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第二章 浄化の旅
side ディカイアス・マクシノルト R18
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朴は良くも悪くも名前の通り大変素直な人物で、時折やたら自己犠牲の精神を前面に出してくる事はあるものの基本明るく前向きだ。
争い事を好まないのも、誰かの血が流れるのも苦手なのはそのころころ変わる素直な表情を見ていれば誰でもわかる。
だからこそあの時自分もついていく、と言い出した事には心底驚いた。
危険なのは百も承知。しかし朴が言うことも最もで。
あの瞬間優先されるべきは確かに王子殿下二人。ディカイアスの内心がどうであれ、それは揺るぎなく真実だったから朴の番としてではなく、第一騎士団長としての選択だった。ーーーその結果、危うく朴はパワハルに連れ去られてしまうところだった。
先程から何度もディカイアスの上着を引き寄せそこに顔を埋めてしまう朴の両手を顔の横に押し付けて縫い止めると、下から現れるのは快楽に流されとろりと蕩けた黒曜の瞳。高貴な黒の睫毛に縁取られた目尻からぽろ、と落ちる涙が白のシーツに吸い込まれていく。紅潮した頬と、血が巡り普段よりも赤く色付いた唇から時折ちらちらと舌が見えて、その様がえらく扇情的だ。
「でぃあ…?」
朴はいつも情事の途中から舌足らずになってしまう。それがまた愛らしい。
(本当に無事で)
良かった、と。心底安堵する。
パワハルに短剣を突き付けられ、魔力切れで動けないでいる朴にどれだけ肝が冷え、あの瞬間どれだけの罵詈雑言を自分自身に向けて吐き出したか。
「スナオ…」
「ん…」
唇を寄せれば当たり前のように小さく口を開けて待つその愛らしい様に、どれだけ欲を掻き立てられるかなど彼にはわからないだろう。
「ん、む…」
舌先をつつけば、おずおずと同じように返してくる。舌を絡めれば、怯んだように奥に引っ込む。舌を吸い上げれば、うっとりとした吐息を溢す。上顎を擦るときゅう、と中が締まる。
未だに息継ぎのタイミングを逃す事も多いから、ディカイアスがそのタイミングを見計らってやらないとすぐ酸欠になってしまう。
「…本当にお前は…愛らしいな」
「ふへぇ…?」
間の抜けた返事も。
とろりと蕩けた瞳も。
甘い香りの誘引香も。
しどけなく開いたままの足も。
無意識に腰を揺らして快楽を得るその様も。
「…お前が無事で本当に良かった」
こんなにいやらしくて愛らしい姿を自分達以外に晒すなど、あってはならない。
この体に傷の一つも作って欲しくない。
「でぃあ…」
心配かけてごめん、と眉尻を下げてしまうその鼻先に口付けてまた腰を揺らす。
「あっ、あぁ…っ」
絡ませた指をぎゅっ、と強く握って腰を打ち付ける度に頭を振り、背中をしならせ、中を締め付けて。切なげに寄せられる眉と閉じられない唇と、時折ちらり、とディカイアスを見上げ、また恥ずかしそうに逸らされるその瞳。
「ひ、ぁ…!あん!や、だめ…っ」
握り込む指を外させて細い体を抱き締めるように背中に手を差し入れて、赤く色付いた胸の小さな飾りを唇で食むと大袈裟なまでにびくりと跳ね上がる。どうやら昨日パルティエータが散々弄ったようで、いつもより赤く敏感だ。
「あっ、あぁッ!や、だぁ…っ!きもちい…、きもちいい…っ」
もっと、と。
ついに理性が焼き切れたらしい朴が本能のままに力なく、胸に埋めたディカイアスの頭を掻き抱いた。
「もっと…、どうして欲しい?」
「ん…、なめてほしい…」
それから動いてほしい、と舌足らずに懸命に伝えてくる。
快楽に傾いた彼はここでもまた素直だ。たまに嫌だ、だめ、とは言うものの、最後に辿り着くのは気持ちがいい、という言葉。
わかった、と言われた通り胸を舐め中を突き上げれば甘い嬌声が上がった。
「あっ、は…っ、ーーあぁ…ッ!ん、ぅ…!」
また上着を手繰り寄せ、口元に当てている。むしろかじりついている。
「スナオ」
「なに…?」
止まった動きにもどかしそうにモジモジとしながら、黒曜がディカイアスを見上げた。
「上着は離さないのか」
「ん…でぃあの、においがする…から」
へらり、と笑う。
ディカイアスの理性の鎖が1つぶちりと砕けて落ちた。
朴より歳を重ねている事。騎士団長という立場である事。七大貴族の一人である事。色々な理由で縛り付けてきた本能が暴れ出している。
これ以上は危険だ。こういうのを“小悪魔”と言うのだろうか。
またもすんすんと上着を嗅いで笑っている朴の手から上着を取り上げて体を起こす。
「んぁぁっ!」
ぐ、と自重でさらに奥まで入って仰け反る朴を抱き止めて首筋に頭を凭れさせた。
「嗅ぎたいなら直に嗅げ」
「んぅ…?」
良くわかっていないような顔をしたまま腕を回して抱きついて、首筋に鼻先が当たる。朴の体からもふわ、と漂う誘引香にディカイアスの頭もくらりと揺れた。
「あ…っ!?ん!あぁ…!!あ!あん…っ!」
下から突き上げれば甘い嬌声を上げながら、先程の上着のようにガブリとかじりついてくる。甘い香りと鋭い痛みにディカイアスも荒い吐息を吐いた。
ぐりぐりと朴が一番感じる場所を抉り、最奥を突き、耳朶を食みながら腹の間で揺れる朴の陰茎から紐を外してやる。
「あぁッ、あ、あっ!ひ…、あぁ!」
いや、だめ、さわらないで、と言いながら、きもちいい、きもちいい、と縋る朴の陰茎を擦り上げて。
朴が声も出せず仰け反って白濁を吐き出すのと同時に、ディカイアスもその柔らかな内側を自分の欲で汚したのだった。
争い事を好まないのも、誰かの血が流れるのも苦手なのはそのころころ変わる素直な表情を見ていれば誰でもわかる。
だからこそあの時自分もついていく、と言い出した事には心底驚いた。
危険なのは百も承知。しかし朴が言うことも最もで。
あの瞬間優先されるべきは確かに王子殿下二人。ディカイアスの内心がどうであれ、それは揺るぎなく真実だったから朴の番としてではなく、第一騎士団長としての選択だった。ーーーその結果、危うく朴はパワハルに連れ去られてしまうところだった。
先程から何度もディカイアスの上着を引き寄せそこに顔を埋めてしまう朴の両手を顔の横に押し付けて縫い止めると、下から現れるのは快楽に流されとろりと蕩けた黒曜の瞳。高貴な黒の睫毛に縁取られた目尻からぽろ、と落ちる涙が白のシーツに吸い込まれていく。紅潮した頬と、血が巡り普段よりも赤く色付いた唇から時折ちらちらと舌が見えて、その様がえらく扇情的だ。
「でぃあ…?」
朴はいつも情事の途中から舌足らずになってしまう。それがまた愛らしい。
(本当に無事で)
良かった、と。心底安堵する。
パワハルに短剣を突き付けられ、魔力切れで動けないでいる朴にどれだけ肝が冷え、あの瞬間どれだけの罵詈雑言を自分自身に向けて吐き出したか。
「スナオ…」
「ん…」
唇を寄せれば当たり前のように小さく口を開けて待つその愛らしい様に、どれだけ欲を掻き立てられるかなど彼にはわからないだろう。
「ん、む…」
舌先をつつけば、おずおずと同じように返してくる。舌を絡めれば、怯んだように奥に引っ込む。舌を吸い上げれば、うっとりとした吐息を溢す。上顎を擦るときゅう、と中が締まる。
未だに息継ぎのタイミングを逃す事も多いから、ディカイアスがそのタイミングを見計らってやらないとすぐ酸欠になってしまう。
「…本当にお前は…愛らしいな」
「ふへぇ…?」
間の抜けた返事も。
とろりと蕩けた瞳も。
甘い香りの誘引香も。
しどけなく開いたままの足も。
無意識に腰を揺らして快楽を得るその様も。
「…お前が無事で本当に良かった」
こんなにいやらしくて愛らしい姿を自分達以外に晒すなど、あってはならない。
この体に傷の一つも作って欲しくない。
「でぃあ…」
心配かけてごめん、と眉尻を下げてしまうその鼻先に口付けてまた腰を揺らす。
「あっ、あぁ…っ」
絡ませた指をぎゅっ、と強く握って腰を打ち付ける度に頭を振り、背中をしならせ、中を締め付けて。切なげに寄せられる眉と閉じられない唇と、時折ちらり、とディカイアスを見上げ、また恥ずかしそうに逸らされるその瞳。
「ひ、ぁ…!あん!や、だめ…っ」
握り込む指を外させて細い体を抱き締めるように背中に手を差し入れて、赤く色付いた胸の小さな飾りを唇で食むと大袈裟なまでにびくりと跳ね上がる。どうやら昨日パルティエータが散々弄ったようで、いつもより赤く敏感だ。
「あっ、あぁッ!や、だぁ…っ!きもちい…、きもちいい…っ」
もっと、と。
ついに理性が焼き切れたらしい朴が本能のままに力なく、胸に埋めたディカイアスの頭を掻き抱いた。
「もっと…、どうして欲しい?」
「ん…、なめてほしい…」
それから動いてほしい、と舌足らずに懸命に伝えてくる。
快楽に傾いた彼はここでもまた素直だ。たまに嫌だ、だめ、とは言うものの、最後に辿り着くのは気持ちがいい、という言葉。
わかった、と言われた通り胸を舐め中を突き上げれば甘い嬌声が上がった。
「あっ、は…っ、ーーあぁ…ッ!ん、ぅ…!」
また上着を手繰り寄せ、口元に当てている。むしろかじりついている。
「スナオ」
「なに…?」
止まった動きにもどかしそうにモジモジとしながら、黒曜がディカイアスを見上げた。
「上着は離さないのか」
「ん…でぃあの、においがする…から」
へらり、と笑う。
ディカイアスの理性の鎖が1つぶちりと砕けて落ちた。
朴より歳を重ねている事。騎士団長という立場である事。七大貴族の一人である事。色々な理由で縛り付けてきた本能が暴れ出している。
これ以上は危険だ。こういうのを“小悪魔”と言うのだろうか。
またもすんすんと上着を嗅いで笑っている朴の手から上着を取り上げて体を起こす。
「んぁぁっ!」
ぐ、と自重でさらに奥まで入って仰け反る朴を抱き止めて首筋に頭を凭れさせた。
「嗅ぎたいなら直に嗅げ」
「んぅ…?」
良くわかっていないような顔をしたまま腕を回して抱きついて、首筋に鼻先が当たる。朴の体からもふわ、と漂う誘引香にディカイアスの頭もくらりと揺れた。
「あ…っ!?ん!あぁ…!!あ!あん…っ!」
下から突き上げれば甘い嬌声を上げながら、先程の上着のようにガブリとかじりついてくる。甘い香りと鋭い痛みにディカイアスも荒い吐息を吐いた。
ぐりぐりと朴が一番感じる場所を抉り、最奥を突き、耳朶を食みながら腹の間で揺れる朴の陰茎から紐を外してやる。
「あぁッ、あ、あっ!ひ…、あぁ!」
いや、だめ、さわらないで、と言いながら、きもちいい、きもちいい、と縋る朴の陰茎を擦り上げて。
朴が声も出せず仰け反って白濁を吐き出すのと同時に、ディカイアスもその柔らかな内側を自分の欲で汚したのだった。
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