕をそのまま抱き起こすから、僕はオーナーの膝の上に乗って肩に頭を乗せる。
無精髭はもう生やさないのかな~、結構気に入ってたのにな~、なんて暢気に考えてる僕の耳に何だか聞き慣れない言葉が飛び込んできた。
「好きだ」
「ん?」
「……俺かお前に何かあった時、何で早く言わなかったんだ、って後悔したくない。だから今言う」
ゆったりとした早さで、噛んで含めるように1つ1つ言葉が紡がれていく。
「俺は、お前が好きだ」
ぴったりくっついた胸元でどっちの物かわからない心音がドキドキと力強く鳴ってる。
好き。
オーナーが、僕を……?
「う、嘘だ~……」
いつもみたいにふざけて流そうとしたけど、全然そんな雰囲気じゃない。背中に回った腕が離れないから顔は見えないけど、声が真剣だ。これで「なんちゃって~」とか言われたら殴っても良いレベルだと思う。
オーナーの言葉は続いてる。
僕の何が好きかって。
最初は金持ちの坊っちゃんが変な事言いに来たな、としか思ってなかった。
でも来る度に何かしら不調を抱えてる僕が心配になって、一緒に暮らすようになってからは辛い時に笑う事に気付いて庇護欲が沸いたんだって。
Domの本能からくる庇護欲だって言い訳して僕に黙っておこうかと思ったけど、王城で王様の威圧を感じた時僕に何かあったかもって怖くなって――
「俺はお前が好きだ」
推しが僕の事を好きだって言ってる。
ファンサじゃなくて、本気で。
びっくりしてドキドキして、上手く言葉が出てこない。
「……お前の中で俺が“推し”とやらじゃなくなったら教えてくれ。まあ――」
逃がすつもりはないけど、って言葉と共にまた唇を塞がれた。
78
お気に入りに追加
2,608
あなたにおすすめの小説
異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話
深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?
国を救った英雄と一つ屋根の下とか聞いてない!
古森きり
BL
第8回BL小説大賞、奨励賞ありがとうございます!
7/15よりレンタル切り替えとなります。
紙書籍版もよろしくお願いします!
妾の子であり、『Ω型』として生まれてきて風当たりが強く、居心地の悪い思いをして生きてきた第五王子のシオン。
成人年齢である十八歳の誕生日に王位継承権を破棄して、王都で念願の冒険者酒場宿を開店させた!
これからはお城に呼び出されていびられる事もない、幸せな生活が待っている……はずだった。
「なんで国の英雄と一緒に酒場宿をやらなきゃいけないの!」
「それはもちろん『Ω型』のシオン様お一人で生活出来るはずもない、と国王陛下よりお世話を仰せつかったからです」
「んもおおおっ!」
どうなる、俺の一人暮らし!
いや、従業員もいるから元々一人暮らしじゃないけど!
※読み直しナッシング書き溜め。
※飛び飛びで書いてるから矛盾点とか出ても見逃して欲しい。
不憫王子に転生したら、獣人王太子の番になりました
織緒こん
BL
日本の大学生だった前世の記憶を持つクラフトクリフは異世界の王子に転生したものの、母親の身分が低く、同母の姉と共に継母である王妃に虐げられていた。そんなある日、父王が獣人族の国へ戦争を仕掛け、あっという間に負けてしまう。戦勝国の代表として乗り込んできたのは、なんと獅子獣人の王太子のリカルデロ! 彼は臣下にクラフトクリフを戦利品として側妃にしたらどうかとすすめられるが、王子があまりに痩せて見すぼらしいせいか、きっぱり「いらない」と断る。それでもクラフトクリフの処遇を決めかねた臣下たちは、彼をリカルデロの後宮に入れた。そこで、しばらく世話をされたクラフトクリフはやがて健康を取り戻し、再び、リカルデロと会う。すると、何故か、リカルデロは突然、クラフトクリフを溺愛し始めた。リカルデロの態度に心当たりのないクラフトクリフは情熱的な彼に戸惑うばかりで――!?

お飾り王婿ライフを満喫しようとしたら、溺愛ルートに入りました?
深凪雪花
BL
前世の記憶を取り戻した侯爵令息エディ・テルフォードは、それをきっかけにベータからオメガに変異してしまう。
そしてデヴォニア国王アーノルドの正婿として後宮入りするが、お飾り王婿でいればそれでいいと言われる。
というわけで、お飾り王婿ライフを満喫していたら……あれ? なんか溺愛ルートに入ってしまいました?
※★は性描写ありです
※2023.08.17.加筆修正しました
出来損ないのオメガは貴公子アルファに愛され尽くす エデンの王子様
冬之ゆたんぽ
BL
旧題:エデンの王子様~ぼろぼろアルファを救ったら、貴公子に成長して求愛してくる~
二次性徴が始まり、オメガと判定されたら収容される、全寮制学園型施設『エデン』。そこで全校のオメガたちを虜にした〝王子様〟キャラクターであるレオンは、卒業後のダンスパーティーで至上のアルファに見初められる。「踊ってください、私の王子様」と言って跪くアルファに、レオンは全てを悟る。〝この美丈夫は立派な見た目と違い、王子様を求めるお姫様志望なのだ〟と。それが、初恋の女の子――誤認識であり実際は少年――の成長した姿だと知らずに。
■受けが誤解したまま進んでいきますが、攻めの中身は普通にアルファです。
■表情の薄い黒騎士アルファ(攻め)×ハンサム王子様オメガ(受け)

黒とオメガの騎士の子育て〜この子確かに俺とお前にそっくりだけど、産んだ覚えないんですけど!?〜
せるせ
BL
王都の騎士団に所属するオメガのセルジュは、ある日なぜか北の若き辺境伯クロードの城で目が覚めた。
しかも隣で泣いているのは、クロードと同じ目を持つ自分にそっくりな赤ん坊で……?
「お前が産んだ、俺の子供だ」
いや、そんなこと言われても、産んだ記憶もあんなことやこんなことをした記憶も無いんですけど!?
クロードとは元々険悪な仲だったはずなのに、一体どうしてこんなことに?
一途な黒髪アルファの年下辺境伯×金髪オメガの年上騎士
※一応オメガバース設定をお借りしています

有能すぎる親友の隣が辛いので、平凡男爵令息の僕は消えたいと思います
緑虫
BL
第三王子の十歳の生誕パーティーで、王子に気に入られないようお城の花園に避難した、貧乏男爵令息のルカ・グリューベル。
知り合った宮廷庭師から、『ネムリバナ』という水に浮かべるとよく寝られる香りを放つ花びらをもらう。
花園からの帰り道、噴水で泣いている少年に遭遇。目の下に酷いクマのある少年を慰めたルカは、もらったばかりの花びらを男の子に渡して立ち去った。
十二歳になり、ルカは寄宿学校に入学する。
寮の同室になった子は、まさかのその時の男の子、アルフレート(アリ)・ユーネル侯爵令息だった。
見目麗しく文武両道のアリ。だが二年前と変わらず睡眠障害を抱えていて、目の下のクマは健在。
宮廷庭師と親交を続けていたルカには、『ネムリバナ』を第三王子の為に学校の温室で育てる役割を与えられていた。アリは花びらを王子の元まで運ぶ役目を負っている。育てる見返りに少量の花びらを入手できるようになったルカは、早速アリに使ってみることに。
やがて問題なく眠れるようになったアリはめきめきと頭角を表し、しがない男爵令息にすぎない平凡なルカには手の届かない存在になっていく。
次第にアリに対する恋心に気づくルカ。だが、男の自分はアリとは不釣り合いだと、卒業を機に離れることを決意する。
アリを見ない為に地方に移ったルカ。実はここは、アリの叔父が経営する領地。そこでたった半年の間に朗らかで輝いていたアリの変わり果てた姿を見てしまい――。
ハイスペ不眠攻めxお人好し平凡受けのファンタジーBLです。ハピエン。

オメガバα✕αBL漫画の邪魔者Ωに転生したはずなのに気付いた時には主人公αに求愛されてました
和泉臨音
BL
落ちぶれた公爵家に生まれたミルドリッヒは無自覚に前世知識を活かすことで両親を支え、優秀なαに成長するだろうと王子ヒューベリオンの側近兼友人候補として抜擢された。
大好きな家族の元を離れ頑張るミルドリッヒに次第に心を開くヒューベリオン。ミルドリッヒも王子として頑張るヒューベリオンに次第に魅かれていく。
このまま王子の側近として出世コースを歩むかと思ったミルドリッヒだが、成長してもαの特徴が表れず王城での立場が微妙になった頃、ヒューベリオンが抜擢した騎士アレスを見て自分が何者かを思い出した。
ミルドリッヒはヒューベリオンとアレス、α二人の禁断の恋を邪魔するΩ令息だったのだ。
転生していたことに気付かず前世スキルを発動したことでキャラ設定が大きく変わってしまった邪魔者Ωが、それによって救われたα達に好かれる話。
元自己評価の低い王太子α ✕ 公爵令息Ω。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる