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第1章 念願の国外追放
side エオロー
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すぅすぅと寝息を立て始めたウルをベッドに下ろしてやると、まだ丸みの足りない頬を撫でて治りかけの傷が残った唇も指でなぞってから布団をかけてやった。
そういえばこの唇の傷の理由も聞いてないな。俺のいない間ついていてくれたマリオットなら何か知ってるかもしれない。俺に話があるとも言っていたのに、結局あの2人が来て聞けずじまいだ。
あの2人――ナティリアスとリンクフェルト。王太子アザリーシャと母の違う2人は昔から兄の機嫌を損ねないよう敢えて外に出ていた。
賢いけれどβ×Domのアザリーシャ、文武両道で人望のあるα×Domのナティリアス、そして光魔法持ちで主にΩや女性陣からの信頼に厚いΩ×Domのリンクフェルト。
弟達に王位を狙うつもりは全くないのにナティリアスにはバース性での劣等感を、リンクフェルトには光魔法を使える希少な存在としての劣等感を募らせているというのは市井にまで広がっている噂話だ。
今回唯一魔王らしき魔力を自力で感知したリンクフェルトが気のせいだと言っても聞く耳を持たないのは、弟達より優位に立つ為の手柄が欲しくて焦っているんだろう。
あの日角が出ていた耳の上をさらりと撫でる。
魔王を呼び起こすのが恐怖だとしたらこのまま王城に行くのは恐らく危険が大きい。何の拍子に感情が振り切れてあの日のようになるかわからないからだ。
しかも魔力量が多かったら結界に使うだと?
「そんな事許せるもんかよ」
やっとあの地獄から抜けて来たウルをまた地獄に落とす気なんてさらさらない。
コン、とドアを叩かれた音で我に返る。扉に寄りかかって腕を組んでいたバルドヴィーノが寄って来てウルの顔を覗き込んだ。
「俺のチビちゃんは寝ちゃったのか」
「お前のじゃない」
「いやしかし寝てるとますますオセルに似てるな。アルタメニア公爵に似なくて良かったよ」
公爵も綺麗な顔をしてるかも知れないけど可愛げがない、なんて言いながらウルの頭を撫でようとしたその手を叩き落とす。
触って良いのは俺だけだ、とαの、そしてDomの本能が叫んでる。それがわかったのかハイハイ、と肩を竦めたバルドが手を引っ込めた。
「さてそれで?何か言いたい事があるんだろ?」
「……ここでは話せない。万が一ウルが起きたら困る」
だから店の方に行く、と後ろ髪を引かれる思いで家を出た。あの状態のウルを1人にしておくのも正直心配過ぎるから丁度様子を窺いに外を覗いていたユリアに託して食堂に集まってた他の奴らを部屋に帰す。
ただシーラだけはやっぱり俺自身に何か起きた時の為に話をしておくべきだと残ってもらった。他の奴らを信用していないんじゃない。ランクの高いα×Domはβ×Normalすら従わせる力があるからだ。シーラ以外の奴らは『言え』と言われたら知ってる事を言わされてしまう。この店でα×Domに対抗できるのは俺とシーラだけだ。
俺が1人でウルを守れる、なんて思う程若くもなければ馬鹿でもない。頼るべき時を見誤るな、というのは他でもない目の前にいるバルドから教わった事だ。若くて馬鹿だった俺の未熟な精神面はこいつに鍛えられたと言っても良い。普段の姿だけ見ているとただの馬鹿にしか見えないが、流石は辺境伯を名乗るだけはあると思う。
ただいざ言おうとして、自分がとてつもなく荒唐無稽な話をしようとしている事に僅かに躊躇いが生まれる。
(ああ、そうか――)
ウルが俺には魔王の話をしないのは俺が信じないと思ってるからか。
確かに実際目にしてなかったら信じなかったかも知れないな。きっとあいつはそういうのも何となく察して黙ってるんだろう。たまに過剰反応はしてるけど。
マリオットには話した、という事実に大人げなく嫉妬をしながらそのマリオットから聞いた話と自分が見た物の話を目の前の2人に伝える。
言えば言う程嘘くさい、と笑い飛ばされそうな話だったけれど2人は黙って最後まで聞いてくれた。
「なるほどな……それでSubドロップ起こす程パニックになったのか」
一瞬リンクフェルトのDom性に当てられたのかと思ったが多分恐怖からのパニック状態だったんだろう。
魔王でも魔王じゃなくても命をとられると言われたも同然だ。自分が魔王である事を知っているウルにとってこれ以上の恐怖はない。
「魔王化した事を本人には言わないの?本人が自覚していないと何の拍子にまた同じ状態になるかわからないわ」
「マリオットはウルの魔王化の条件は“恐怖”じゃないかって言っていた。あいつが唯一出せる感情は恐怖だから、ってな」
喜怒哀楽はある。喜んだり楽しんだり、それは本物だろうと思う。でもどこか一線を引いている感じは拭えない。その中でも唯一ストレートに出せる感情が恐怖だという。
父親への恐怖が今でもウルを縛って、魔王になる恐怖が新たな鎖になってあいつを縛っているんだろう。
「魔王になる事を何より恐れてるウルに一度魔王化した事を伝えたらどうなるかわからなくて……怖いんだよ」
あの時は戻って来られた。
でも次は?魔王になったまま戻れなかったら?
あいつのあの性格だ。俺達に迷惑がかからないように、ってどこかに行ってしまうだろう。
もしかしたら魔王化した事を知った時点で行方を眩ませてしまう可能性だってある。
「……王城の鑑定がどのくらい正確かわかるか?」
この中で実際に鑑定の魔導具を見たことがあるのはバルドだけだ。
「少なくとも魔力量は誤魔化しようがないかも知れないな」
「魔導具で誤魔化す事は出来ないかしら」
「バレたら王族を謀った罪で投獄ものだろ」
「あら、辺境伯がいるじゃない」
「おじさんに王族を謀れって?シーラちゃん、おじさんを殺したいの~?」
ふざけた物言いをしながらも2人共真剣に考えてくれてるのがありがたい。
本来ならこの場にウルも連れてきて、お前の事を本気で心配して何とかしようとしてくれる大人がここにいるんだって事を教えてやりたい。
でも教えないのはウルの為だと言いながら本当は俺が怖いだけなんだ。
最初に出会った時みたいに笑いながら何の希望も持ってない諦めた目をしたウルを見たくなくて。
偽とはいえ王族の婚約者だったウルは俺達に出来る事なんてないって8割諦めてるだろうから。
控えめなノックが響いたのはその時だった。
「オーナー」
おずおずと顔を出したマリオットは家の方に行ったらこっちだって言われたから、と玄関先で立ち尽くしている。
「ウルは?」
「まだ寝てました」
「そういえばお前も話があるって言ってたな」
手招くとちらりとバルドに視線をやってから中に入ってくる。
その視線がこの相手は信頼できるのかと問いかけている気がして苦笑した。
バルドのあの感じは確かに知らない奴からは誤解を招きやすいからな。
「この髭ジジイは大丈夫だ」
「つけ髭だよ~」
ウルにもドン引きされたそれをマリオットにもやって同じくドン引きされている。本当に大丈夫なのかと疑わしい視線を向けているが、一先ずは俺を信じてくれたらしい。
だがマリオットの話を聞く前に勝手にウルの魔王化を話してしまった事を謝らないといけないな。遠慮がちに寄ってきたマリオットに対してまず頭を下げた。
「すまん、俺の独断でこいつらにはウルの事を話した」
一瞬目を見開いたもののすぐに頭を横にふる。
「あいつを守るのに2人だけじゃ心許ないんで。オーナーが信用してるならオレも信用します」
そう言ったマリオットは袋から金に光る小さな宝石と謎の魔導具を1つ出してことりとテーブルに置いた。
「これは?」
「……この間の髪から出来た結晶です」
あの日のウルの髪か。
「髪にウルの魔力が残ってるのがわかったんです。それを結晶化したらこうなりました。弱い魔物ならこれだけで逃げ出します」
「まだ魔力が残ってるのか?」
バルドが手を近付けるとバチン、と火花が散る。
「見ての通りですよ」
「……なるほどね」
弾かれた手を擦りながら恨めしげに見つめるバルドにマリオットは素知らぬふりだ。
「こっちの魔導具は魔力を増幅します」
範囲は大きくないし人を含む生き物自体の魔力を増幅する事は出来ない。でも弱い魔石のような魔力のこもった物の力を増幅する事は出来るらしい。
「……ウルが王城で鑑定を受ける時、あの日感じた魔力が別の場所で感知されたら?」
「確かに本人がいるのに他から感知されたら別人だと思われるかも知れないわね」
「ついでにチビちゃんの魔力量を調整する魔導具をこっそり身に付けさせておけば地下行きも何とかなるか」
「あら、辺境伯は殺される覚悟が出来たのね?」
「おじさんの可愛いチビちゃんの為だから仕方ない……!死ぬ気で頑張っちゃう」
そういえばこの唇の傷の理由も聞いてないな。俺のいない間ついていてくれたマリオットなら何か知ってるかもしれない。俺に話があるとも言っていたのに、結局あの2人が来て聞けずじまいだ。
あの2人――ナティリアスとリンクフェルト。王太子アザリーシャと母の違う2人は昔から兄の機嫌を損ねないよう敢えて外に出ていた。
賢いけれどβ×Domのアザリーシャ、文武両道で人望のあるα×Domのナティリアス、そして光魔法持ちで主にΩや女性陣からの信頼に厚いΩ×Domのリンクフェルト。
弟達に王位を狙うつもりは全くないのにナティリアスにはバース性での劣等感を、リンクフェルトには光魔法を使える希少な存在としての劣等感を募らせているというのは市井にまで広がっている噂話だ。
今回唯一魔王らしき魔力を自力で感知したリンクフェルトが気のせいだと言っても聞く耳を持たないのは、弟達より優位に立つ為の手柄が欲しくて焦っているんだろう。
あの日角が出ていた耳の上をさらりと撫でる。
魔王を呼び起こすのが恐怖だとしたらこのまま王城に行くのは恐らく危険が大きい。何の拍子に感情が振り切れてあの日のようになるかわからないからだ。
しかも魔力量が多かったら結界に使うだと?
「そんな事許せるもんかよ」
やっとあの地獄から抜けて来たウルをまた地獄に落とす気なんてさらさらない。
コン、とドアを叩かれた音で我に返る。扉に寄りかかって腕を組んでいたバルドヴィーノが寄って来てウルの顔を覗き込んだ。
「俺のチビちゃんは寝ちゃったのか」
「お前のじゃない」
「いやしかし寝てるとますますオセルに似てるな。アルタメニア公爵に似なくて良かったよ」
公爵も綺麗な顔をしてるかも知れないけど可愛げがない、なんて言いながらウルの頭を撫でようとしたその手を叩き落とす。
触って良いのは俺だけだ、とαの、そしてDomの本能が叫んでる。それがわかったのかハイハイ、と肩を竦めたバルドが手を引っ込めた。
「さてそれで?何か言いたい事があるんだろ?」
「……ここでは話せない。万が一ウルが起きたら困る」
だから店の方に行く、と後ろ髪を引かれる思いで家を出た。あの状態のウルを1人にしておくのも正直心配過ぎるから丁度様子を窺いに外を覗いていたユリアに託して食堂に集まってた他の奴らを部屋に帰す。
ただシーラだけはやっぱり俺自身に何か起きた時の為に話をしておくべきだと残ってもらった。他の奴らを信用していないんじゃない。ランクの高いα×Domはβ×Normalすら従わせる力があるからだ。シーラ以外の奴らは『言え』と言われたら知ってる事を言わされてしまう。この店でα×Domに対抗できるのは俺とシーラだけだ。
俺が1人でウルを守れる、なんて思う程若くもなければ馬鹿でもない。頼るべき時を見誤るな、というのは他でもない目の前にいるバルドから教わった事だ。若くて馬鹿だった俺の未熟な精神面はこいつに鍛えられたと言っても良い。普段の姿だけ見ているとただの馬鹿にしか見えないが、流石は辺境伯を名乗るだけはあると思う。
ただいざ言おうとして、自分がとてつもなく荒唐無稽な話をしようとしている事に僅かに躊躇いが生まれる。
(ああ、そうか――)
ウルが俺には魔王の話をしないのは俺が信じないと思ってるからか。
確かに実際目にしてなかったら信じなかったかも知れないな。きっとあいつはそういうのも何となく察して黙ってるんだろう。たまに過剰反応はしてるけど。
マリオットには話した、という事実に大人げなく嫉妬をしながらそのマリオットから聞いた話と自分が見た物の話を目の前の2人に伝える。
言えば言う程嘘くさい、と笑い飛ばされそうな話だったけれど2人は黙って最後まで聞いてくれた。
「なるほどな……それでSubドロップ起こす程パニックになったのか」
一瞬リンクフェルトのDom性に当てられたのかと思ったが多分恐怖からのパニック状態だったんだろう。
魔王でも魔王じゃなくても命をとられると言われたも同然だ。自分が魔王である事を知っているウルにとってこれ以上の恐怖はない。
「魔王化した事を本人には言わないの?本人が自覚していないと何の拍子にまた同じ状態になるかわからないわ」
「マリオットはウルの魔王化の条件は“恐怖”じゃないかって言っていた。あいつが唯一出せる感情は恐怖だから、ってな」
喜怒哀楽はある。喜んだり楽しんだり、それは本物だろうと思う。でもどこか一線を引いている感じは拭えない。その中でも唯一ストレートに出せる感情が恐怖だという。
父親への恐怖が今でもウルを縛って、魔王になる恐怖が新たな鎖になってあいつを縛っているんだろう。
「魔王になる事を何より恐れてるウルに一度魔王化した事を伝えたらどうなるかわからなくて……怖いんだよ」
あの時は戻って来られた。
でも次は?魔王になったまま戻れなかったら?
あいつのあの性格だ。俺達に迷惑がかからないように、ってどこかに行ってしまうだろう。
もしかしたら魔王化した事を知った時点で行方を眩ませてしまう可能性だってある。
「……王城の鑑定がどのくらい正確かわかるか?」
この中で実際に鑑定の魔導具を見たことがあるのはバルドだけだ。
「少なくとも魔力量は誤魔化しようがないかも知れないな」
「魔導具で誤魔化す事は出来ないかしら」
「バレたら王族を謀った罪で投獄ものだろ」
「あら、辺境伯がいるじゃない」
「おじさんに王族を謀れって?シーラちゃん、おじさんを殺したいの~?」
ふざけた物言いをしながらも2人共真剣に考えてくれてるのがありがたい。
本来ならこの場にウルも連れてきて、お前の事を本気で心配して何とかしようとしてくれる大人がここにいるんだって事を教えてやりたい。
でも教えないのはウルの為だと言いながら本当は俺が怖いだけなんだ。
最初に出会った時みたいに笑いながら何の希望も持ってない諦めた目をしたウルを見たくなくて。
偽とはいえ王族の婚約者だったウルは俺達に出来る事なんてないって8割諦めてるだろうから。
控えめなノックが響いたのはその時だった。
「オーナー」
おずおずと顔を出したマリオットは家の方に行ったらこっちだって言われたから、と玄関先で立ち尽くしている。
「ウルは?」
「まだ寝てました」
「そういえばお前も話があるって言ってたな」
手招くとちらりとバルドに視線をやってから中に入ってくる。
その視線がこの相手は信頼できるのかと問いかけている気がして苦笑した。
バルドのあの感じは確かに知らない奴からは誤解を招きやすいからな。
「この髭ジジイは大丈夫だ」
「つけ髭だよ~」
ウルにもドン引きされたそれをマリオットにもやって同じくドン引きされている。本当に大丈夫なのかと疑わしい視線を向けているが、一先ずは俺を信じてくれたらしい。
だがマリオットの話を聞く前に勝手にウルの魔王化を話してしまった事を謝らないといけないな。遠慮がちに寄ってきたマリオットに対してまず頭を下げた。
「すまん、俺の独断でこいつらにはウルの事を話した」
一瞬目を見開いたもののすぐに頭を横にふる。
「あいつを守るのに2人だけじゃ心許ないんで。オーナーが信用してるならオレも信用します」
そう言ったマリオットは袋から金に光る小さな宝石と謎の魔導具を1つ出してことりとテーブルに置いた。
「これは?」
「……この間の髪から出来た結晶です」
あの日のウルの髪か。
「髪にウルの魔力が残ってるのがわかったんです。それを結晶化したらこうなりました。弱い魔物ならこれだけで逃げ出します」
「まだ魔力が残ってるのか?」
バルドが手を近付けるとバチン、と火花が散る。
「見ての通りですよ」
「……なるほどね」
弾かれた手を擦りながら恨めしげに見つめるバルドにマリオットは素知らぬふりだ。
「こっちの魔導具は魔力を増幅します」
範囲は大きくないし人を含む生き物自体の魔力を増幅する事は出来ない。でも弱い魔石のような魔力のこもった物の力を増幅する事は出来るらしい。
「……ウルが王城で鑑定を受ける時、あの日感じた魔力が別の場所で感知されたら?」
「確かに本人がいるのに他から感知されたら別人だと思われるかも知れないわね」
「ついでにチビちゃんの魔力量を調整する魔導具をこっそり身に付けさせておけば地下行きも何とかなるか」
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